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映画『007/ゴールデンアイ』解説&感想 シリーズの大きな転換点の第17作

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どうも、たきじです。

 

今回は1995年公開の英米合作映画『007/ゴールデンアイ』の解説&感想です。007シリーズとしては、前作『007/消されたライセンス』に続く第17作です。

 

 

↓ 前作の解説&感想はこちら

↓ その他のシリーズ作品の解説&感想はこちらから(各作品へのリンクあり)

 

作品情報

タイトル:007/ゴールデンアイ

原題  :GoldenEye

製作年 :1995年

製作国 :イギリス、アメリカ

監督  :マーティン・キャンベル

出演  :ピアース・ブロスナン
     ショーン・ビーン
     イザベラ・スコルプコ
     ファムケ・ヤンセン
     ジョー・ドン・ベイカー
     ロビー・コルトレーン
     チェッキー・カリョ
     ゴットフリード・ジョン
     アラン・カミング
     マイケル・キッチン
     セレーナ・ゴードン
     デスモンド・リュウェリン
     サマンサ・ボンド
     ジュディ・デンチ
上映時間:130分

 

解説&感想(ネタバレあり)

5代目ジェームズ・ボンドの登場

前作から6年を経て公開された本作。それまではほぼ1〜2年ごとに公開されてきたシリーズとしては、かなり長いインターバルと言えます。このインターバルを挟み、本作ではシリーズとして大きな転換を図っています。


まず、ジェームズ・ボンド役は、前2作で演じたティモシー・ダルトンに代わり、5代目となるピアース・ブロスナンが演じています。


映画序盤、カジノでウォッカ・マティーニを注文して「ボンド、ジェームズ・ボンド」と名乗るなど、早速、ボンドのお約束をコンボで決めています(笑)。


私の主観も入りますが、ブロスナンはこれまでのボンド俳優の中でも特にハンサムでスタイルもよく、その佇まいやアクションのキレも含め、シンプルにカッコいいのが特徴でしょう。シーンの最後などでの一言ユーモアも多いですね。一作目にして、すでに独自のボンド像が出来上がっている印象です。


ただ、かつての同僚であり友人であったアレックが敵だったことに思い悩む描写は不要かな。その辺のドラマがそこまで掘り下げられている印象は受けないので、夕暮れのビーチで物思いにふけるシーンなんかも取ってつけたように感じられます。このシーンは、ボンドガールの水着をお披露目する意図もあるのかもしれませんが(笑)。

 

冷戦終結がもたらした変化

また、本作ではMI6のメンバーもボンドと共に変更されています。M役は前作まで4作で演じたロバート・ブラウンからジュディ・デンチに、マネーペニー役は前2作で演じたキャロライン・ブリスからサマンサ・ボンドに代わっています。そんな中でQだけは第2作から演じ続けているデズモンド・リュウェリンが続投です。


役者のみならず、MI6のシーンの描かれ方も随分と変化しています。これまでは、Mの執務室のような場所でボンドが任務を引き受けるのが常(入口でのマネーペニーとの会話を含め)でしたが、本作ではやけに近代的な作戦室のような場所が舞台となり対応を巡る議論も含めて描かれます。


また、Mはとにかく数字を重視し、プロの勘に頼る諜報部員との間に確執めいたものが示唆されるなど、これまでになかったドラマ的要素も含んでいます(特段深掘りされることはありませんでしたが)。


こうした種々の変更は、第1作からシリーズをプロデュースしてきたアルバート・R・ブロッコリが退任したことも大きいでしょう。が、もう一つ忘れてはならないのが、前作公開後に冷戦が終結したことです。


これまでのシリーズは、冷戦がストーリーの根底にあり続けました。そして、そうした世界情勢の中にジェームズ・ボンドら諜報部員の大きな存在意義があり、その活躍がありました。


ボンドに対するMの「あなたは女性蔑視の太古の恐竜で冷戦の遺物」という台詞や、米CIAのウェイドの「この時代にまだ合言葉ごっこか」という台詞にも、時代の変化に対する意識が伺えます。


