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映画『カメラを止めるな!』解説&感想 口コミから公開拡大されたヒット作

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どうも、たきじです。

 

今回は映画『カメラを止めるな!』の解説&感想です。

 

 

作品情報

タイトル:カメラを止めるな!

製作年 :2017年

製作国 :日本

監督  :上田慎一郎

出演  :濱津隆之

     真魚

     しゅはまはるみ

     長屋和彰

     細井学

     市原洋

     竹原芳子

     秋山ゆずき

 上映時間:96分

 

解説&感想(ネタバレあり)

"裏側"を一気見せしてくれる楽しさ

冒頭37分のワンカット撮影。これは、ゾンビ映画の撮影クルー達が本物のゾンビに襲われる様子を描いた生中継ワンカットドラマであったというオチで、その後は1ヶ月前に遡って、このドラマの製作過程が描かれます。


同じ時間軸を複数回描くことで、"実はあのシーンの裏側はこうなっていた"的な面白さを生み出しているわけですが、こうした作品自体は珍しいものではありません。本作と同様にミニシアター系の小作品ながら世界的評価を受けた作品『運命じゃない人』なんかはいい例です。


『運命じゃない人』は1日の出来事を3人の視点で順番に描き、その時何が行われていたのか、新しい事実をどんどん明らかにしていくことで、物語を広げていくという、緻密に作り込まれた作品でした。


これと比較すると、本作はワンカットのドラマという"閉じた世界"の裏側を描いているので、よりシンプルな構成。そこまで緻密さは感じさせない一方で、シンプルなだけに分かりやすいですし、終盤では"裏側"を一気見せしてくれるので、その楽しさはぎゅっと詰まっています

 

違和感のネタバラシ

冒頭37分、観客はゾンビ映画だと思って本作を見ることになります。ここだけ見ると、変な間の悪さやぎこちなさといった違和感があって、無駄にワンカットにこだわっただけのB級映画という印象を持っても仕方ないでしよう。


それが映画後半で、その違和感が生まれた理由がネタバラシされていきます。その理由とは、裏でトラブルが続出していたから。アドリブで繋いだり、脚本を飛ばしたりした結果だったということです。


カメラのフレーム外で「ポン!」が何度も聞こえてくるとか、「こんなところに斧が。ついてるわ」というわざとらしい台詞とか、神谷のゾンビが最後に何度も静止するとか、そのあたりは少し外した笑いとしても成立している上に、ネタバラシで裏側が描かれることで二度美味しくなっています。


逆に、監督が2人の俳優を煽る台詞は日頃の鬱憤が反映されたものだったことや、カメラマン役の俳優の嘔吐物が本物だったことなどは、冒頭では何の違和感もなく見ていたものに対しての意外なネタバラシで、思わず吹き出してしまいました。


そんな中で、神谷が終盤で言う「いったん(カメラを)止めて!」という台詞はどうでしょうか?それまでは違和感がありつつもヘタウマなB級映画として成立していた中で、何か不測の事態が起こっていることを明確にしてしまう台詞なので、不要だったのではと思ってしまいました。

 

娘の活躍も見どころ

最後にもう一つ付け加えて言えば、本作では日暮の娘の真央が活躍するのも見どころの一つですね。映像制作の駆け出しである彼女が、『スカーフェイス』、『タクシードライバー』、『シャイニング』と、映画Tシャツを着用していることや、妥協しない映像作りを目指している姿に、共感を覚える映画ファンは多いのでは?


最後にはゾンビ化した神谷の首の小道具をバスケットボールのように投げるシーンで、元バスケ部という伏線の回収。これも笑ってしまいましたね。

 

最後に

今回は映画『カメラを止めるな!』の解説&感想でした。同じ時間軸を複数回描くことで、"実はあのシーンの裏側はこうなっていた"的な面白さを生み出した作品。シンプルな構成も相まって、口コミが広がってヒットしたのも頷ける作品でした。

 

なお、本作は2022年にはフランスでリメイクされています(邦題『キャメラを止めるな!』)。しかも監督は『アーティスト』でアカデミー賞を受賞したミシェル・アザナヴィシウス。こちらも要チェックです。

 

 

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