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映画『ターミネーター2』解説&感想 SFアクション映画の大傑作!

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どうも、たきじです。

 

今回は映画『ターミネーター2』の解説&感想です。ターミネーターシリーズの中でも不動の人気を誇るSFアクション映画の大傑作です。

 

作品情報

タイトル:ターミネーター2

原題  :Terminator 2: Judgment Day

製作年 :1991年

製作国 :アメリカ

監督  :ジェームズ・キャメロン

出演  :アーノルド・シュワルツェネッガー

     リンダ・ハミルトン

     エドワード・ファーロング

     ロバート・パトリック

 上映時間:137分

 

あらすじ

機械と人類抵抗軍の戦争により荒廃した未来。抵抗軍は、優秀なリーダー、ジョン・コナーに率いられ、勝利を収めようとしていました。機械の中枢であるコンピューター・システム"スカイネット"は、人間型のサイボーグ、ターミネーター"T-800"(アーノルド・シュワルツェネッガー)を過去に送ります。ジョンが生まれる前の1984年に送られたターミネーターは、ジョンの母であるサラ・コナー(リンダ・ハミルトン)を抹殺しようとしますが、抵抗軍が送った戦士カイル・リースとサラにより、破壊されます。ここまでが前作『ターミネーター』のストーリーです。


本作はこの10年後の物語。ターミネーターは1994年にも送られていました。最新型のターミネーター"T-1000"(ロバート・パトリック)は少年のジョン・コナー(エドワード・ファーロング)を抹殺しようとします。一方、抵抗軍もジョンを守るために、プログラムを書き換えた旧型のターミネーター"T-800"を送ります。ジョン、サラ、T-800と、T-1000の闘いが始まります。

 

解説&感想(ネタバレあり)

技術力を結集した視覚効果

今の時代、テクノロジーの進歩で、どんな映像でも表現できるようになりました。もちろん今でも、少しずつ表現力は上がっているのでしょうが、視覚効果が前面に押し出されて話題になることは少なくなったように思います。


一方、本作が公開された90年代は、CGを始めとする視覚効果の技術が日進月歩の時代。『ジュラシック・パーク』(1993年)、『マトリックス』(1999年)など、これまでは見たことのないような視覚効果が話題となる映画が数年ごとに公開されていました。


子供の頃に90年代を生きた私としては、そうした映画の予告編や特番を見るたびに興奮したものでした。1991年に公開された本作も、例に漏れません。とりわけ、ILMが手がけたCG技術は大きな話題を呼びました


ILMはルーカス・フィルム所有のVFX制作会社で、当時毎年のようにアカデミー視覚効果賞を受賞していましたから、ILMの新作というだけでも注目でした(余談ですが、CGアニメ映画でおなじみのピクサーはILMから独立した会社です)。


液体金属のT-1000の表現が見どころで、撃たれて損傷した身体を再生するシーンや、床の模様に溶け込んだ状態から迫り上がってくるシーンなんか、もうワクワクしてたまりませんでした。警察病院の柵をすり抜けるシーンもいいです(拳銃だけすり抜けられずに引っかかるというユーモアも効いています)。


本作の視覚効果はCGだけに留まらないのが、またすごいところ。T-1000が至近距離からショットガンを撃たれて頭が割れるシーンやT-800がSWATに撃たれるシーンなどでは、アニマトロニクスと呼ばれるロボット技術が使われています。また、液体窒素を積んだタンクローリーが横転するシーンはミニチュアで撮影されています。


一方、T-1000がトラックで用水路に飛び降りるシーンや、サイバーダイン社の爆破シーンなどは実写で撮られていますし、T-1000が病院の警備員やサラに化けることで、画面に同じ顔の人物が同時に映るシーンでは、その役者の双子のきょうだいが演じることで表現しています。


本作の10年後に公開された『ロード・オブ・ザ・リング』などもそうであったように、ハイテクとローテクを適材適所で使った視覚効果が見事です。その時代の精一杯の技術を駆使して撮られた映画というのは、時代を超えて人々を楽しませるものです。

 


前作を超えた"続編映画"

今でこそ、前作を超える続編映画も珍しくなくなりましたが、本作が撮られた頃は、"続編は駄作"というのが定説でした。ヒットしたからといって無理矢理に続編を作っても、いい作品にすることは難しいものです。本作より古い続編映画で前作に勝るとも劣らない評価を得ていたのは、『ゴッドファーザーPARTII』と『エイリアン2』(本作と同じジェームズ・キャメロン監督)くらいの印象です。


そんな中で本作は、"前作を超えた続編映画"だと、はっきりと言える作品です。低予算だった前作に対し、本作はたっぷりと製作費をかけて、上述の視覚効果を実現した、それも一因でしょう。しかし、続編ならではの仕掛けがふんだんに盛り込まれている点も見逃せないところです。


