どうも、たきじです。
今回は2022年公開のアメリカ映画『ソー:ラブ&サンダー』の解説&感想です。マイティ・ソー・シリーズとしては『マイティ・ソー バトルロイヤル』に続く第4作、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品としては『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』に続く第29作にあたります。
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作品情報
タイトル:ソー:ラブ&サンダー
原題 :Thor: Love and Thunder
製作年 :2022年
製作国 :アメリカ
監督 :タイカ・ワイティティ
出演 :クリス・ヘムズワース
ナタリー・ポートマン
クリスチャン・ベール
テッサ・トンプソン
ジェイミー・アレクサンダー
タイカ・ワイティティ
ラッセル・クロウ
上映時間:119分
解説&感想(ネタバレあり)
映画を彩るガンズ・アンド・ローゼズ
『ソー:ラブ&サンダー』は、マイティ・ソー・シリーズの第4作。MCU作品の中でも、本作時点で第4作まで作られているのはアベンジャーズ・シリーズだけ。ソー単独で4作とは、その人気の高さがうかがえます。
前作ではレッド・ツェッペリンの「Immigrant Song」をバックに繰り広げられたオープニングアクションでしたが、本作ではガンズ・アンド・ローゼスの「Welcome to the Jungle」をバックに興奮のアクションを見せてくれます。また、本作ではヘイムダルの息子がガンズ・アンド・ローゼスのファンで、アクセルと名乗る(同バンドのボーカルがアクセル・ローズ)など、特別にガンズ・アンド・ローゼスがフィーチャーされています。
そして何より、クライマックスでの「November Rain」が最高です。迫り来る敵を前に、子供たちに力が宿ってソーとともに戦うという、興奮と微笑ましさが入り混じるシーンを盛り上げます。この歌詞がまた、このシーンと絶妙に重なり、感動的な空気を一層引き立てています。
Don’t ya think that you need somebody?
君だって誰かが必要だと思わないか?
Don’t ya think that you need someone?
誰かにそばにいてほしいって、思わないか?
Everybody needs somebody
みんな誰かを必要としている
You’re not the only one, you’re not the only one
君だけじゃない、君だけじゃないんだ
さらには、80年代のメタルカルチャーを意識したタイトルロゴやエンドクレジットのデザインもユニークです。日本語版(カタカナ)のタイトルロゴまであって、このちょいダサい感じが絶妙です(笑)。
ナタリー・ポートマンの復帰
前作では登場の無かったジェーン・フォスター(ナタリー・ポートマン)が本作で復帰し、ストーリーの中心となるところも注目ポイント。新たなマイティ・ソーとして覚醒するというまさかの展開に加え、末期がんを患っているという悲壮感、あるいは、それと対照的にコミカルな絡みも多く、これまでにない魅力を見せてくれます。
クライマックスの戦いは大きな見せ場。
I'm not Lady Thor.
レディ・ソーじゃないわよ。
My name is Mighty Thor!
私はマイティ・ソー!
And if that's still too hard for you, you can call me Dr. Jane Foster!
そう呼べないならジェーン・フォスター博士と呼びなさい!
And one last thing.
最後にもう一つ。
Eat my Hammer!
このハンマーを喰らえ!
決め台詞を考えるコミカルなパートがが繰り返された上でのこの台詞。「待ってました!」という感じです。ちょっとクサい決め台詞が見事に決まっています。
彼女が本作で命を落としてしまうのは残念なところ。最期にソーの耳元で囁いた言葉は、ソーのみぞ知るところ。これは『ロスト・イン・トランスレーション』へのオマージュでしょうか?
クリスチャン・ベールの怪演
本作で何より素晴らしいのは、ゴア役のクリスチャン・ベールの存在感。DCでバットマンを演じた彼が、マーベルではヴィランを演じるというのは話題性がありますね。見るからにヤバそうなこの手のキャラクターは、下手をするとわざとらしい演技になりがちですが、彼の場合は、ガチでヤバい人に見えるから驚きです(笑)。この説得力ある演技は、ストイックな役作りの賜物でしょう。
クライマックスが感動的なものになっているのも、彼の演技あってのことでしょう。ゴアを倒すことよりもジェーンのそばに寄り添うことを選ぶソー。その言葉を受けて、神々への復讐を捨て、亡き娘を蘇らせる道を選びます。
このシーンから滲み出るのは愛(LOVE)。このシーンで、本作の副題にある「ラブ」に納得させられました。そしてゴアの娘の名前もまたラブ。ソーと合わせて「ラブ&サンダー」。オープニングと対になる、エンディングの語り口も合わせて気持ちのいいラストシーンになっていました。
その他にも豪華なキャスト
クリスチャン・ベールがヴィランを演じるというだけでも豪華なキャスティングですが、本作はゼウス役でラッセル・クロウまで登場。こちらは対照的にコミカルな役どころ。あまり見ない彼の姿が楽しいところです。
また、豪華なキャスティングということで言えば、オープニングだけとは言え『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のメンバーが登場するのも嬉しいところ。こういうところはMCUの強みです。ただ、MCUの中でもコメディ要素の強い2つのシリーズが交わった割には、そこまで笑いが大きく無かったのは惜しいところかも(初めて両者が交わった『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に比べると物足りない)。
アスガルドで演劇を披露している劇団も前作に続いて登場。前作に続き、ソーを演じているのはクリス・ヘムズワースの兄ルーク・ヘムズワース、ロキを演じているのはマット・デイモン、オーディンを演じているのはサム・ニールです。また、ケイト・ブランシェットが本物を演じたヘラの役をメリッサ・マッカーシーが演じています。
この演劇、ムジョルニアがヘラに破壊されるシーンで終わるというのはどうなんでしょう。なというバンドエンド(笑)。映画としては、この演劇でムジョルニアが破壊された経緯を観客におさらいさせるというメタ的な意図があるのは分かるのですけどね。
最後に
今回は映画『ソー:ラブ&サンダー』の解説&感想でした。ガンズ・アンド・ローゼスをフィーチャーした音楽面に加え、クリスチャン・ベールを筆頭に実力派のキャストの競演も見どころの作品でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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