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映画『サウンド・オブ・ミュージック』解説&感想 史上最高のミュージカル映画

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どうも、たきじです。

 

今回は1965年公開のアメリカ映画『サウンド・オブ・ミュージック』の解説&感想です。1959年のブロードウェイ・ミュージカルの映画化作品であり、アカデミー賞では作品賞を含む5部門を受賞した名作です。

 

 

作品情報

タイトル:サウンド・オブ・ミュージック

原題  :The Sound of Music

製作年 :1965年

製作国 :アメリカ

監督  :ロバート・ワイズ

出演  :ジュリー・アンドリュース
     クリストファー・プラマー
     エリノア・パーカー
     リチャード・ヘイドン
     ペギー・ウッド

上映時間:174分

 

解説&感想(ネタバレあり)

本作は史上最高のミュージカル映画といっても過言ではない傑作です。私にとって、本作より好きなミュージカル映画はいくつかあります。映画としての演出が際立つ『シカゴ』や、ブロードウェイやウエストエンドで観劇して思い入れの強い『RENT/レント』や『オペラ座の怪人』などです。しかし、個人的な好みや思い入れを排除して客観的に見れば、本作こそがオールタイムベストにふさわしいミュージカル映画だと思います。

 

まず、冒頭から圧倒されます。広大なアルプスの山岳地帯を映し出すダイナミックな空撮。やがてフレームインして歌い出すジュリー・アンドリュース演じるマリア。タイトル・ナンバーの「サウンド・オブ・ミュージック(The Sound of Music)」です。修道院の鐘が鳴るのを聞いたマリアが慌てて走り去り、映し出されるタイトル。ザルツブルクの美しい街並みと、名曲揃いの本作の楽曲のメドレーが響くこのタイトルバックは、観るものを映画の世界へ一気に引き込みます。最高のつかみです。

 

次に、修道女たちが歌う「マリア(Maria)」。主人公マリアの自由奔放な性格をコミカルに描写し、彼女の登場を効果的に盛り上げます。ここで注目なのは、修道女うちのひとりのソフィア役で出演のマーニ・ニクソン。『王様と私』、『ウエスト・サイド物語』、『マイ・フェア・レディ』といったそうそうたるミュージカル映画で主演女優の歌声を吹き替えた人物です。ミュージカル映画好きとしては何度も聞いた声ですから、顔を知らなくてもこの人がニクソンだと判別できます。ほんと聞きやすい美しい歌声です。

 

続く、「自信を持って( I Have Confidence in Me)」は、映画で追加されたオリジナル曲。ここで、ザルツブルクの街並みと、ジュリー・アンドリュースの明るく伸びやかな歌声と、彼女の愛嬌たっぷりの演技に心をつかまれます。まあ、このあたりのアンドリュースの仕草や振り付け等の演出は時代を感じるものではありますが。

 

その後、マリアはトラップ大佐の邸宅に到着。トラップ大佐は、子供たちに笛を使って指示し、軍隊のように行進させるという癖のある人物です。一方の子供たちも曲者ぞろい。恐ろしい環境で住み込みの家庭教師を務めることになったマリア。ストーリーの面でもここで観客をぐっと引き込んでいきます。

 

続く「もうすぐ17才(Sixteen Going on Seventeen)」「私のお気に入り(My Favorite Things)」はCMでも使われて有名な曲。特に後者は、JR東海の「そうだ 京都、行こう。」のCMに長年使われていて有名ですね。耳に残るメロディと、ユーモラスでミュージカル的な歌詞、曲が歌われるシチュエーションも含め、さらに心をつかまれます。

 

そしてお待ちかね、「ドレミの歌(Do-Re-Mi)」。有名すぎて本作の楽曲ということを知らない人も少なくないかもしれません。歌の歌い方を知らないという子供たちに音階から教えるという流れ。各音階に言葉を当てるという見事な歌詞。各音階で奏でられるキャッチーな旋律。そして、「ソドラファミドレ」や「ドミミ、ミソソ」という曲展開と、主旋律とのハーモニー。音楽的に専門的な知識はない私ですが、すごい名曲だと思います。物語の設定として、子供たちがなぜ7人なのかも、ここで分かりますね。

 

その後も、ヨーデルの曲として有名な「ひとりぼっちの山羊飼い(The Lonely Goatherd)」を挟んで、こちらも本作を代表する楽曲「エーデルワイス(Edelweiss)」と続きます。この曲も教科書にも載っている曲なので、本作の曲ということを知らない人も少なくないでしょう。エーデルワイスとは高山植物のセイヨウウスユキソウのことで、オーストリアを象徴する花。この曲は、ナチス・ドイツに併合されたオーストリアにあって、トラップ大佐の愛国心を象徴します(この曲が歌われる前から、愛国的なシーンでこの曲のフレーズが流れます)。この後にオーストリアの民族舞踏「レントラー(Ländler)」が続くなど、併合されゆくオーストリアへの愛国的な描写が畳みかけられ、ストーリーも盛り上げます。

 

子供たちが可愛く歌う「さようなら、ごきげんよう(So Long, Farewell)」を経て、マリアがトラップ家を出ていくところでインターミッション。「ベストアルバムかよ」とつぶやいてしまいそうな、名曲だらけの前半です(笑)。後半は主に既出の曲のリプリーズなので、ミュージカルとしては当然に前半が濃密になりますね。

 

後半で初出となる楽曲は2曲。まずは修道院長がマリアを励ますために歌う「すべての山に登れ(Climb Ev'ry Mountain)」。個人的にお気に入りの名曲。ただ、淡々と歌い上げるだけなので、映画の演出としては平凡なのが惜しいところです。

 

もう一曲はマリアとトラップ大佐が愛を告白する「なにかいいこと(Something Good)」。この曲は映画で追加された曲ですね。本作の楽曲の中では比較的平凡な印象です。

 

上述の通り、後半は既出の曲のリプリーズを中心に構成されますが、曲がしっかりと意味づけされているので、単なる繰り返しになることなく映画を盛り上げます。

 

例えば、マリアが修道院に帰ってしまった喪失感の中で子供たちが「私のお気に入り」を歌い、そこにマリアが現れるシーンは、この曲が序盤で彼らの思い出の曲として意味づけされているからこそ感動的になっています。

 

あるいは、「エーデルワイス」は前半でトラップ大佐の愛国心と音楽への好意が投影された曲として歌われているからこそ、音楽祭でのリプリーズで観客たちの大合唱が巻き起こることが、より一層感動的に演出されています。

 

こうしたリプリーズの使い方にも現れているように、本作はストーリーと音楽がしっかりとリンクしていることが大きな魅力です。妻の死以降、音楽を拒んでいたトラップ大佐が、マリアや子供たちの歌声に心を開き、家族が歌を通じて再び絆を深めていきます。単にストーリー中のワンシーンの台詞を歌に置き換えたタイプのミュージカル作品が悪いわけではありませんが、本作のようにストーリー上で実際に歌っていて、なおかつそれがストーリー上でしっかり意味を持っていると、観客がより一層、映画の世界に入り込みやすいことは間違いないでしょう。

 

最後に

今回は映画『サウンド・オブ・ミュージック』の解説&感想でした。魅力的な楽曲の数々に加え、ストーリーと音楽が見事に調和した、史上最高のミュージカル映画です。公開から半世紀以上が経過していますから、個人的には、そろそろ本作を現代的な演出でアップデートしたリメイク版を見てみたいところです(名作をリメイクすることには批判もあるでしょうが…)。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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