どうも、たきじです。
今回は、2015年公開のピクサーのアニメ映画『インサイド・ヘッド』の解説&感想です。
作品情報
タイトル:インサイド・ヘッド
原題 :Inside Out
製作年 :2015年
製作国 :アメリカ
監督 :ピート・ドクター
声の出演:エイミー・ポーラー
フィリス・スミス
ルイス・ブラック
ミンディ・カリング
ビル・ヘイダー
リチャード・カインド
ケイトリン・ディアス
上映時間:94分
解説&感想(ネタバレあり)
見事な設定と繊細なストーリー
人間の頭の中には、ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリという、5つの感情をつかさどるキャラクターが存在し、司令部でその人の感情をコントロールしている——。ピクサー作品は独創的な世界観や設定に感心させられることが少なくありませんが、本作も例に漏れません。
特別な思い出ボール、性格の島、長期記憶の保管場所と記憶のゴミ捨て場、夢の製作スタジオ、嫌いな物を隠しておく場所——。感情や記憶、潜在意識といった、人間の頭の中にある要素をモデル化したような楽しい設定の数々には感心しきりです。
主人公の女の子ライリーの暮らす現実世界と、彼女の感情をつかさどるキャラクターたちが奮闘するライリーの頭の中の世界が並行して描かれる物語は、全く飽きることがありません。
多感な時期にある少女を主人公として、感情をテーマにした作品であるだけに、映画は常に繊細な雰囲気に溢れています。幼少期の思い出のシーンはそれだけで絵になりますね。両親の前で悲しみと喜びが入り混じった大切な思い出が生まれるクライマックスも感動させられました。
遊び心や味付け
メインプロットだけでなく、ディテールに込められた遊び心やちょっとした味付けも素晴らしいですね。
例えば、ライリーの頭の中の空想の世界であるイマジネーションランドでは、フライドポテトの森、トロフィーの町、雲の町、トランプの家といった子供らしい空想のアイデアが溢れています。「空想の彼氏」は、クライマックスでの扱い含め、ちょっとスベリ気味というか、しょうもなく感じてしまいましたが(笑)。
一方、ライリーが嫌いな物で満たされた場所(潜在意識)では、ブロッコリー(日本語吹替版ではピーマン)、地下室への階段、おばあちゃんの掃除機、ピエロが登場。こちらも「子供の嫌いな物あるある」みたいで面白いです。まあ、どれもかなりアメリカ的ではありますが。おばあちゃんの掃除機が怖いって、日本人には全然ピンときませんよね。
それから、記憶の整理員が司令部に時々ガムのCMの記憶を送っているという話。頭からCMの曲が離れなくなるみたいなあるあるネタをうまくモデル化しています。
個人的に好きなのは、ヨロコビが「事実」と「意見」のカードをぐちゃぐちゃに混ぜてしまうシーン。「事実と意見を混同するな」なんてよく言われますが、これを見事にネタにしています。ヨロコビの「事実と意見の見分けがつかない!」の台詞には吹き出してしまいました。
少し惜しいところも
さて、全体的に完成度が高くて満足のいく作品でしたが、個人的にはいくつか気になる点もありました。
まず、ライリーの頭の中の主人公のあたるヨロコビが、まあまあウザいキャラクターであること(笑)。張り切りすぎて浮いてる学級委員みたいな雰囲気がありますよね。自分にとって都合の悪い存在であるカナシミを強引に排除する姿勢もよろしくないですし。主人公がこれだと物語に乗りづらいです。
また、ネガティブな感情である「悲しみ」も重要な感情であり、カナシミも必要な存在であった、というのがドラマの肝でしたが、もう少しドラマを盛り上げる要素が欲しかったというのも正直なところです。序盤で主人公ヨロコビをウザめに描くのであれば、彼女の成長をもう少し掘り下げて欲しかったですね。
ただ感情をつかさどるキャラクターの感情も掘り下げると、何が何だか分からなくなってしまいますかね(笑)。でも、実際のキャラクターたちも喜怒哀楽の感情を持っている感じでしたし、その辺の設定は中途半端に感じられました。
最後に
今回は、映画『インサイド・ヘッド』の解説&感想でした。少し惜しい部分もありましたが、頭の中をモデル化したような見事な設定と繊細なストーリーは完成度が高く、満足のいく作品でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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