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映画『リトル・マーメイド』(1989年)感想 原作とはかけ離れているが独自の魅力を持ったディズニーアニメ

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どうも、たきじです。

 

今回は、1989年公開のアニメ映画『リトル・マーメイド』の感想です。2023年には実写版が公開されました。

 

 

作品情報

タイトル:リトル・マーメイド

原題  :The Little Mermaid

製作年 :1989年

製作国 :アメリカ

監督  :ジョン・マスカー
     ロン・クレメンツ

声の出演:ジョディ・ベンソン
     サミュエル・E・ライト
     パット・キャロル
     クリストファー・ダニエル・バーンズ
     ケネス・マース

上映時間:83分

感想(ネタバレあり)

本作はアンデルセンの童話『人魚姫』が原作。とは言え、物語の展開や結末は原作とはかけ離れていて、かなりオリジナリティ溢れる作品になっています。なんせ、人魚姫(アリエル)は途中で声を取り戻し、王子(エリック)と結ばれ、魔女(アースラ)は倒されるわけですからね。


『人魚姫』は「悲恋」、「切ないロマンス」というイメージで、それが作品の色だと思いますが、本作はそれとは対照的に明るくてハッピーなロマンスになっています。今でこそ"ディズニーの『リトル・マーメイド』"として独自の作品として定着していますが、公開当時は原作とかけ離れた内容を批判的に捉える人も少なくなかったようです。


まあ、ディズニーとしては、「子供向けの作品なんだからとことんハッピーな作品にして当然」と割り切ってやってそうですよね。(少なくとも当時の)ディズニーが映画化すれば、ロミオとジュリエットは結ばれるだろうし、タイタニックは沈まないでしょう(笑)。


歴史とか原作とかに敬意が感じられないのは気になりつつも、それが当時のディズニーのマーケティングであり、まあそこに目くじらを立てることもないのかなと個人的には思います。


それよりも今見ると時代を感じるのは、アリエルやエリックの外見を褒める台詞がやたらと多いところ。アリエルはエリックに一目惚れして、ハンサムだハンサムだ言ってますし、アリエルの声を奪おうとするアースラの言い分も、あんたには美しい顔があるから大丈夫ということでした。このルッキズム的なところも当時のディズニーは割り切ってやっていたのでしょうね。


2001年公開のドリームワークスのアニメ『シュレック』は、このようなディズニーアニメの能天気さやルッキズム的なところをイジっていましたね。同作は、当時のディズニーアニメに対するアンチテーゼと言える作品でした。


この頃とは打って変わって、今ではすっかり極端なポリコレ配慮に傾倒している感のあるディズニー。実写版アリエルが黒人になったのもその一つでしょう。でも、よく考えると、ディズニーはポリコレ配慮に傾倒したというよりも、時代の変化に合わせてマーケティングを変えただけとも言えるかもしれません。


当時のディズニーは、とにかくハッピーで(ルッキズム的な意味も含め)美しい世界を描き、(主に白人の)子供達に夢を与えることを目的とした映画作りをしていました。それが現在では、人種を問わず、誰でもヒロインになれるのだと謳い、世界中の多様な子供達に夢を与えようとしているのでしょう。歴史や原作への敬意などなんのその、子供達に夢を与えるのが私達の目的だ、と割り切る姿勢はブレていないように思います。それが良いとか悪いとか、ここで論じる気はありません。

 


さて、本作で音楽を担当したのはアラン・メンケン。『美女と野獣』や『アラジン』など、数々のディズニーアニメの音楽を担当しています。それ故に、メンケンの音楽は多くの人にとって"ディズニー(ランド)っぽい"音楽として耳に馴染むものになっています。


アカデミー歌曲賞を受賞した"Under the Sea"は、海の世界の素晴らしさをセバスチャンが歌い上げる名曲。ユーモア溢れる歌詞と愉快なメロディーが素晴らしいです。アリエルが地上の世界への憧れを歌い上げる"Part of Your World"はまさにメンケン節で、ディズニー好きはみんな好きでしょう。


アリエルとエリックのラブソングがないのは物足りないところですが、アリエルはほとんど声を失っているので、仕方ないか。


個人的には、それらの曲のメロディーラインを含んだオープニングのインストが好きですね。海の世界の様子を描くアニメーションと共に、すっと映画の世界の中に引き込まれていきます。


ただ、海の世界のアニメーションは、実写やCGならもっと素敵に描き込めるだろうなとは感じてしまいますね。やはり手書きアニメには限界がありますよね。同じく『人魚姫』をモチーフにしたスタジオジブリの『崖の上のポニョ』を観た時にも同じことを感じた記憶があります。

 

最後に

今回は映画『リトル・マーメイド』の感想でした。原作とはかけ離れた作品ながら、ディズニーアニメとして独自の魅力を持った作品でした。子供向けアニメ映画としてはこれで良いのでしょう。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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