世界を代表するアニメーション監督と言っても過言ではない宮崎駿監督。当ブログでも、彼が監督した作品のレビュー記事(解説&感想)を多数アップしてきました。
そこで、今回は宮崎駿監督の作品のレビューをまとめたいと思います(本ページではネタバレなしで記載します。ネタバレありの解説&感想はリンク先の個別記事をご覧ください)。
宮崎駿監督作品レビュー
本ページでは、宮崎駿監督の劇場用長編作品を対象とします。したがって、短編の『On Your Mark〜ジブリ実験劇場』や、テレビアニメのダイジェスト版である『未来少年コナン 特別編 巨大機ギガントの復活』は除外します。
ルパン三世 カリオストロの城(1979)
My評価: ☆☆☆☆☆☆☆★★★
『ルパン三世』の劇場版第2作。異国情緒あふれるカリオストロ公国を舞台に、ルパン達の活躍を描く。
すっきりまとまったストーリー、独自の世界観、躍動感溢れるアニメーションと、見どころたっぷりの作品。『ルパン三世』のフォーマットと宮崎アニメが融合した稀有な作品です。
風の谷のナウシカ(1984)
My評価: ☆☆☆☆☆☆☆★★★
自然と人間の共存をテーマとし、文明が崩壊して1000年後の世界を描いたSFファンタジー。
独自の世界観、舞台となる世界をたっぷり使って展開するストーリー、そして空中戦の迫力。今見ても色褪せない魅力を持った作品です。
天空の城ラピュタ(1986)
~詳細レビューは準備中~
My評価: ☆☆☆☆☆☆☆☆☆★
ある日、見習い機械工の少年パズーのもとへ、飛行石を身につけた少女シータが降ってくる——。政府機関や空中海賊の思惑も交錯しながら繰り広げられる、天空の城ラピュタをめぐる冒険活劇。
魅力的なキャラクター、独創的なラピュタの設定とその造形、アクションシーンのアニメーション表現、久石譲の音楽、すべてが噛み合って織りなす上質なエンターテインメント。
となりのトトロ(1988)
My評価: ☆☆☆☆☆☆☆☆★★
父親と共に田舎に移住したサツキとメイは森に住む不思議な生き物・トトロに出会う——。2人の少女とトトロの交流を描くファンタジー。
シンプルな筋書きの中で、サツキとメイの感情描写が際立った作品。それが子供らしい情感に満ちているものですから、子供目線ですっかり感情移入させられると同時に、ノスタルジーを掻き立てられます。
魔女の宅急便(1989)
My評価: ☆☆☆☆☆☆☆☆★★
同名の児童文学を原作としてアニメ化。親元を離れて見知らぬ街に移り住んだ魔女の少女キキの成長物語。
丁寧な心理描写でキキの内面に切り込み、彼女の人間としての成長を描きます。一見子供向け作品のように見えて、様々な人生経験を積んだ大人の方が、心を揺さぶられる作品になっています。
紅の豚(1992)
My評価: ☆☆☆☆☆☆☆★★★
世界恐慌時代のアドリア海を舞台に、豚の姿をした元軍人のパイロット・ポルコの活躍を描く物語。
宮崎駿監督作品としては比較的大人向けに作られた作品という印象。とは言え、キャラクターやアニメーション表現の魅力は子供から大人まで惹きつけるものになっています。「飛ばねぇ豚はただの豚だ」って、なんてキャッチーな台詞でしょう。
もののけ姫(1997)
My評価: ☆☆☆☆☆☆☆☆☆★
タタリ神の呪いを受けた青年アシタカは呪いを断つために村から旅立ち、やがて山犬に育てられた少女サンと出会う——。『風の谷のナウシカ』に続き、人間と自然の対立をテーマとした作品。
単純な善と悪では語れない様々な利害関係が絡み合うストーリー展開、魅力的なキャラクター、躍動感あふれるアクション。極めてレベルの高い、素晴らしいエンターテインメント作品です。
千と千尋の神隠し(2001)
My評価: ☆☆☆☆☆☆☆★★★
両親と共に引越し先に向かう途中、少女・千尋は神々の住む異世界に迷い込む——。異世界での経験を通した千尋の成長物語。
おもちゃ箱をひっくり返したようなデザインとアニメーション表現の洪水。その溢れんばかりのイマジネーションには感服します。各シーンでがらりと様相を変えながら確実に映画を盛り上げ、心に沁みる音楽も至高。
ハウルの動く城(2004)
My評価: ☆☆☆☆☆☆★★★★
魔女の呪いによって老婆の姿に変えられたソフィーは、魔法使いハウル住む動く城に、掃除婦として住みこんで働くことになる——。小説『魔法使いハウルと火の悪魔』を原作としたファンタジー。
"動く城"を始めとして、映画に登場するキャラクター、街、乗り物、建物等のデザインやアニメーション表現に感服。一方で、ストーリーは説明不足だらけ。ソフィーの感情描写も甘く、行動原理が見えないのでストーリー展開の説得力を欠くのが残念なところ。
崖の上のポニョ(2008)
My評価: ☆☆☆☆☆★★★★★
魚の女の子のポニョは、自分を可愛がってくれた保育園児の宗介のことを好きになり、人間になることを望む——。アンデルセンの童話『人魚姫』をモチーフにしたファンタジー。
手書きのアニメーションらしい素朴で温かみのある表現を始め、アニメーションにそれなりの見どころはあるものの、ぎこちなくも感じられるストーリー構成には疑問。宮崎駿監督作品としては、ある意味で私にとって最も理解しがたい作品。
風立ちぬ(2013)
My評価: ☆☆☆☆☆☆☆☆☆★
零戦の設計者として有名な堀越二郎を主人公としたフィクション。堀辰雄の小説『風立ちぬ』に着想を得たヒロイン・里見菜穂子との恋を織り交ぜながら、飛行機作りに邁進する二郎の半生を描きます。
二郎の飛行機作りへの情熱と、菜穂子との切ない恋、それぞれに心を揺さぶられます。ファンタジーを描いてきた宮崎駿監督には珍しく、現実のドラマを描いているわけですが、アニメーションの美しさや、何度も挿入される二郎の夢のシーンのファンタジー描写は宮崎駿らしさを色濃く感じさせます。
君たちはどう生きるか(2023)
My評価: ☆☆☆☆☆☆☆★★★
火事で母親を失った少年・眞人。太平洋戦争下、疎開して移り住んだ継母の屋敷で、異世界にいざなわれ…。
宮崎駿監督が自身の経験や立場を重ね合わせたかのようなストーリーやキャラクター設定など、非常に示唆に富んだ作品。そこに描かれていることを踏まえると、監督の引退作に相応しい作品に思えます。
Myランキング
1. 風立ちぬ
2. 天空の城ラピュタ
3. もののけ姫
4. となりのトトロ
5. 魔女の宅急便
7. 千と千尋の神隠し
8. 風の谷のナウシカ
9. 君たちはどう生きるか
10. 紅の豚
11. ハウルの動く城
12. 崖の上のポニョ
最後に
今回は宮崎駿監督の長編作品のレビューをまとめさせていただきました。私自身は、宮崎駿監督が特別好きというわけではないのですが、気が付けば全作品鑑賞していました。こうして並べてみると、やはり名作だらけで、クリエイターとしての才能には感服させられますね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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