人生をもっと楽しく

人生を楽しむ多趣味サラリーマンが楽しいことを発信するブログ

映画『TENET テネット』感想 ノーラン監督作品で最も攻めた実験的作品

【スポンサーリンク】

どうも、たきじです。

 

今回は2020年公開のアメリカ映画『TENET テネット』の感想です。

 

 

↓ その他のクリストファー・ノーラン監督作品の解説&感想はこちらから

 

作品情報

タイトル:TENET テネット

原題  :Tenet

製作年 :2020年

製作国 :アメリカ、イギリス

監督  :クリストファー・ノーラン

出演  :ジョン・デヴィッド・ワシントン
     ロバート・パティンソン
     エリザベス・デビッキ
     ディンパル・カパーディヤー
     マイケル・ケイン
     ケネス・ブラナー

上映時間:151分

 

感想(ネタバレあり)

クリストファー・ノーラン監督は、これまでに見たことのないような作品を次々に世に出してきました。とりわけ"時間"の描き方については常に趣向を凝らしているのが分かります。


例えば、

メメント』: 1本の時間軸をバラして時間を逆行させて描く。
インセプション』: 1本の時間軸の中で進行スピードの異なる複数の場面を同時進行で描く。
インターステラー』: 相対性理論が示す時間の進行速度のズレや、五次元空間による時間と空間を超えた交信を描く。
ダンケルク』: 進行スピードの異なる3本の時間軸を交錯させて描く。

といった具合。


そして本作は、同じ空間の中で、時間の順行と逆行を織り交ぜて描いています。これは、これまでの作品と比べてもかなり実験的で攻めた内容だと言えます。

 


ノーラン監督作品においては、序盤では多くを語らず観客に疑問を抱かせ、後のシーンで徐々に全容を明らかにしていく、というスタイルがしばしば見られます。それがノーラン監督作品の語り口のカッコ良さだと思うのですが、個人的には、本作は説明不足すぎて難解になりすぎているように感じました。


設定やストーリーに理解が追いつかず、画面に映る主人公(ジョン・デヴィッド・ワシントン)やニール(ロバート・パティンソン)が、今何のために何をしているのかがよく分からないというシーンが少なくありませんでした。何となく見ながら応援してるけど、何やってんだっけ?みたいな(笑)。


多くを語らないスタイルは好きですが、本作の場合、もう少し説明があっても良かったのではないでしょうか。個人的には、『インセプション』くらいの複雑さがちょうど良かったかな。


もちろん、全く話についていけなかったわけではないですし、理解できる範囲で作品を観ても十分に楽しめたのですけどね。


後半になって時間を逆行していくことで、様々な真実が明らかになっていくのはやはり心地よいですね。あの時戦ったのは主人公自身だったとか、キャット(エリザベス・デビッキ)が羨んだ"自由な女性"は彼女自身だったとか、黒幕は主人公自身だったとかね。


ニールの正体なんて、映画ファンなら『ターミネーター』のカイル・リースを思い出す人が多いんじゃないですかね。未来から主人公を守るために遣わされたとか、自分は命を落とすことを察しながらもそれを受け入れて使命を果たすところとか。


ところで、上述のように「あの時の〇〇は、実は未来から来た〇〇だった」みたいな面白さは、普通のタイムトラベルものでもしばしば見られるものではありますね。ノーラン監督には、一度シンプルなタイムトラベルものの映画を撮ってもらいたい気もします。

 


さて、脚本がとてもトリッキーで複雑な本作ですが、アクションシーンもなかなかのものです。格闘シーンにしても、カーチェイスシーンにしても、クライマックスの戦闘シーンにしても、順行と逆行が入り混じるアクションは衝撃的でした(同時に混乱もしましたが笑)。


『インセプション』では、上層の夢の影響を受けて環境(天候や重力)が変化する中でのアクションに度肝を抜かれましたが、それを彷彿とさせる衝撃でした。素晴らしいアクション設計だと思います。


『インセプション』の時にも感じましたが、こんな映画どうやったら思いつくのでしょうね。アイデア発想自体もそうですが、ストーリーにも、アクションにも隙がないのがまたすごいところです。


ノーラン監督は、映画という娯楽を一段上のステージに引き上げていますね。『インセプション』にしても、本作にしても、こんなストーリーの映画、50年前にはありえないでしょう。数々の作品を通して、映画を観る側も成長しているからこそ、こんな複雑な映画を創れるのだろうとも思います。本作の場合は、私にはあと10〜20年早かった気もしますが(笑)。

 

最後に

今回は映画『TENET テネット』の感想でした。これまでのクリストファー・ノーラン監督作品の中でも、最も攻めた実験的な内容。非常に複雑で、一度で全て理解するのは困難な作品でしたが、ノーラン監督の凄さを改めて感じさせる作品でした。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

多趣味を活かしていろいろ発信しておりますので、興味のあるカテゴリーがございましたら他の記事ものぞいていただけると嬉しいです!

はてなブログの方は、読者登録もお願いします!

 

↓ その他のクリストファー・ノーラン監督作品の解説&感想はこちらから

↓ 他の映画の解説&感想もぜひご覧ください!

 

----この映画が好きな人におすすめ----

↓ クリストファー・ノーラン監督の代表作