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映画『きっと、うまくいく』解説&感想 初めてのインド映画におすすめ!

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どうも、たきじです。

 

今回は映画『きっと、うまくいく』の解説&感想です。2009年に公開され、世界的に大ヒットしたインド映画です。下に日本版の予告編を貼ってますが、本作の素晴らしさが全く表現できておらず、恐ろしく出来が悪い予告編なので、見ない方がいいです(笑)

 

 

作品情報

タイトル:きっと、うまくいく

英題  :3 Idiots

製作年 :2009年

製作国 :インド

監督  :ラージクマール・ヒラー

出演  :アーミル・カーン

     R・マドハヴァン

     シャルマン・ジョーシー

     カリーナ・カプール

     ボーマン・イラーニー

     オミ・ヴァイディア

 上映時間:171分

 

解説&感想(ネタバレあり)

魅力たっぷりなキャラクター

3時間近い長尺で盛りだくさんの内容ながら、個々のエピソードの面白さと緩急の効いたスムーズなストーリー展開で、全く飽きることなく画面に惹きつけられます。よく練られた秀逸なストーリーに感心しながら、あるシーンでは感動し、あるシーンでは大笑いし、映画ファンとして本当に幸せな時間を過ごせる作品です。


ランチョー、ファルハーン、ラージュー、チャトルという主要人物のキャラ付けもしっかりしています。とりわけ主人公のランチョーの、知性と反骨心と自由奔放さを備えたそのキャラクターは、序盤から魅力たっぷりに描かれています。


先輩からの"お小水"の洗礼を科学で撃退するシーン、“定義”と“簡易的な説明”のシーン、解答用紙をごちゃまぜにするシーン、靴の値段のシーンなどはランチョーの機転の利いた言動が痛快です。


演じるアーミル・カーンは当時44歳。インド映画界を代表する大スターとは言え、その歳で学生の役を演じるというのはなかなかのチャレンジですね。違和感がないと言えば嘘になりますが、ギリギリ許容範囲でしょうか。インド映画界の事情には詳しくないですが、世代交代がなかなか起こらない状況なのかな?

 

緩急の効いたストーリー展開

本作は、ジョイ・ロボの自殺だったり、ラージューの父の危篤、ラージューの自殺未遂のような暗いシーンも少なくないのが印象的です。底抜けに明るいミュージカルシーンの最後でジョイ・ロボの自殺を持ってくるあたり、緩急が効いています。そうした緩急が、観客を飽きさせることなく惹きつけられる要因の一つと言えるでしょう。


自殺未遂で体が麻痺したラージューを励まそうと皆が語りかけるシーンは、好きなシーンの一つ。回復したラージューの「いくつ嘘をつく気だ」の言葉には感動させられますね。嘘と分かっていてもその気持ちに対して感謝するという感情が伝わってきます。


そして、その後に続くのが、ファルハーンと父親の和解のシーンと、ラージューの就職面接のシーンです。

 

自分をエンジニアにするために尽くしてくれた父親の想いを汲むからこそ写真家の夢を押さえ込んでいたファルハーンが、父親に想いをぶつけ、やがて父親に認められます。父親の「プロ用のカメラはいくらだ?足りなかったら言え」という言葉には涙してしまいました。


一方のラージューは、面接で自身のことを嘘偽りなく語ります。面接官に何を言われても正直であり続けたラージューが、入社を認められたことには、こちらも感動してしまいます。


そして、2人が自分達を導いてくれたランチョーに対して、涙ながらに感謝するのがまたいいのです。序盤のシーンの伏線で、ズボンを下ろして挨拶するという"おふざけ"が余計に感動を誘います。

 

クライマックスの出産シーン

学生時代のシーンのクライマックスが出産シーンというのは意外性がありましたが、こちらも非常に良いシーンになっています。インバータ、"Aal Izz Well"(うまーくいーく)、宇宙飛行士のペン、“奇跡”と“ゴーカン”と、怒涛の伏線回収が効いています。


また、本作では他に夢があるのにエンジニアになることを強要された学長の息子やファルハーンのエピソードが描かれています。エンジニアは"強要されてなるもの"のかような負の描写がある一方で、ランチョーがエンジニアの素晴らしさを体現し、エンジニアの力の終結によって出産を成功させるという正の描写もしっかり描かれているのがまたいいですね。


かつては息子にエンジニアになるこを強要した学長が、生まれてきた孫に対して「お前は好きなものになれ」と涙ながらに語りかけるシーンは、これらをひとしきり描いた上での台詞であるからこそ意味があると思います。

 

学生時代を回想するという構成

ファルハーン達がランチョーを探す"現在"から学生時代を回想するという構成も効果的。途中、別人がランチョーになりすましているかのようなミステリーを挟みつつ、最後にはランチョーが学生時代と変わらない姿を見せます。


ここでは"ワングル氏"の伏線が絶妙に決まった見事なラストシーンになっていて、後味も最高。ここでも宇宙飛行士のペンやズボン下ろしも伏線としてうまく作用していますね。

 

印象的なミュージカルナンバー

さて、インド映画といえば唐突に始まるミュージカルシーンですよね。アメリカのミュージカル映画だと、ミュージカルナンバーを軸にストーリーが構成されるイメージですが、インド映画は非ミュージカルの映画の中に取ってつけたようにミュージカルナンバーが捩じ込まれたようなイメージです。


本作では本格的なミュージカルナンバーとして、本作のテーマ曲とも言える"Aal Izz Well"と、ランチョーとピアの恋のナンバー"Zoobi Doobi"という2曲が用意されています。前者はエンディングに流れ、後者は劇中でモチーフが繰り返し使われているので、わずか2曲ながらいずれも印象に残る2曲でした。

 

最後に

今回は映画『きっと、うまくいく』の解説&感想でした。よく練られた秀逸なストーリーに感心しながら、あるシーンでは感動し、あるシーンでは大笑いし、映画ファンとして本当に幸せな時間を過ごせる作品です。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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