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映画『野生の島のロズ』解説&感想 高評価アニメ映画をネガティブレビュー

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どうも、たきじです。

 

今回は、2024年公開のアニメ映画『野生の島のロズ』の解説&感想です。

 

 

作品情報

タイトル:野生の島のロズ

原題  :The Wild Robot

製作年 :2024年

製作国 :アメリカ

監督  :クリス・サンダース

声の出演:ルピタ・ニョンゴ
     ペドロ・パスカル
     キット・コナー
     ビル・ナイ
     ステファニー・スー
     マーク・ハミル
     キャサリン・オハラ
     マット・ベリー
     ヴィング・レイムス

上映時間:102分

解説&感想(ネタバレあり)

あえてネガティブな点を述べたい

ドリームワークス作品の『野生の島のロズ』は、アニー賞の作品賞を受賞するなど、世界的に高い評価を受けるアニメーション映画です。しかしながら、私自身は世間の評価ほどは心を動かされることはありませんでした。

 

先に良かった点を述べてしまうなら、手描きの水彩画のようなタッチの映像は美しくて目を見張るものがありました。また、基本プロットとして、ロズとキラリの母子のドラマは悪くありません。マレン・モリスの挿入歌もいい仕事をしていて、キラリが空を飛ぶことを覚えていくモンタージュは感動的で爽快感のあるものになっていました。

 

しかしながら、私は本作を観ていて、なぜか悪い点ばかりが目についてしまいました。『ヒックとドラゴン』が大好きな私としては、クリス・サンダース監督の高評価な新作ということで、期待を持ち過ぎていたせいかもしれません。

 

好意的なレビューは他に譲るとして、ここではあえて本作のネガティブな点を整理して述べたいと思います。そういうのが嫌いな方は読まないでください(笑)。

 

① ご都合主義的なストーリー展開

まず気になったのは、脈絡なく都合よくストーリーが展開するように感じてしまうシーンが少なくなかったこと。

 

島に漂着していた別のロボットや、キラリに飛行を教えるサンダーボルトなどは何の脈絡もなく突然登場します。また、ガンたちが侵入した農園施設で、警備ロボットが無差別に砲弾を撃ちまくるのは、描写があまりに極端です。こういうのが随所で散見されるので、物語に連続性が欠け、映画に入り込みづらいのです。

 

動物たちとロボットたちが戦うクライマックスへの展開も例に漏れません。ロズがキラリに会わずに去ろうとするのもやや説得力に欠けますし、そこにたまたまロズを回収に来た飛行機が現れるのも、それを拒んだロズに対しロボットたちが攻撃的になって大乱闘になるのも、強引に感じてしまいました。

 

動物たちが共闘するアクション自体は悪くないのですが、そこに至る流れが弱いため、気持ちがついていきませんでした。

 

② "みんな仲良し"の無責任さ

本作の序盤では、弱肉強食の自然界の厳しさが描かれます。捕食関係が映像的に描かれたり、ピンクシッポの子供が食べられてしまったり(後者は映像では描かれず、笑いとして処理されてはいますが)割と残酷な描写もされているほどです。

 

終盤、猛吹雪の際に、捕食関係にある動物たちがまとめてロズの家に保護され、彼らが"休戦"する展開は映画のハイライトのひとつとして受け入れられるものの、結局、休戦状態のままま、"みんな仲良し"で終わってしまうのは拍子抜けでした。

 

ベイブ』の記事でも似たようなことを書きましたが、食物連鎖や自然の厳しさを物語の背景に描いておきながらのこの処理は、あまりに無責任に感じます。子ども向けの寓話としては理解できますが、大人の観客にはどうしても安っぽく映ってしまいます。

 

③ 時代遅れなロズのロボット像

2022年のチャットGPTのリリースに端を発するAIの急速な普及と進化を経た今の時代においては、ロズの頭脳の描写には古臭さを覚えます。

 

自律的に考え、行動するロズは、そこだけ切り取れば現実よりも高度な近未来のテクノロジーの産物のように見えます。にもかかわらず、動物に人間の言葉でひたすら話しかけるとか、学習モードを起動するのにいちいち端末を出すとか、動物の感情に対して理解がないとか、現代の感覚でも未熟なAI描写に違和感を覚えるのです。

 

チャットGPTに触れれば分かりますが、現実のAIはすでに、もっと賢く、効率的で、感情への理解もあります。これを踏まえれば、近い将来に現れるであろう進化したロボットは、ドラえもん程度には"人間的"であろうと、肌感覚として感じられます。

 

翻ってこのレトロなロズのロボット像。ここからくる違和感が、結果的に本作への没入を妨げているように感じます。

 

④ 環境警鐘の唐突さ

ガンたちの渡りのシークエンスでは、ゴールデンゲートブリッジが水没しているショットが見られます。地球温暖化による海面上昇を示唆するものでしょう。

 

しかしそれがストーリーに結びついていないので、とってつけたような環境警鐘になってしまっています。なんか説教くさくて陳腐に感じてしまいました。

 

⑤ 新鮮味の欠如

そして何より、本作には新鮮さが足りません。ロボットが心を持ち、人間との交流を通じて成長するという構図は、『アイアン・ジャイアント』や『ウォーリー』といった作品がすでに描いています。

 

両作を含む過去作の要素を寄せ集めたような印象で、物語の独自性はあまり感じられませんでした。この手の作品で言えば、本作の前年に公開された『ロボット・ドリームズ』の方がよほど新鮮味がありました。

 

⑥日本語訳されたキャラクター名

本作を観ていてもう一つ気になったのは、「Brightbill」→「キラリ」、「Fink」→「チャッカリ」というように、キャラクター名が日本語に翻訳されている点です。これは、子ども向けに親しみやすくする効果はあるでしょうが、今の時代にはやや古臭く感じられます。

 

キャラクター名を翻訳する古い例としては、ディズニー映画『白雪姫』(1937年)が挙げられます。この作品では、原作のグリム童話には存在しなかった七人の小人の名前として、ドーピー(Dopey)、グランピー(Grumpy)、スリーピー(Sleepy)など性格を表す名前が付けられました。日本語版ではこれを「おとぼけ」「おこりんぼ」「ねぼすけ」と訳し、キャラ付けされた小人たちのイメージを定着させました。その点では翻訳名の成功例と言えるかもしれません。

 

しかし、87年という時が流れ、英語は日本にも随分と浸透しています。現代では原語を尊重するのが一般的ですし、SNSが普及し、国際的に情報が共有される時代において、わざわざ名前を変えるのは混乱のもとでもあります。

 

インサイド・ヘッド』のように、キャラクターの名前そのものが物語のテーマと直結している場合は翻訳名に説得力があります(「Joy」→「ヨロコビ」、「Sadness」→「カナシミ」)。しかし本作に関してはそうした必然性は薄いでしょう。しかも、いくつかのキャラクターが翻訳名にされている一方で、「パドラー」や「サンダーボルト」のように原語そのままのキャラクターもいて統一感がありませんし。

 

この点にそんなに目くじら立てているわけではないのですが、ちょっと気になってしまいました。せっかくグローバル展開する大作映画でありながら、時代に逆行したローカライズになっているようで…。

 

最後に

今回は、映画『野生の島のロズ』の解説&感想でした。悪い作品だという気はないのですが、細かい気になる点が多すぎて、映画にあまり入り込めなかったというのが正直なところです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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