どうも、たきじです。
今回は2008年公開の英仏米合作映画『96時間』の解説&感想です。
作品情報
タイトル:96時間
原題 :Taken
製作年 :2008年
製作国 :イギリス、フランス、アメリカ
監督 :ピエール・モレル
出演 :リーアム・ニーソン
マギー・グレイス
ファムケ・ヤンセン
リーランド・オーサー
ジョン・グリース
デヴィッド・ウォーショフスキー
ホリー・バランス
ケイティ・キャシディ
ザンダー・バークレー
オリヴィエ・ラブルダン
上映時間:93分
解説&感想(ネタバレあり)
本作の上映時間は93分と短く、冒頭から非常にテンポがいいです。さらっと物語の背景を描写してみせ、すぐに物語が展開していきます。
ストーリーは極めてシンプル。
主人公は元CIAエージェントのブライアン。離婚した元妻は富豪の男と再婚。愛娘キムは元妻と暮らし、自由に会うことができない。ある日、そんな愛娘が友人とパリへ旅行。そこで人身売買を行う犯罪組織に拉致される。ブライアンはたった一人で組織に立ち向かう——。
主人公ブライアン役にリーアム・ニーソン、元妻役にファムケ・ヤンセン、元妻の再婚相手役にザンダー・バークレー、娘キム役に当時『LOST』でシャノン役を演じていたマギー・グレイス。地味ではありますが魅力的なキャスティングです。
強いだけでなく、状況判断にも長けたブライアンが、自分を止めようとする現地当局を出し抜きながら、組織を追い詰めていく様がとにかく痛快。こうした面白さは、マット・デイモン主演のボーン・シリーズを思い起こさせます。ボーン・シリーズとは違ってストーリーがシンプルなので、頭を使わずにただただ楽しみたい人には本作の方がハマるでしょう。
物語が動き出すのはキムが拉致されるシーン。キムと電話で話すブライアンは、手際よく電話の録音を準備し、キムに行動を指示します。そして、冷静に状況を判断してキムを導き、捕まる際に犯人の特徴を叫ばせます。
このシーンで、ブライアンが只者ではないことが描写され、ぐっと物語に引き込まれます。そして、キムの電話を手に取ったと思われる犯人に向かっての口上がたまりません。
I don't know who you are.
お前は誰かは知らない。
I don't know what you want.
お前の狙いも。
If you are looking for ransom, I can tell you I don't have money.
もし身代金が目当てなら、俺は金は持ってないことを言っておく。
But what I do have are a very particular set of skills, skills I have acquired over a very long career.
だが、俺には長年の仕事で身についた非常に特別な能力がある。
Skills that make me a nightmare for people like you.
お前のような奴らを震え上がらせる能力だ。
If you let my daughter go now, that'll be the end of it.
今、娘を解放すれば見逃してやる。
I will not look for you, I will not pursue you.
お前を捜さないし、追跡もしない。
But if you don't, I will look for you, I will find you, and I will kill you.
だが、解放しないなら、俺はお前を捜し、見つけ出す。そしてお前を殺す。
この台詞には、もう大興奮。すっかり前のめりになって見てしまいます。これに対し"Good luck."とだけ言い残し電話を切る犯人。後のシーンでブライアンが組織に乗り込んだ時に、この男を見つけ出し、"Good luck."と言わせてから組織との乱闘に入る("Good luck."という意味のアルバニア語を英訳させる)のがまた熱いのですよ。
他にも、ポン引きに盗聴器をしかけて会話を通訳に訳させるとか、フランス当局のジャン=クロードとの電話をトランシーバーを経由することで逆探知を阻止するとか、ジャン=クロードの自宅でシンク下に隠された銃の弾をあらかじめ抜いてるとか、こういうのがたまりませんね。
ただ、終盤で敵に捕まって殺されそうになる大ピンチを脱したのは、機転を効かせたとか、協力者の助けとかではなく、ほぼ運によるもの(配管が固定された天井が脆かった)でしたけどね(笑)。
また、ジャン=クロードに向けた「必要ならエッフェル塔も壊す」との言葉通り、ブライアンは娘を救うためなら何でもするというブチ切れ状態なのもいいですね。大事に至らないように狙っているとは言え、ジャン=クロードの奥さんを容赦なく撃ってしまうのは驚きでした。
犯罪組織の男を拷問にかけ、口を割った後も電流を流したまま去るのも容赦ないですね。
I believe you. But that won't save you.
お前を信じる。だが助けない。
という台詞も印象的。かつて某映画で、リーアム・ニーソンが似たようなことを言われていましたけどね(「殺さない、だが助けもしない」)。
ブライアンのまっすぐさそのままに、物語もとにかくまっすぐ。興奮を絶やすことのない追跡劇に釘付けになり、クライマックスまで本当に楽しい時間を過ごせました。
ちなみに本作の原題は『Taken』。「連れ去られる」という意味ですね。一方、邦題の『96時間』は、劇中で意識されているタイムリミット。この時間を過ぎると救出の見込みがないという時間です。こういう邦題の付け方をすると、続編が作られると困ってしまいます。
案の定、後に『Taken2』、『Taken3』が公開され、邦題は『96時間/リベンジ』、『96時間/レクイエム』。"96時間"という時間はまったく関係ない話なのに、ヘンテコな邦題になってしまっています(笑)。
そもそも、本作においても「96時間」という時間はさほど意識されていません。人気TVドラマ『24 -TWENTY FOUR-』にあやかったのでしょうか?そう言えば同作のシーズン1も、娘が誘拐される話でしたかね。
余談ですが、娘が誘拐されて父親が1人で無双する映画と言えば、シュワルツェネッガーの『コマンドー』も思い浮かびます。同作でも「11時間」というタイムリミットがありました。こちらは腕時計で11時間のタイマーがセットされ、劇中もこの時間が意識されていたので、同作なら『11時間』というタイトルでも違和感が無かったかもしれません。
いや、絶対『コマンドー』の方がいいわ(笑)。
最後に
今回は映画『96時間』の解説&感想でした。短時間でテンポもよく、クライマックスまで興奮を絶やすことなく一気に見られる痛快なアクション映画でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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