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映画『LOGAN/ローガン』解説&感想 ヒーロー映画の枠を超えた、静かなる終焉

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どうも、たきじです。

 

今回は2017年公開のアメリカ映画『LOGAN/ローガン』の解説&感想です。『ウルヴァリン:SAMURAI』に続く、ウルヴァリン三部作の第3作、X-MEN映画としては『X-MEN: アポカリプス』に続く第10作です。

 

 

↓ 前作の解説&感想はこちら

↓ X-MEN映画の前作の解説&感想はこちら

 

作品情報

タイトル:LOGAN/ローガン

原題  :Logan

製作年 :2017年

製作国 :アメリカ

監督  :ジェームズ・マンゴールド

出演  :ヒュー・ジャックマン
     パトリック・スチュワート
     ボイド・ホルブルック
     スティーヴン・マーチャント
     リチャード・E・グラント
     ダフネ・キーン

上映時間:137分

 

解説&感想(ネタバレあり)

異色のヒーロー映画

『LOGAN/ローガン』は、X-MENシリーズの一作であり、ウルヴァリン三部作の最終章にあたるものの、過去の作品とは一線を画す、異色のヒーロー映画です。シリーズ作品というよりは独立した一本の作品と見るべきかもしれません。物語もシリーズの過去作の出来事を引きずっていないので、ローガン(=ウルヴァリン)とチャールズ(=プロフェッサーX)の基本情報を知ってさえいれば、過去作の鑑賞有無に関わらず楽しめる作品と言えます。

 

ヒーロー映画とは言え、本作で描かれるのはヒーローの活躍を痛快に描いたエンターテインメントではありません。そこに描かれるのは、老い、孤独、贖罪、そして死といった、極めて現実的で重いテーマです。

 

本作は終始抑制された暗く重いトーンで描かれます。ローガンは治癒能力や老化しない能力を失いつつあります。また、チャールズは認知症を患い、かつてのカリスマ性は見る影もありません。かつての仲間たちは死に絶え、世界はもはや荒廃寸前。倫理も正義も形骸化しています。企業が子供たちをミュータント兵器として生産し、用済みになれば命を処分するという非人道的な計画さえ平然と実行されています。

 

本作は、このようなディストピア的世界で生きるローガンの姿を、ハードボイルドなトーンで描いた作品。静かで重く、それでいて胸を打つ、そんな映画です。

 

西部劇の影響と暴力の代償

また、本作は西部劇の要素も色濃く感じられます。本作を観て、特に想起させられる西部劇映画が1953年の『シェーン』と1992年の『許されざる者』です。

 

劇中でチャールズとローラが『シェーン』のテレビ放送を観ているシーンがあり、台詞が引用されるなど、本作は『シェーン』を明示的に意識しています。土地の権利をめぐってアウトローな一味と対立する一家に主人公が加勢するという構図も『シェーン』と共通します。

 

相手が悪人であろうとも、人を殺してしまえばもう元には戻れない——。シェーンのこのような言葉は、戦いの中で多くの命を奪ってきたローガンに刺さる言葉です。ローラもまた、人を殺めるということがどういうことかを知ります。生きるために戦い、人を傷つけ、罪を背負う、2人の悲しい宿命です。

 

また、『許されざる者』は、西部劇で過去に描かれてきた「美化された暴力」の裏にある醜さを暴き出すような作品でした。これは、西部劇をヒーロー映画に置き換えても成り立つテーマでしょう。

 

ある意味で、本作はヒーロー映画の一つの終焉。そして、ローガンという男の終焉でもあります。その意味で、本作のタイトルが『ローガン』であるの素晴らしくしっくりきます。前作『ウルヴァリン:SAMURAI』は『The Wolverine』なんて原題でありながら、全然そんな映画ではなかったのとは対照的です。

 

バイオレンス描写に込められた意味

本作を観ると、これまでのX-MENシリーズやウルヴァリン・シリーズでは考えられないようなバイオレンス描写に驚かされます。首が飛んだり、ローガンの爪が敵の頭部を貫いたりと、随分と過激な描写が溢れています。親切な一家の全滅や、チャールズまでも命を落とすという展開など、数々の"死"もまたショッキングです。

 

このような描写も、暴力の痛み、後悔、罪悪感を強調する上では不可欠な描写と言えるでしょう。単に「『デッドプール』がR指定でも大ヒットしたから」ではないのです。

 

脚本には粗も目立つ

本作はアカデミー脚色賞にノミネートされるなど、脚本が評価されているようです。上述の通り、他のヒーロー映画と一線を画す異色のヒーロー映画としてまとめ上げた点は評価に値します。一方で、全体としてはそこまでの緻密さは感じなかったのが正直なところではあります。

 

例えば、ローガンとローラの関係性の描写。クライマックスでローラが「パパ」と呼び涙を流すシーンは感動的ではありますが、少し唐突に感じた方も少なくないのではないでしょうか。ここまでの2人の関係性はお互いにややドライな印象で、そこまでの絆は感じられませんでした。もう少し2人の距離が縮まる描写──例えば、ローラがX-MENの話を知りたがるとか、ローガンがローラに戦い方を教えるとか──があれば違ったのでしょうが、それがないので、ローラの感情が飛躍して感じられました。

 

また、ローガンの墓に立てられた十字架を、ローラが「X」の形に変えるラストシーン。このシーンは、私にはちょっとわざとらしく感じられまた。ローラたちが宗教教育を受けたとは到底思えないので、キリスト教の十字架を立てることが作為的に見えてしまったせいでしょうか。

 

とは言え、"最後のX-MEN"であるローガンの死、つまりX-MENの終焉を描く象徴的なシーンとして、胸に響くものがあったのも確かです。理屈よりも情緒で受け止めるべきシーンかもしれませんね。

 

最後にもう一つだけ、粗を挙げるなら、悪役のピアースのキャラクター描写です。知的で冷静で、一筋縄ではいかないようでいて、実際にはあっさり気絶させられたり、手榴弾で吹き飛ばされたり、ローガンに機械の腕を破壊されたり、子供たちにやられたりと、"失敗"も多く、いまいちキャラクターが定まらない印象でした。

 

最後に

今回は映画『LOGAN/ローガン』の解説&感想でした。完璧な脚本とは言えないまでも、老い、孤独、贖罪、死といった、極めて現実的で重いテーマで、ローガンという人物を描いた異色のヒーロー映画でした。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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