映画『シックス・センス』解説&感想 予備知識なしで楽しむべきミステリー映画の傑作

どうも、Takijiです。

 

今回は映画『シックス・センス』の解説&感想です。予備知識なしで楽しんで欲しいミステリー映画の傑作です。

 

作品情報

タイトル:シックス・センス

原題  :The Sixth Sense

製作年 :1999年

製作国 :アメリカ

監督  :M・ナイト・シャマラン

出演  :ブルース・ウィリス

     ハーレイ・ジョエル・オスメント

     オリヴィア・ウィリアムズ

     トニ・コレット

 上映時間:107分

 

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解説&感想(ネタバレあり)

(何も知らない方が格段に楽しめる映画ですので、本作をこれから観る人は、この記事を読まないで下さい)

死者が見える少年との交流

本作の主人公は小児精神科医として名高いマルコム(ブルース・ウィリス)。彼は妻のアンナ(オリヴィア・ウィリアムズ)と自宅で過ごしているところを、かつての患者ヴィンセントに押し入られます。ヴィンセントは10年前にマルコムのカウンセリングを受けていましたが、いまだに治らないことでマルコムを責め、マルコムを銃で撃った末に自殺してしまいます。


それから1年後、マルコムはコール( ハーレイ・ジョエル・オスメント)という新たな患者を診ます。マルコムは、ヴィンセントと症状の重なるコールを救うことで、ヴィンセントを救えなかった後悔を乗り越えようとしています。


コールには死者が見える能力があります。これが映画のタイトルになっているシックス・センス(第六感)です。"シックス"はここでは第六を意味しているので、原題は"Six"ではなく"Sixth"です。


コールは日常的に死者を見て怯え、またその秘密を誰にも打ち明けられずに苦しんでいます。彼らは最終的に、「死者は助けを求めてコールに近づいている」ということに辿り着きます。この世に何らかの未練があり、仏教的に言うと、成仏できていない状態です。


死者達が助けを求める声を聞いてやるんだというマルコムの助言に従い、コールは病死した女の子の霊を救います。これにより、コールは自分の能力と向き合うようになり、死者達ともうまく付き合っていくようになります(劇場の火事で亡くなった女性と仲良く話していたことでそれが示唆されています)。


これが本作の大筋です。


映画の"秘密"

本作が大ヒットした大きな要因は、衝撃の結末にあります。映画の最初に表示された「この映画にはある秘密があります」に始まるブルース・ウィリスからのメッセージと共に、かなり話題になりました。


その秘密とは、ブルース・ウィリス演じるマルコムが、実は映画冒頭でヴィンセントに撃たれた時に死亡していたとうこと。それ以降のマルコムは死者としての存在であり、コールにしか見えていなかったということです(マルコムは映画の中で、コール以外の誰とも会話していません)。


このどんでん返しは実に見事なものです。ストーリーにどんでん返しを設ける上で難しいのは、観客にミスリードさせる第一の視点(マルコムは生きている)と、真実を示す第二の視点(マルコムは死んでいる)のどちらでストーリーを見ても整合が取れるようにすることです。本作はこの点で実に巧妙にストーリーが組み立てられています。


まずは、マルコムがコールを救おうとする動機についてです。マルコムがヴィンセントを救えなかったことを悔やみ、同じ境遇のコールを救おうとしているのは、"第一の視点"でも"第二の視点"でも共通です。しかし、"第二の視点"では、「この未練のためにマルコムは"成仏"できずにいる」ということが見えます。それ故に、マルコムがコールを救うことが、コールがマルコムを救うことにもなるという相互関係が成立しています。


次に、マルコムと妻アンナの関係の描き方。"第一の視点"では、マルコムは仕事第一でアンナを二の次に扱ってきたため、二人の関係は冷え切っているように見えます。アンナはマルコムの会話にも応じません。ところが"第二の視点"になると、アンナは死んだ夫を想い続け、忘れられずにいることが見えるのです。


レストランのシーンなどは見事なもので、"第一の視点"では遅刻したマイケルを無視して、「いい結婚記念日を」と捨て台詞を吐いて去っていったように見えたアンナが、"第二の視点"では、夫を失ってもなお一人で結婚記念日を祝っていたのだということが見えます。なおかつこのシーンでは、マルコムがやはり仕事第一で妻を二の次にしていることをミスリードするシーンにもなっているのだから本当に上手いです。


最後に、マルコムに対するコールの言葉。彼はただ一人、マルコムが死んでいることを知っています。最後にコールがマルコムに「もう会えないの?」と聞いたのは、"第一の視点"では、コールの抱えていた問題が解決したのでマルコムのカウンセリングが終わるからだと見えます。しかし"第二の視点"では、コールは、マルコムが"成仏"することを悟ってこう聞いたのだと見ることができます。


