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映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』解説&感想 西部劇×SFアクションで魅せる完結編!

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どうも、Takijiです。

 

今回は映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』の解説&感想です。西部劇へのオマージュ満載で描かれる、三部作の完結編です。

 

↓ 過去作はこちら

 

作品情報

タイトル:バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3

原題  :Back to the Future Part III

製作年 :1990年

製作国 :アメリカ

監督  :ロバート・ゼメキス

出演  :マイケル・J・フォックス

     クリストファー・ロイド

     トーマス・F・ウィルソン

     メアリー・スティーンバージェン

     リー・トンプソン

     エリザベス・シュー

 上映時間:118分

 

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解説&感想(ネタバレあり)

複数軸で展開するワクワクのストーリー

本シリーズは、"無事に未来に戻る(Back to the future)ことができるのか?"という軸だけでなく、もう一つのストーリー軸を備えることでワクワクするストーリーを作り上げてきました。


すなわち、第1作では"高校時代の父と母をくっつけることができるか?"、第2作では"ビフからスポーツ年鑑を取り戻すことができるか?"(2ではこちらが主軸)というものです。それができないと、自分の存在が消えてしまう、あるいは、住み慣れた街を失ってしまうというのが緊張感を生んでいました。


そして、それは本作も例に漏れません。マーティ(マイケル・J・フォックス)は、1955年で偶然にもドク(クリストファー・ロイド)の墓を見つけます。1885年に行ったドクがビフの曽祖父のビュフォード・タネン(トーマス・F・ウィルソン)に撃たれ死亡したことを知り、ドクを救うために1885年に向かうのです。そして無事にドクを救ったはいいものの、今度はタネンと決闘することになったマーティ自身に死の危機が訪れるという展開になります。

 

ガソリンのない時代にデロリアンのタイムスリップに必要な時速88マイルのスピードを出して無事に未来に帰れるのかという"Back to the future"軸と、タネンとの決闘を無事に乗り切ることができるのかというもう一つの軸でストーリーが展開するのです。


これに加えて本作では、ドクとクララ(メアリー・スティーンバージェン)のロマンスも描かれます。月を見ながら宇宙旅行やジュール・ヴェルヌについて語らうシーンなんて、コメディ映画のワンシーンとは思えないくらいにロマンティックなシーンになっています。


西部劇としての楽しさ

本作は1885年を舞台に、思いっきり西部劇の活劇を見せてくれるのも魅力の一つです。


1885年へのタイムスリップの舞台をわざわざモニュメントバレーにしているのは、完全に狙っていますね。モニュメントバレーをバックに、いきなり先住民と騎兵隊の一団に出くわしたり、雄大な自然をバックにデロリアンを馬に引かせたりと、西部劇っぽいシーンを撮りたいがためのロケーションでしょう。


そして、マーティとタネンの決闘。西部の街で両者が睨み合い、早撃ち対決するシーンも西部劇の定番です。私などは、西部劇と聞いて真っ先に思い浮かぶのが、こうした決闘シーンです。


ちなみにマーティがタネンに「(決闘は)いつにする?真昼(high noon)か?」と聞く台詞がありますが、これはゲイリー・クーパー主演の西部劇『真昼の決闘』(High Noon)を意識したものです。また、決闘でマーティが鉄板を防弾チョッキのようにして胸部に仕込んでいるのはセルジオ・レオーネ監督×クリント・イーストウッド主演の『荒野の用心棒』へのオマージュです。この他にも、マーティがヒル・バレーに着いた時のカメラワークや、縛り首のロープを銃弾で切るシーンなど、レオーネ監督作品へのオマージュが満載(前者は『ウエスタン』、後者は『続・夕陽のガンマン』)で、レオーネ監督のファンとしては嬉しい限りです。

 

また、デロリアンを時速88マイルで走らせるために列車を使うというのも、西部劇にもってこいのワクワクの展開。マーティとドクが列車強盗さながらのアクションを見せてくれます。列車を馬で追いかけて列車に飛び乗り、貨車の上を歩いていくシーンや、タイムスリップが成功した後に、残された列車が建設途中の橋から落ちていくシーンなど、どこかで見たことがあるシーンです。


そう言えば、『トイ・ストーリー2』のクライマックスでは、西部の保安官のオモチャのウッディが、馬のぬいぐるみのブルズアイに乗って列車に見立てたエアカーゴを追いかけて飛び乗るシーンがありますし、『トイ・ストーリー3』ではアンディの空想の西部劇の中で、列車が橋から落ちていくシーンがあります。このように、こうしたシーンは、西部劇へのオマージュとしてしばしば引用される、定番のシーンと言えます。

 

