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映画『ヒックとドラゴン』感想 多くの人の目に触れて欲しい名作アニメ

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どうも、たきじです。

 

今回は、映画『ヒックとドラゴン』の感想です。

 

2010年に公開された、ドリームワークス・アニメーションが送るアニメ映画です。ディズニー・ピクサー信仰が熱い日本では、公開当時そこまで話題にならなかったと記憶していますが、それがもったいないと感じるほどよくできた作品です。

 

作品情報

タイトル:ヒックとドラゴン

原題  :How to Train Your Dragon

製作年 :2010年

製作国 :アメリカ

監督  :ディーン・デュボア

     クリス・サンダース

声の出演:ジェイ・バルチェル

     ジェラルド・バトラー

     アメリカ・フェレーラ

     クレイグ・ファーガソン

上映時間:98分

 

感想(ネタバレあり)

本作は、起承転結きっちりの脚本がお手本のようによくできています。起承転結に沿って、本作の素晴らしさを述べたいと思います。


まず、「起」のオープニング。迫力のアクションシーンの中で、映画の舞台設定や世界観、登場人物を簡潔に紹介しています。それと同時に、主人公ヒックの皮肉っぽい語り口から、彼のキャラクターもしっかり描写し、ヒックの主観で語られるストーリーの中に観客を引き込みます。


「承」では、ヒックとトゥースが交流を深めていく様子と、子供達のドラゴン退治の訓練の様子が同時進行でテンポよく描かれます。


ヒックとトゥースのシーンでは、両者に友情が芽生えると同時に、それよってヒックがドラゴンの生態を知ることが、訓練に活かされるという構成が見事です。


ヒックのライバルとなる子供たちの個性豊かなキャラクター設定もなかなか。作中の時代設定には馴染まない、現代っ子なキャラクターが楽しいです。


闘技場でのドラゴンとの闘いは完全に『グラディエーター』を意識していますね。ヒック達が最初に闘技場に立った時のカメラワークはそのまんまでした。


また、爽快感たっぷりに描かれるトゥースの飛翔シーンは素晴らしい映像でした。美しい飛翔シーンというと、本作の前年に公開された話題作『アバター』が思い浮かびますが、それにも匹敵する美しい映像と言っても過言ではないと思います。

 


「転」となる映画終盤では大きくストーリーが動きます。ヒックと父の間には溝ができ、トゥースは捕らえられ、バイキング達はドラゴンの巣窟へと向かっていきます。事態を収束すべく、村に残されたヒック達が立ち上がります。映画がクライマックスへ向かって進んでいることをはっきり感じさせ、興奮が高められます。


そして「結」となるクライマックスでは、子供達が手懐けたドラゴンに乗って、巨大なドラゴンと闘います。このクライマックスは、ここだけを切り取ってもお手本のような脚本ですね。


子供たちは自分達の持ち味を発揮して活躍し、ヒックと父は和解し、トゥースは解き放たれ、そして一対一の闘いが繰り広げられる、という風に、盛り上がりポイントを畳み掛けながら、大クライマックスへと繋げています。

 

ただでさえ、迫力ある映像に引き込まれる上に、このようなストーリーの盛り上がりが乗っかることで、興奮は最高潮。何度見ても、かなり汗をかいてしまいます。


最後は、オープニングと対になるヒックの語りによるエンディングで締められます。ヒックが片脚を失い、義足になるというのは意外な展開でした。これは尻尾の片翼が義翼であるトゥースと重ねているのでしょうね。

 

 

最後に

今回は、映画『ヒックとドラゴン』の感想でした。起承転結きっちりまとまり、片時も退屈させない脚本と、素晴らしい映像表現によって、名作に仕上がっています。もっともっと多くの人の目に触れて欲しい作品です。

 

アカデミー賞では、長編アニメ映画賞にノミネートされながら惜しくも受賞は逃しています。受賞したのは『トイ・ストーリー3』。なんたるハイレベルな戦い!


最後に付け加えておくと、本作の日本語吹替版は、芸能人声優ではなく本職の声優さん達が声を担当しています。これも違和感なく作品を楽しめる重要な要素になっていると思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

 

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