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映画『アイアン・ジャイアント』感想 なりたい自分になればいい

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どうも、たきじです。

 

今回は、1999年公開のアニメ映画『アイアン・ジャイアント』の感想です。後に『Mr.インクレディブル』という傑作を撮るブラッド・バードの映画監督デビュー作です。

 

 

作品情報

タイトル:アイアン・ジャイアント

原題  :The Iron Giant

製作年 :1999年

製作国 :アメリカ

監督  :ブラッド・バード

声の出演:イーライ・マリエンタール

     ヴィン・ディーゼル

     ジェニファー・アニストン

     ハリー・コニック・Jr

     クリストファー・マクドナルド

上映時間:86分

あらすじ

米ソ冷戦下、ソ連の打ち上げた人工衛星スプートニクが地球を周回する1957年。アメリカの田舎町に宇宙からロボットのような巨人(アイアン・ジャイアント)が飛来。ジャイアントを見つけた少年ホーガースは彼と仲良くなります。しかし、政府の捜査官のマンズリーは、ジャイアントがソ連の兵器である可能性を疑い、破壊しようと目論みます。

 

感想(ネタバレあり)

このようなファンタジー作品で、冷戦の時代を舞台として描くというのは珍しいですね。政府がジャイアントを危険視することについてもこの時代背景が説得力を持ちます。


宇宙から飛来した謎のロボット(生命体?)がいとも簡単に言葉を覚えるというのは、ややご都合主義のようにも思えますね(笑)。しかもペラペラ喋るわけではなく絶妙なカタコト具合だし。まあ、そこをツッコむのは野暮ですが。


また、ホーガースの家は母子家庭で、父親がいません(ホーガースの部屋にある写真から推察すると、軍のパイロットだったと思われます)。せっかくこのような設定にするなら、そこをもう少し掘り下げても良かった気がします。この設定を、ホーガースの母子をディーンと絡ませるためだけのものにしておくのはもったいないです。


そこにも表れているように、登場人物の内面の描き込みは全体的にあっさりしていて、あまり深みのある脚本ではないです。それでも私が本作のことが好きなのは、「なりたい自分になればいい」というメッセージが刺さるからに他なりません。


これは中盤でディーンがホーガースに言う台詞ですが、クライマックスでは暴走するジャイアントに対してホーガースが語りかけます。自分が人を殺すための兵器であることを知り苦しむジャイアントでしたが、この台詞を胸に人々を核ミサイルから救うために飛び立ちます。「スーパーマン」と呟きミサイルと共に宇宙に散るシーンでは、素直に感動しました(伏線がうまく効いています)。

 

ただ、あそこで核を爆発させて地上に影響ないの?という疑念はどうしても抱いてしまいますが。


また、"なりたい自分"として散っていくこのシーンが素晴らしかっただけに、ジャイアントの復活が示唆されるラストは蛇足にも感じられました。


ところで、戦闘モードのジャイアントの造形は、ブラッド・バード監督の後の作品『Mr.インクレディブル』の敵のロボットに通じるものがありますね。戦闘シーンのアクション自体は『Mr.インクレディブル』には遠く及びませんが、それでもその片鱗は感じさせる躍動感あるアニメーションでした。

 

最後に

今回は映画『アイアン・ジャイアント』の感想でした。深みのあるドラマや、大興奮のアクションがあるわけではないですが、「なりたい自分になればいい」というメッセージのこもった素敵な作品です。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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