そして、コールはマルコムに「奥さんと話す方法を教える」と言って、眠っている時に話せば自分で意識せずとも話を聞いてくれることを助言します。これも"第一の視点"で見ると、「ろくに会話もしてくれない奥さんと話す方法」と受け取れます。しかし、"第二の視点"で見ると、コールは「死者が生者と話す方法」として助言していることが分かります。なぜなら、マルコムが夫婦関係で悩んでいることはコールも聞いており、マルコムのもう一つの未練である"アンナとの関係の解決"を助けることで、完全にマルコムを助けることになるからです。


映画のラストで、自分が死んでいることを知ったマルコムは、コールの助言に従って、眠っているアンナに想いを伝えます。「君は決して二の次なんかじゃなかった。愛してる。」切なくも美しいラストシーンでした。


このように、本作は実に巧妙にストーリーが組み立てられており、見事にどんでん返しが決まっています。


ブルース・ウィリスをマルコム役にキャスティングしたのも絶妙です。ブルース・ウィリスと言えば『ダイ・ハード』。DIE HARD(なかなか死なない)な男、ジョン・マクレーンを演じてきました。ある意味で"死"というイメージから最も遠い俳優ですから、マルコムが死んでいるなんて誰も疑いません。


かすみがちな屈指の名シーン

本作は、上に述べた衝撃の結末ばかりが話題をさらい、他がかすみがちです。私が特に好きなシーンがあるのですが、この屈指の名シーンもあまり話題に上らないのが残念でなりません。それは映画終盤、コールと、コールの母のリン(トニ・コレット)の最後のシーン。事故による渋滞で進まない車の中での会話です。

 

コールはこれまで、死者が見えるということをリンに打ち明けられずにいました。周りから言われるように、リンからも"Freak"(変な奴)と言われることを恐れてのことでしょう。このシーンで、コールは勇気を出してそのことを打ち明けます。

 

コールは、お祖母ちゃんのペンダントが自分の机の引き出しに入っていたことについて、死んだお祖母ちゃんが謝っていた告げます(コールは以前、この件でリンから咎められています)。しかし、死者が見えるというコールの話に半信半疑のリンは、コールが自分のやったことを死んだお祖母ちゃんのせいにしていると思い、コールにあきれた表情を見せます。この後の台詞があまりに素晴らしいので書き起こします。


コール:

She wanted me to tell you she saw you dance. She said, when you were little, you and her had a fight, right before your dance recital.

お祖母ちゃんから、ママにダンスを見たと伝えてと言われたんだ。ママが小さい時、お祖母ちゃんとママはケンカして。それはママのダンスの発表会の前だった。

 

You thought she didn't come see you dance. She did. She hid in the back so you wouldn't see. She said you were like an angel.

だから見に来てくれないと思ってた。でも実は見てたんだ。後ろの方だったからママには見えなかったんだよ。ママは天使みたいだったって。

 

She said you came to the place where they buried her. Asked her a question? She said the answer is... "Every day." What did you ask?

それから、ママはお祖母ちゃんのお墓に行って、お祖母ちゃんに質問した?質問の答えは"いつだってそう"だって。なんて質問したの?


リン:

"Do I make her proud?".

「私を愛してくれてた?」


目を潤ませながら、一言一言喋るコール。すべてを理解し次第に涙が溢れるリン。この台詞の後、2人は泣きながら抱き合います。


このシーンが素晴らしいのは、ここまで描いてきた二人のドラマのあらゆるシーンがこの数分間に帰結している点です。リンはコールのことでずっと悩んでいました。コールの体には謎の傷があり、友達や先生ともうまくいっておらず、そのことをコールは何も話してくれません。リンにとって、このシーンはその不安が解消すると同時に、様々な感情が溢れるシーンになっています。


母がダンスを見に来てくれていたこと、自分が母に愛されていたことを知った感動。コールが秘密を話してくれた喜び。ペンダントのことでコールを責めたことに対する申し訳ない気持ち。そして何より、死者が見えるという大変な苦しみを幼い子供が1人で背負っていたことに対する同情の念。リンにとって、感情の大洪水でしょう。


そしてコールにとっても、母親が自分のことを理解してくれたことへの安堵を感じると同時に、母もまた彼女の母との関係で悩んでいたことを知ってシンパシーを感じるシーンになっています。


こうしてすれ違っていた母子が通じ合う瞬間を、直接的な表現ではなく、コールの長台詞とリンの一言の返答で表現するなんて、見事としか言いようがありません。


このシーンは、二人の演技も絶品です。ハーレイ・ジョエル・オスメントは、子役ながらちゃんと頭で考えて演じているのが分かる地に足のついた演技で魅せてくれます(彼がその後、大成しなかったのが不思議でなりません)。それを受け止めるトニ・コレットも最高です。"感情の大洪水"を見事に表現しています。


こんなに素晴らしいシーンが、衝撃の結末の影に隠れて皆の記憶に残らずにいるのは、本当に惜しい限りです。

 

最後に

今回は映画『シックス・センス』の解説&感想でした。ミステリーとしての衝撃の結末と、ドラマとしての感動の結末。2つの結末が素晴らしい作品でした。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

 

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