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映画『キートンの大列車追跡』解説&感想 列車アクションが光るキートンの傑作!

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どうも、たきじです。

 

今回は映画『キートンの大列車追跡』の解説&感想です。映画黎明期の喜劇王バスター・キートンが監督・主演を務めた長編作品として第八作にあたる作品で、キートンの最高傑作とされることの多い作品です。

 

※作品の著作権保護期間は終了し、パブリックドメインとなっています。

 

作品情報

タイトル:キートンの大列車追跡

     キートン将軍(別題)

     キートンの大列車強盗(別題)

原題  :The General

製作年 :1926年

製作国 :アメリカ

監督  :バスター・キートン

     クライド・ブラックマン

出演  :バスター・キートン

     マリアン・マック

     グレン・キャベンダー

     ジム・ファーレイ

上映時間:67分

 

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解説&感想(ネタバレあり)

ストーリー構成の面白さ

ジョニー・グレイ(バスター・キートン)は、彼の運転する機関車"General"(ジェネラル号)と恋人のアナベル(マリアン・マック)をこよなく愛する機関士。南北戦争の戦線が迫り、人々がこぞって入隊を志願する中、ジョニーも意気揚々と入隊に向かいますが、機関士という貴重な職業から入隊を拒絶されます。


しかも、入隊志願の列にすら並ばなかったと誤解され、アナベルの父からは南部の恥とまで言われ、アナベルからは口も聞きたくないと愛想を尽かされる始末(意気消沈して機関車の連結棒に座るジョニーを乗せたまま、機関車が走り出すシーンは素晴らしい!)。


そんな抑圧的な展開から始まる本作ですが、蓋を開けてみれば、映画を通して圧巻の大活劇が繰り広げられます。すなわち、アナベルを乗せたまま北軍の兵士に奪われてしまったジェネラル号を追う追跡劇と、アナベルとジェネラル号を取り返し、北軍の兵士から逃げる逃亡劇です。


キートンがこれまでの長編作品で演じた役柄は、冴えない小男や金持ちのボンボンなどですが、本作では打って変わって勇猛果敢なヒーローとしてのキートンを見ることができます。もちろんコメディの主人公ですから、ある程度の抜けた部分は見せますが、ジョニーは列車を奪った北軍の兵士たちをたった1人で追いかける勇敢な男。それが何とも楽しく痛快です。


トロッコ、自転車と乗り物を駆使して援軍を呼びますが、彼らが乗った車両が連結されておらず、援軍は付いて来ません。それに気付くやいなや、即座に大砲を列車に連結するジョニー。なんと機転の利くことか!

 

疾走する列車の上を1人で右往左往するうち、ジョニーは敵地に入っていきますが、まずは撤退する南軍の兵士たち、その後は進軍する北軍の兵士たちが、列車の背景を横切っていく演出が良い!


何より、この追跡パートの面白さは、様々なアイデアをこれでもかとばかりに盛り込んだ、追われる列車と追う列車の攻防。給水塔、大砲、切り離された貨車、線路に落とされた材木、ポイント切替、空回りする車輪、炎上する貨車、高架橋…。映画を面白くする仕掛けの数々が飽きさせません。


後半の逃亡劇になると、攻守が逆転。前半でジョニーを苦しめた仕掛けが、今度は敵を攻撃する手段になる面白さ!いやはや、この構成は見事です。

 

ダイナミックな列車アクションと笑い

このようなストーリーの中で、本作のアクションは列車を使ったものがメインとなります。列車を使ったアクションはキートンの長編第二作『荒武者キートン』でも見られましたが、本作はそれをさらに進化させたような形です。


キートンが、疾走する列車の上を前に後ろにと慌ただしく駆け回る様子は、それだけでも見応えがありますが、相変わらず危険すぎるアクションを生身でこなすキートンの姿には見入ってしまいます。


列車から落ちそうになったり、走る列車の先っぽに座って、線路に落ちた材木に材木をぶつけてどかしたり、見ていてヒヤッとするシーンが盛りだくさんです。


そして、1つのハイライトとなるのが炎上する橋が崩れ落ち、列車が川に落下するシーン。現代では、おそらく模型撮影とCGを組み合わせて撮影されそうなシーンですが、それを本物の列車で撮ってしまうんですから、当時はスケールが違います。現代の映画とは違った、"本物の迫力"が感じられるシーンになっています。


ウィキペディア(英語版)の記載によると、このシーンの1ショットに4,2000ドルがかけられ、これはサイレント映画史上最もお金のかかったショットだとか。残骸は、第二次世界大戦時に鉄材として回収されるまで現場に残され、ちょっとした観光地になったというから驚きです。


そんな列車アクションが満載の本作は、コメディというより、笑いが散りばめられたアクション映画という方がしっくり来ます。ジョニーが大砲の導火線に火をつけると、敵の方に向けた銃口が自分の方に向いてしまって焦るシーンに代表されるように、スリルと笑いが見事に同居しています。


ヒロインのアナベルを使った笑いが多いのも印象的。2人で必死に燃料の材木をくべながら列車で逃走する訳ですが、アナベルは、材木に穴が空いているのを見て捨ててしまったり、箒で掃き掃除を始めてしまったり、大きな材木ではなく小さな棒切れを細々とくべていたり。そんなアナベルを見て、彼女の首を掴んで振るジョニー、アナベルに渡された小さな材木を投げ返すジョニー。本作のヒロインであり、ジョニーの愛するアナベルに対する唐突な粗暴な扱いに笑ってしまいます。彼女は給水塔から出る大量の水をかぶったりもしてますね。


もしかして、監督キートンの要求に応えられないアナベル役のマリアン・マックに対して、キートンが本気で苛立った結果だったりして…。だとしたら笑えません(笑)

 

後に見直された評価

本作は、バスター・キートンの集大成などと言われるほど、現在では彼の代表作とされています。AFI(アメリカン・フィルム・インスティチュート)によるアメリカ映画ベスト100(10周年エディション)では18位に選されていますし、IMDbのレーティングでは、2021年9月時点で世界の全映画の中で185位にランクインしているなど、幅広い層から支持されていることがわかります。


しかし、意外や意外、公開当時は興行収入においても批評においても、成功とは言い難い結果であったようです。上にも述べたように、アクションの比重が大きく、笑いが控えめということもあったんでしょうか?でも、アクションだけを切り取っても、当時の人の方がより興奮したと思いますけどね…。


もしかしたら南北戦争という題材のせいもあるのかもしれません。南北戦争は英語では"American Civil War"、特にアメリカでは"The Civil War"と呼ばれることが一般的。"civil war"とは内戦のことですから、アメリカ人にとって南北戦争は"The 内戦"な訳です。加えて、本作の公開は終戦から61年後であり、その時点で比較的記憶に新しい戦争ということになります。


国を二分した戦争を、南軍の視点で北軍を敵として描いていることや、その中で、ごく僅かではあるものの死を笑いにしていることなど、当時の人にはいくらかの拒否反応があったのかもしれませんね。

 

最後に

今回は映画『キートンの大列車追跡』の解説&感想でした。私にとってはキートンの最高傑作と言える作品です。映画黎明期の作品が現代でもここまで楽しめるというのは、本当に素晴らしいことだと思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

 

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