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映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』解説&感想 ダークなファンタジー・ミュージカル

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どうも、たきじです。

 

今回は、1993年公開のアメリカ映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の解説&感想です。

 

 

作品情報

タイトル:ナイトメアー・ビフォア・クリスマス

原題  :The Nightmare Before Christmas

製作年 :1993年

製作国 :アメリカ

監督  :ヘンリー・セリック

声の出演:クリス・サランドン
     ダニー・エルフマン
     キャサリン・オハラ
     ウィリアム・ヒッキー
     ケン・ペイジ

上映時間:76分

解説&感想(ネタバレあり)

1993年の公開以来、カルト的な人気を誇る本作。その魅力は、音楽、キャラクター、ストップモーション・アニメーションによるビジュアル表現にあります。

 

まず、本作の独創的なファンタジー世界のムードを見事に創り上げるダニー・エルフマンの音楽。

 

オープニングの「ハロウィーン・タウンへようこそ」(This Is Halloween)は、ダークでユーモラスなハロウィーン・タウンの雰囲気を完璧に表現し、観客を一気に映画に引き込みます。

 

ジャックがクリスマス・タウンを訪れて歌う「クリスマスって?」(What's This?)は、ジャックの驚きと興奮が溢れていて、観ているこちらも胸が躍ります。

 

ブギーの子分の3人がサンタクロースを誘拐する準備をしながら歌う「サンディ・クローズを誘拐しろ!」(Kidnap the Sandy Claws)は、軽快でちょっと不気味な雰囲気がいい感じです。

 

素晴らしい楽曲の数々の中でも、特にこの3曲は、一度耳にしたら忘れられないような印象的なメロディーと、喋るような歌唱が合わさり、クセになります。

 

次に、ティム・バートンによるキャラクターたちのデザインも見事です。ちょっと不気味ながら愛嬌のあるキャラクターたちは、音楽と相まって、本作の色を決定づけていて、バートンらしいダークファンタジーを形作っています。特に、ジャックのシンプルながら印象的なデザインや、ブギーのコミカルでちょっと恐ろしいデザインは秀逸です。

 

そしてこのキャラクターたちが躍動感たっぷりに動き回る様子が、ストップモーション・アニメーションによって丁寧に表現されています。人形を動かすという表現には愛くるしさがありますし、それによって残酷な描写もほどよく中和されています。CG全盛の現在においては、レトロな印象も加わってさらに味わいがありますね。

 

こうした要素が本作を魅力的に形作る一方、ストーリーにはやや物足りなさを感じます。

 

ジャックがクリスマスに憧れて、ハロウィーン・タウンのみんなでクリスマスをやろうとする大筋は面白いのですが、終盤の展開が今ひとつという印象。

 

ジャックは意気揚々とサンタに成り替わっていましたが、軍の砲撃によって撃ち落とされてしまいます。それであっさり切り替えて、ハロウィーン・タウンに戻ってブギーと対決するという流れがしっくりこないんですよね。

 

自分がハロウィーンで担っていた役割の重要さにジャックが気付くことが物語の大きな転換点。しかし、それに気付くきっかけとなるようなエピソードがあるわけでもなく、墓場での歌だけでこの辺の処理をあっさり済ませています。

 

ミュージカルのストーリー展開にいちいちケチをつけるのも野暮ではあるのですが、それならばこの歌をもっと劇的に盛り上げて欲しかったところです。このシーン結構地味ですよね?

 

この辺りをもう少しドラマチックに描けていれば、この転換点に説得力が増し、物語全体がさらに引き締まったと思うので、その点だけが惜しいところです。

 

最後に

今回は、映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の解説&感想でした。終盤のストーリー展開にやや不満は残るものの、音楽、キャラクター、ビジュアル表現に魅力が溢れていて、素晴らしいファンタジー・ミュージカルに仕上がっています。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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