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映画『007/ムーンレイカー』解説&感想 ボンドが宇宙へ!?荒唐無稽な第11作

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どうも、たきじです。

 

今回は1979年公開の英米合作映画『007/ムーンレイカー』の解説&感想です。007シリーズとしては、前作『007/私を愛したスパイ』に続く第11作です。

 

 

↓ 前作の解説&感想はこちら

↓ その他のシリーズ作品の解説&感想はこちらから(各作品へのリンクあり)

 

作品情報

タイトル:007/ムーンレイカー

原題  :Moonraker

製作年 :1979年

製作国 :イギリス、フランス、アメリカ

監督  :ルイス・ギルバート

出演  :ロジャー・ムーア
     ロイス・チャイルズ
     マイケル・ロンズデール
     リチャード・キール
     コリンヌ・クレリー
     ジョフリー・キーン
     バーナード・リー
     デスモンド・リュウェリン
     ロイス・マクスウェル

 上映時間:126分

 

解説&感想(ネタバレあり)

映画冒頭のプレタイトル・シークエンス、ジェームズ・ボンドはパラシュートなしで飛行機から落とされます。落下しながら空中で繰り広げられる格闘。このオープニングの手に汗握るアクションは今見ても素晴らしい出来で、本作の大きな見どころと言えるでしょう。


が、このオープニング以外に本作の見どころが何かと言われると、少々困ってしまいます。


本作は、何より脚本がひどいです。


本作でのボンドのミッションはスペースシャトルのような宇宙船「ムーンレイカー」がハイジャックされた事件を追うこと。


ボンドはまず、アメリカにあるムーンレイカーの製造元に向かいます。そこで書斎に忍び込み金庫を開けると、ヴェネツィアのとあるガラス工房の情報が。そこでボンドはヴェネツィアに飛んでガラス工房に忍び込み、そこで秘密の研究所を発見します——。


と、ボンドはいつも通り世界を飛び回って事件を追うわけですが、行動の動機づけが弱過ぎじゃないですか?薄い手掛かりで世界を飛び回り、都合よく次の手掛かりが見つかるという繰り返しはご都合主義以外の何ものでもありません。

 


また、前作とは違って、本作はかなり荒唐無稽な内容で、ルイス・ギルバート監督の悪いところが出てしまっています。


その最たるものは、ボンドが宇宙に飛び出すというストーリーでしょう。本作公開の2年前の1977年に『未知との遭遇』や『スター・ウォーズ』(第1作)が公開され、本作の公開の2年後の1981年にはスペースシャトルが初飛行するなど、宇宙に注目が集まる中でそれにのっかったのでしょう(ドラックスの秘密の研究所に入室するためのパスコードの入力音は『未知との遭遇』のあの5音!)。


本作の悪役ドラックスは、宇宙ステーションを密かに建造。そこに選ばれし男女だけが移住して、地球にいる人類は全滅させようという壮大な計画を企てています。


ボンドも彼らと共にムーンレイカーで宇宙に飛び出し、宇宙空間でレーザーガンによる銃撃戦が繰り広げられるなど、随分とSFに振り切った内容になっています。


ボンドが宇宙ステーションの電波妨害装置を破壊した後のシーンは笑ってしまいましたよ。米軍が宇宙ステーションを察知すると、その瞬間に攻撃隊が出動し、宇宙船で宇宙ステーションに駆けつけます。パトカーで出動するくらいのフットワークの軽さ(笑)。


宇宙ステーションの回転が止まり、ステーション内が無重力になるシーンも可笑しかったです。俳優達がゆっくり動くという力技で無重力を表現しているのが(笑)。


そんな感じで、全体的に『スター・ウォーズ』のようなクオリティは持っていないので、どうしても宇宙ブームに乗っかった真似事のように見えてしまいます。

 


他にも、ボンドを狙う殺し屋達も、本作の荒唐無稽な印象を強めています。相変わらずトリッキーな手段でボンドを殺そうとして失敗するんですよ。


東洋人の殺し屋チャンは、ボンドの乗った宇宙飛行の訓練装置を暴走させてボンドを追い詰めます。別のシーンでは、なぜか剣道の防具に身を包み、奇声を上げながら竹刀でボンドに挑みます。このシーンは不意を突かれて爆笑してしまいましたよ。


チャンはボンドに高所から落とされて頭からピアノに突き刺さります。ピアノから足だけが突き出たビジュアルが可笑しいですね。『犬神家の一族』を意識してるとしたら合格です(笑)。


他にも、わざわざ棺桶に隠れて登場して銃撃してきたりとか、ヘビに殺させようとしたりとか、相変わらず回りくどいやり方でボンドを殺そうとする殺し屋が目立ちます。まあ、これはシリーズのお約束のような側面もありますが。

 


本作は他にもコミカルな要素やツッコミどころが満載。


ヴェネツィアでは、ゴンドラがホバークラフトのようになって陸上を走行。周りの人々のみならず、鳩や犬までも二度見するというギャグシーンになっています。前作のロータス・エスプリの上陸シーン以上にふざけていましたね。


前作で登場した不死身の殺し屋のジョーズは、本作でも引き続きボンドを追いかけます。ロープウェイを素手で止めるという現実離れしたパワーを見せますが、本作では偶然出会った女性と恋に落ち、お茶目な姿を見せています。2人のロマンスは、いったい何を見せられているのか、という気になります(笑)。


最後にはボンドの味方になるジョーズ。爆発寸前の宇宙ステーションから脱出しようとするボンドとボンドガールを助けます。宇宙ステーションに残されたジョーズと女性にとってはかなり絶望的な状況ですが、ボンドは「彼らも助かるさ、地球は遠くない」なんて言って自分を正当化しています(笑)。さすがに適当過ぎて笑ってしまいました。まあ、2人は実際に助かったみたいですが。


ボンドがドラックスのアジトに乗り込むシーンで、続々と女性達が登場するシーンも笑ってしまいましたね。みんな胸元が開いたセクシー衣装なのがまた(笑)。肝心のボンドガールはセクシー衣装じゃないのはどういうことでしょう(笑)。今までのパターンなら、敵に捕まったところでセクシー衣装になるはずですが。本作のボンドガールはかなり印象が薄いのはそのせいでしょうか(笑)。


2人がドラックスの野望を打ち砕き、地球に帰還するラストシーンでは、地球で「米英初のジョイント飛行」なんて言われています。これはあっちの意味とのダブルミーニングになっていて面白いですね。Qの「再突入でしょう」なんて一言も。


もしかして本作は、コメディ映画と割り切って見れば、結構面白い作品だったりするのかも?

 

最後に

今回は映画『007/ムーンレイカー』の解説&感想でした。オープニングは傑出した出来栄えながら、脚本のご都合主義と荒唐無稽なところが目立つ作品でした。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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