この列車を使ったタイムスリップは、第1作と同様に、事前に模型を使って計画を説明してくれるのでとても分かりやすいです。また、3つの強力な燃料がボイラーの温度によって順番に点火されるというのも、ゲージを色分けして分かりやすく表現されており、次の点火を観客に意識させることでスリルを与えています。


時々デロリアンの速度が画面に映るのも同様ですが、これは翻訳がぶち壊していました。映像ではマイル表示で時速88マイルに向けて加速しているのに、吹替の台詞や字幕はキロメートルに換算されているのでちぐはぐになってしまっています。


作品をまたいだ伏線

本シリーズは毎回伏線がたくさんありますが、前作と本作は同時に製作されたこともあって、作品をまたいだ伏線がたくさん用意されています。


ビフの曽祖父のビュフォード・タネンの存在は、前作でビフ・タネン博物館の紹介ビデオにおいて語られていました。また、ビフが風呂に入りながら見ていた映画は上述の『荒野の用心棒で、まさにクリント・イーストウッドが胸部に仕込まれた鉄板を見せるシーンでした。


また、マーティがお祭りでのコルトの試し撃ちで射撃の腕前を見せますが、前作のカフェ80’sのシーンでは、ゲームで射撃の腕前を見せていました。どこで射撃の腕を磨いたかと問われたマーティが「セブンイレブン」と答えますが、日本人にはセブンイレブンとゲームが結びつかないので、前作の伏線を覚えていないと何のことかさっぱりでしょうね。射撃の腕前は他でも活用されることを期待しましたが、その後は特に使われませんでした。流石にマーティが人を撃つのはどうかと思いますが、ストーリーの要所で見たかった気もします。


それから、本作のストーリー上でも大事な意味を持つのが、マーティがやたらと"腰抜け"と言われることにカッとなること。前作から登場したこの設定は、前作でも散々描かれていました。この性格によってマーティは将来、自動車事故にあったり、会社をクビになったりするのです。本作での経験を通して、"腰抜け"と言われても感情を抑制することを覚えたことで、ラストでは自動車事故に合うという歴史を変えることになったのです。


シリーズを通じた楽しさ

本シリーズの魅力の一つであるジェネレーションギャップネタは本作でも満載。

 

雷で故障したマイクロチップを見た1955年のドクと1985年のマーティのやりとり、「故障するわけだ。こいつはメイド・イン・ジャパンだから」「何言ってんだドク。日本製が最高なんだぜ」は、1955年から1985年の30年間の日本の製造業の躍進をネタにしています。


また、1885年を訪れたマーティは、タネン達に身なりを弄られます。靴について「何の革だ?文字が書いてあるぞ。"ニーケイ"ってなんだよ?インディアン語か?」と言われますが、マーティが履いているのはもちろんNIKE(ナイキ)です。

 

本作一番のジェネレーションギャップネタは、やはりマーティが1885年で名乗る"クリント・イーストウッド"でしょう。後の西部劇スターの名前がアホっぽいと弄られるのが面白いです。タネンと決闘することになったマーティが、ひとり鏡の前に立って銃を構えて言う「Go ahead. Make my day.」は、『ダーティハリー4』のクリント・イーストウッドの有名な台詞です(このシーン自体はロバート・デ・ニーロの『タクシードライバー』のパロディ)。以前、私がハリウッドを訪れた際に、レッドカーペットでクリント・イーストウッドを見たことがあるのですが、その時に観衆の一人が"Make my day!"と叫んだのをよく覚えています。

 

本来はクララ(姓はクレイトン)が落ちて亡くなったことから1985年ではクレイトン渓谷と呼ばれていた渓谷は、ドクがクララを助けたことで歴史が変わり、代わりにクリント・イーストウッドことマーティが列車ごと落ちて亡くなった(と思われた)ことからイーストウッド渓谷に変わっています。これも第1作の「ローン・パイン・モール」を思わせる好きなネタです。

 

他にも、毎回ビフ(本作ではビュフォード・タネン)が肥料にまみれるとか、マーティが気絶して目覚めると毎回"母親"(リー・トンプソン)がいる(父方の先祖があの顔なのはおかしいけど)とか、シリーズ通してのお約束とも言えるネタが満載なのも楽しめる要素です。

 

最後に

今回は映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』の解説&感想でした。第1作がずば抜けて素晴らしいですが、三部作として見ても名作であることは間違いありません。

 

これだけ壮大な体験をしたマーティですが、考えてみると元の時代では三作で丸一日しか経っていないんですよね。


ラストシーンでは、マーティの恋人ジェニファー(エリザベス・シュー)に差し出された白紙になった紙を見たドクが言います。


「君達の未来はまだ決まっていないということ。未来は自分で切り開くものなんだよ。」


このシリーズの締めくくりとしてこれ以上ない台詞でした。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

 

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