まずは、前作であんなに怖かったシュワルツェネッガー演じるT-800が、今回は味方になる点。この頼もしさ!さらに、そのT-800の性能を遥かに凌ぐT-1000が敵として登場し、ターミネーター同士が闘うというストーリー設定。前作の設定を下敷きに、誰もがワクワクするストーリーを作り上げています。


そしてさらに感心するのは、T-800が味方で、T-1000が敵というのが、映画序盤では伏せられている点です。


未来からのタイムスリップ後、T-800は前作と同様に乱暴に人の服やバイクを奪います。一方のT-1000は、まるで腹パンで気絶させたようにして警官の服を奪います(正確には"服をスキャン")。この時、実際には手を鋭利な刃物に変えて刺し殺しているはず(終盤でタンクローリーの運転手にしたように)ですが、それをうまく隠しています。


さらには、T-800がいかにも"ワルな"格好なのに対し、T-1000は警官の格好をしています。ジョンを追跡する様子も、T-1000は警察の情報にアクセスしたり、ジョンの養父母に丁寧に質問するなど、紳士的な印象を与えるように演出されています。


これにより、前作からの流れで何も知らずに本作を見ると、T-800が敵で、T-1000が前作のカイル・リースに相当するヒーローに見えるのです。それが、ジョンの前で2体が対峙するシーンで、急に敵と味方が入れ替わる、そんな仕掛けになっています。


公開当時は、予告編や特番などでたっぷりネタバレされていたでしょうから、このミスリードの仕掛けを楽しめた人は少ないかもしれませんが、よく考えられているものです。


また本作は、前作に続く"お約束"でも、続編ならではの楽しさを提供してくれます。


T-800がサラに手を差し伸べて言う台詞"Come with me if you want to live."(死にたくなければ付いて来い)は、前作でカイルがサラに言う台詞と同じです。


また、今やシュワルツェネッガーの名刺代わりとも言える台詞"I'll be back"(戻ってくる)も前作に続いて登場します。前作では、警察署にいるサラを狙うT-800が、警察署の窓口でこの台詞を発した後、車で突っ込んで来るというものでした。本作では、SWATに包囲された状況下で、ジョンとサラに対しこの台詞を発し、一人でSWATを倒した後、車で突っ込んで来て2人を助けるというものでした。車で突っ込んでくるところまで前作を踏襲しつつ、全く意味合いの異なるものにしているのがいいですね。


それから、敵のターミネーターにタンクローリーで追われるという終盤の展開、そして、タンクローリーの中身を使って敵にダメージを与えるというところも同じです。前作では炎上させたのに対し、本作では凍らせるという対比も面白いです。


さらには、最後にT-800が、サラによって破壊されるのも同じです。前作ではプレス機、本作では溶鉱炉の昇降機のボタンを押しますが、いずれのボタンも形状がよく似ているのも狙ってのことでしょう。


本作は、続編を楽しくするこのような仕掛けが満載なのです。

 


伏線による味付け

本作は伏線もたくさん張られています。ストーリーの核心部分というよりは、味付けとして使われている印象です。


特筆すべきは、T-800の"学習"にまつわる伏線でしょう。人間の身体に関する知識は豊富な(もちろん殺すために)T-800ですが、人間の"人間的"な部分についてはよく理解できていません。それをジョンを通じて学習し、後のシーンで活用するというパターンがたくさん見られます。


硬い表現で喋るT-800に対し、ジョンがくだけた表現のスラングを教えるシーンの伏線は、液体窒素で凍りついたT-1000にT-800が銃を放つシーンの"Hasta la vista, Baby!"(地獄で会おうぜ、ベイビー!)で回収されます。


涙を見せるジョンに対し、T-800がその感情を理解できないというシーンの伏線は、T-800がジョンに別れを告げるシーンでの「人間がなぜ泣くか分かった。俺には涙を流せないが」という台詞で回収されます。


極め付きは、親指を立てる、いわゆるサムズアップのポーズ。ラストシーンで、溶鉱炉に沈んでいくT-800が、手の先まで沈んでしまう直前にこのポーズを見せます。このシーンはとても印象深いシーンです。私が子供の頃も、本作がTV放映された翌日は、学校で皆このシーンの真似をしていた記憶があります(笑)。このポーズも、エンリケのキャンプで、ジョンがT-800に教えるシーンが伏線となっています(サラのモノローグの時にさりげなく映る程度にしているのがもったいない!)。


他にもT-800が、車のサンバイザーに隠された鍵を見つけるシーンや、ミニガンを構えて笑顔を見せるシーンなんかも伏線が効いています(後者の伏線を張るシーンは、劇場公開版ではカットされています)。


こうした伏線による味付けが、本作をより面白いものにしていることは間違いないでしょう。

 

最後に

思い入れの強い映画なので、ついダラダラと長くなってしまいました。本作は子供の頃から大好きで、私が映画好きになるきっかけとなった作品です。観る映画の幅が広がった現在では、本作より好きな作品はたくさんありますが、それでも私にとっては、いつまでも大切な作品の一つです。

 

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