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映画『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』解説&感想 戦うボンドガールが輝く第18作

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どうも、たきじです。

 

今回は1997年公開の英米合作映画『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』の解説&感想です。007シリーズとしては、前作『007/ゴールデンアイ』に続く第18作です。

 


↓ 前作の解説&感想はこちら

↓ その他のシリーズ作品の解説&感想はこちらから(各作品へのリンクあり)

 

作品情報

タイトル:007/トゥモロー・ネバー・ダイ

原題  :Tomorrow Never Dies

製作年 :1997年

製作国 :イギリス、アメリカ

監督  :ロジャー・スポティスウッド

出演  :ピアース・ブロスナン
     ジョナサン・プライス
     ミシェル・ヨー
     テリー・ハッチャー
     ジョー・ドン・ベイカー
     リッキー・ジェイ
     ゲッツ・オットー
     デスモンド・リュウェリン
     ヴィンセント・スキャベリ
     ジョフレー・パーマー
     コリン・サーモン
     サマンサ・ボンド
     ジュディ・デンチ

上映時間:119分

 

解説&感想(ネタバレあり)

本作を初めて観たのは劇場公開から数年後のテレビ放送だったと記憶しているので、今回は20数年ぶりの再鑑賞ということになります。初回鑑賞時、私は本作に対してあまり好意的な印象を持たなかったのですが、今回改めて見直してみるとがらりと印象が変わりました。


本作の魅力はなんと言ってもメインのボンドガールを演じたミシェル・ヨーにあります。正直に言うと、初回鑑賞時には、私はミシェル・ヨーのボンドガールがあまり好きになれませんでした。私は子供ながらに、ボンドガールには欧米人のセクシーなお姉さんを求めていたのでしょう(笑)。それに、アジア人の中でも、ミシェル・ヨーは突出して美人というわけでもないですし、35歳という年齢もボンドガールとしては高齢です。そこにある種の違和感を覚えていたのだと思います。

 

それはそれで当時の正直な感想なのですが、時が経つと印象は変わるものです。理由の1つとして、近年のダイバーシティ重視の流れがあるでしょうね。多様な人種、年齢、外見の俳優が登場することが当たり前になった近年の映画に見慣れた結果、上記のような違和感がなくなったのでしょう。そして、その違和感を取っ払って本作を見ると、ミシェル・ヨーのなんと魅力的なことでしょう。

 

これまでもボンドと共に敵と戦うボンドガールはいましたが、ミシェル・ヨーほどバリバリにアクションをこなして、ボンドと同等に敵と戦った例はありません。彼女が切り開いたボンドガールの新境地に、私は感動すら覚えましたよ。


ミシェル・ヨーはアクション女優のパイオニアとして、その後も地道にキャリアを積み、60歳になった2023年には『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でアカデミー主演女優賞に輝きます(アジア人初)。そうした彼女の後の物語を知っているがゆえに、その原点とも言える本作に、余計に感動してしまいます。本作は香港映画から世界に進出し、ミシェル・ヨーを名乗った第一作目にあたります。

 

もちろん、ジェームズ・ボンドを演じたピアース・ブロスナンも負けていません。武器取引現場を舞台にしたプレタイトル・シークエンスでは、その活躍ぶりがとにかくカッコいいですね。ボンドは、ミサイルによる核魚雷の爆発を阻止するために、核魚雷を搭載したジェット機を奪って飛び立ち、追っ手も撃退して核爆発を阻止します。このシーンでは、"群衆の視点"、すなわち遠隔でボンドの活躍を見守るMI6の視点を設けることで、そのヒロイックな活躍が強調されています。

 

中盤でも、潜入した敵のビルでのアクションでは随分と魅せてくれます。敵から身を隠してビル内を探る緊張感の中、ミシェル・ヨー演じるウェイ・リンと鉢合わせになったところで唐突にアクションが始まります。本作の音楽は全体的に過剰な印象がありますが、このシーンでのテンポの良い音楽はアクションのリズムを演出していて素晴らしかったです。


その後はパリス(『デスパレートな妻たち』のスーザンで有名なテリー・ハッチャー)の死のシーンを挟んで、今度はホテルからの脱出劇。ここでは携帯電話によるラジコン操作のボンドカーを駆使したアクション。連続するアクションはなかなかの満足度です。

 

そして本作の大きな見どころの1つは、サイゴンの敵の拠点から、ウェイ・リンと共に脱出するシークエンスでしょう。垂れ幕を利用したビルからの大ジャンプはいささかリアリティにかけるものの、それに続くバイクアクションは見事なもの。ボンドとウェイ・リンが手錠で繋がれた状況や、サイゴンの街並みもうまくアクションの味付けになっています。

 

ブロスナンは2作目にして、すっかりボンド役が板についている印象でした。第21作『カジノ・ロワイヤル』でブロスナンの後任としてダニエル・クレイグがボンド役に就任することが決まった際には、クレイグに否定的な意見が湧き上がりましたが、それもブロスナンのボンドのイメージが鮮烈であったからこそだと理解できますね。


まあ、クレイグは実力で否定的な意見を吹き飛ばし、映画公開後には多くの人が手のひらを返したわけですけど(笑)。私自身、クレイグのボンドが一番好きではありますが、今回シリーズを第1作から通して観てみて、ボンド俳優一人ひとりに、それぞれの魅力があるのをひしひしと感じました。

 

さて、本作の悪役はメディア王のカーヴァー。彼の陰謀は、イギリスと中国に戦争させ、そのスクープを独占すると共に中国における放送権を得ること。やっていることがリスク高すぎじゃないかと思ったのは私だけでしょうか?もともとアウトロー稼業の悪役とは違い合法的な手段でも十分に稼げそうなメディア王が、イデオロギーや復讐の類ではなく、"利益"を目的としてそのようなリスクを冒すことに違和感がありました。


また、カーヴァーはなかなかキャラの濃い悪役ではありますが、個人的にはあまり魅力的に映りませんでした。演じるジョナサン・プライスはうまい役者ではありますが、ビジュアル的に面白みがないというか。

 

さて、最後に野暮なツッコミを。ボンドが行く先々にウェイ・リンがいるのはご都合主義じゃないですか?ボンドがパリスの協力を得て潜入するビルや、CIAの協力を得て潜入する沈没船に、自力で辿り着いているウェイ・リンはどんだけ有能なエージェントなのかと(笑)。敵も敵で、沈没船の上方の海上でしっかり2人を待ち受けているし…。

 

最後に

今回は映画『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』の解説&感想でした。ストーリー、キャラクター、ガジェットなどでこれまでの007らしさをしっかり演出しつつ、これまでにない戦うボンドガールの魅力が際立った作品でした。個人的には、シリーズの中でもなかなか好きな一本です。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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