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映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』感想 配信ドラマ視聴済みが前提の構成

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どうも、たきじです。

 

今回は2022年公開のアメリカ映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の感想です。ドクター・ストレンジ・シリーズとしては『ドクター・ストレンジ』に続く第2作、MCU作品としては『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』に続く第28作にあたります。

 

 

↓ 前作の解説&感想はこちら

↓ MCU前作の解説&感想はこちら

 

作品情報

タイトル:ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス

原題  :Doctor Strange in the Multiverse of Madness

製作年 :2022年

製作国 :アメリカ

監督  :サム・ライミ

出演  :ベネディクト・カンバーバッチ
     エリザベス・オルセン
     キウェテル・イジョフォー
     ベネディクト・ウォン
     ソーチー・ゴメス
     マイケル・スタールバーグ
     レイチェル・マクアダムス
     パトリック・スチュワート

上映時間:126分

 

感想(ネタバレあり)

配信ドラマ未視聴の壁

『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』はドクター・ストレンジ・シリーズの第2作。ドクター・ストレンジは『アベンジャーズ/エンドゲーム』や『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』といったMCU屈指の名作でも大活躍でしたから、単独作品がまだ2作目というのが意外に感じられます。

 

それなりに楽しんで観られる作品ではありますが、個人的には大きな不満があります。それは、本作がDisney+配信のドラマ『ワンダヴィジョン』を視聴済みであることが前提の構成になっていることです。

 

私を含め、映画だけを追いかけてきた観客にとって、ワンダの変貌ぶりはあまりに唐突に感じられます。ダークホールドの設定も理解しきれないですし、山の上の石壁にワンダの姿が彫られているのもさっぱりです。

 

もちろん物語の大筋はドラマ未視聴でもある程度つかめるようになっています。しかし、本作はワンダの感情が物語の主軸にありますから、ドラマで描かれた物語の背景を知らないと映画の本質的な部分には入り込めないのは確かです。

 

クライマックスにおいて、自分の行動を悔いたワンダの自己犠牲的な決断もいまいちしっくりきませんでした。マルチバースの子供たちを諦めるとしても、元の世界で前を向いて生きていくという選択肢がなかったのか、と感じてしまいます。これもドラマを観ていて彼女の行動原理をもっと理解できれば捉え方も違ってくるのかなという気がしました。

 

ただし、ワンダを演じたエリザベス・オルセンの演技はまさに鬼気迫るもので、彼女の痛みと執着、怒りと悲しみの混じり合った表情は、観る者の心を揺さぶります。だからこそ、なおさら感情の流れを補完する背景情報が欠けている点が惜しまれます。

 

「ドラマを観ていればより一層楽しめる」というよりも、「ドラマを観ていないと本質的に理解できない」のいうのはやりすぎじゃないかと、映画派の私なんかは思ってしまうのです。

 

本格的にマルチバースの世界が登場

近年流行りのマルチバースの概念を取り入れたストーリーを大々的に映画に持ち込んだのは『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018年)が最初でしょうか。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(2022年)も記憶に新しいところです。アカデミー賞においても、前者は長編アニメ映画賞、後者は作品賞を受賞するなど、マルチバースの概念はすっかりメインストリームで受け入れられています。

 

MCUにおいても、前作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021年)で題材となり、本作で本格的にマルチバースの世界が登場しています。

 

意味合いは異なるにせよ、"失われた家族"を取り戻すためにマルチバースを利用しようというのは『スパイダーバース』のキングピンと共通しますし、登場人物たちが頻繁にマルチバースを行き来する様子は『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』と共通するなど、既視感があるのはある程度仕方ないところでしょうか。

 

一方で面白いのはイルミナティが登場するシーン。キャプテン・アメリカ(スティーブ)ではなくキャプテン・カーター(正史におけるスティーブの恋人ペギー)がファースト・アベンジャーだったり、キャプテン・マーベルがキャロル・ダンヴァースではなく彼女の親友マリア・ランボーだったりというのはいかにもマルチバースらしい楽しさです。

 

また、『ファンタスティック・フォー』のリーダーであるミスター・ファンタスティックや、『X-MEN』の中心人物であるプロフェッサーXの登場は、今後のMCUと両作品のクロスオーバーを期待させるもので、ファンサービスとして実に上手いです。

 

ただし、プロフェッサーXを演じたパトリック・スチュワートは、さすがに年齢を感じずにはいられません(公開時81歳)。過去のシリーズでプロフェッサーXを演じてきたスチュワートは、アベンジャーズ・シリーズ第5作『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』への出演も発表されていますが、少し不安になってしまいます。

 

その他の見どころ

アクションシーンに関しては、MCUらしいクオリティで楽しめますが、特段目新しさは感じませんでした。そんな中、目を引いたのはタコのような巨大な一つ目のクリーチャー、シュマゴラスの登場。いや、権利関係の曖昧さから、これはシュマゴラスではなくてガルガントスということなんだとか。でもこれはどう見てもカプコンの格闘ゲーム『マーヴル・スーパーヒーローズ』などで馴染み深いシュマゴラスでしょう。よくこのゲームで遊んだ身としては懐かしい気持ちになりました。

 

ところで本作は監督がサム・ライミなんですね。エンドロールで初めて知りました。個人的にはライミ監督らしさはそんなに感じませんでした。一番のライミ監督作品らしさと言えば、屋台の男の役でブルース・キャンベルがカメオ出演していることではないでしょうか(笑)。本編中は、彼がブルース・キャンベルと気づかなかったのですが、ライミ監督作品と知った上で見たポストクレジットシーンで彼と気づいて笑ってしまいました。

 

最後に

今回は映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の感想でした。マルチバースの世界が本格的に登場するストーリーは楽しめるものの、配信ドラマ未視聴だと本質的に理解できない構成になっているのは、映画派の私としてはとても残念でした。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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