冷戦の終結という、大きな時代の変化を踏まえ、作品の在り方を見直すというのは極めて自然な流れと言えます。一方で、こうした変化は作品の色を変えてしまい、007らしさがいくらか失われる面もあります。

 

変わらないQ

上述のようなシリーズの変化にいくらかの寂しさもある中で、これまでと変わらずに登場するQと彼の研究所の描写には嬉しくなりますね。研究所のシーンはいずれの作品でもユーモアたっぷりに描かれますが、本作には最も笑わされました。


シーン冒頭では、車椅子で登場するQ。足にはギプスを装着しています。ボンドは骨折かと心配しますが、ギプスからはロケット弾が発射されます。


シーン最後には、ボンドがサンドイッチを見つけます。研究所にあるものはあんなものからこんなものまでカムフラージュされた兵器。ボンドはサンドイッチを手に取り興味深そうに見つめますが、Qはそれを奪い取り一言。「私の昼食だ!」


いずれも声を出して笑ってしまいました(笑)。全編にわたってコミカルなシーンを散りばめるよりも、シリアスを基調にこういうコミカルなシーンをポイントで挿入する方が、私は好きです。

 

アクションは平凡

本作では撮影や編集といったアクションシーンの見せ方という点においても、90年代らしくアップデートされています。とは言え、全体としてさほど興奮するようなものではなく、平凡な印象を受けました。


記憶に残ったのは、ボンドが敵の車を戦車で追いかけるシーンくらいでしょうか。やや荒唐無稽ではありますが、なかなかユニークで、007らしいといえばらしいです。

 

その他のキャラクター

さて、本作のメインのボンドガールはイザベラ・スコルプコ演じるナターリア。ITエンジニアとしてコンピュータを操りボンドを助けるなど活躍を見せますが、そこまで印象には残りませんでした。


一方、敵側のボンドガールのオナトップは強烈な印象を残します。まあ、印象に残るだけで、魅力的なキャラクターとは思いませんけど。演じるファムケ・ヤンセンは明らかにオーバーアクト。あのベッドシーンはなんなのよ(笑)。


本作の悪役はアレック。ボンドの元同僚で006だった男が敵になるというのはなかなかユニークな展開でした。演じるのは『ロード・オブ・ザ・リング』のボロミア役で有名なショーン・ビーン


また、本作にはCIAのウェイドというキャラクターが登場します。ボンドに協力するCIAという役柄はこれまでの作品ではフェリックス・ライターが担っていました。フェリックスを出さなかったのは、前作と本作の連続性を曖昧にするためでしょうか?フェリックスは前作で脚を失っていますらかね。


ちなみにウェイドを演じたジョー・ドン・ベイカーは第15作『リビング・デイライツ』では悪役を演じていました。本シリーズでは、同じ役者が違う役を演じるケースが時々あります。第5作『007は二度死ぬ』でボンドの協力者を演じたチャールズ・グレイが第7作『ダイヤモンドは永遠に』で敵のボスのブロフェルドを演じていたり。


さて、最後に付け加えて言えば、クラブで歌っている歌手の役で、デビュー間もない頃のミニードライヴァーが出演しているのも注目ポイント。前作ではデビュー間もないベニチオ・デル・トロが出演していましたね。デル・トロが敵の殺し屋の役で出演シーンも多かったのに対し、ドライヴァーはほんの1シーンの出演。そんな彼女が2年後には『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』でアカデミー助演女優賞にノミネートされるわけですから、すごいスピード出世ですね。

 

最後に

今回は映画『007/ゴールデンアイ』の解説&感想でした。俳優陣や演出に大きな変化が見られ、シリーズの大きな転換点となった本作。アクションは平凡で、ストーリーや演出も特別ワクワクするものではありませんでした。一方で、5代目ジェームズ・ボンドに就任したピアース・ブロスナンの魅力は十分に感じられる作品でした。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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