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映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』解説&感想 クレしんフォーマットで描く戦国ドラマ

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どうも、たきじです。

 

今回は、2002年公開のアニメ映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』の解説&感想です。アニメ『クレヨンしんちゃん』の劇場版としては、前作『嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』に続く第10作にあたります。

 

 

↓ 前作の記事はこちら

 

作品情報

タイトル:クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦

製作年 :2002年

製作国 :日本

監督  :原恵一

声の出演:矢島晶子
     ならはしみき
     藤原啓治
     こおろぎさとみ
     屋良有作
     小林愛
     山路和弘
     宮迫博之
     蛍原徹

上映時間:95分

解説&感想(ネタバレあり)

前作『嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』で、『クレヨンしんちゃん』を大人向けの内容で描くという大胆な挑戦をやってのけ、父母世代を感動の渦に巻き込んだ原恵一監督。引き続き本作でも監督を務め、またもや大人も満足の『クレヨンしんちゃん』に仕上げています。それは、本作が2009年に映画『BALLAD 名もなき恋のうた』として実写化されたことからも明らかでしょう。


本作は、しんのすけ達が戦国時代の春日部にタイムスリップする物語。野原一家は無事に元の時代に戻れるのか、という点を土台にしつつも、又兵衛と廉姫の恋を物語の軸にすることで、戦国ドラマとしての深みを持った作品になっています。


身分の違いがありながら想い合い、互いにそれを心に秘める2人。それに対するしんのすけの眼差し。それらが描けているからこそ、クライマックスの盛り上がりもひとしおです。


勇ましく戦う又兵衛、居ても立っても居られず戦場へと駆け出す廉姫、いったん戦場から離れるも自動車で加勢しに戻る野原一家。それぞれの行動に胸が高まります。


戦シーンの描写も『クレヨンしんちゃん』であることを忘れるほどの迫力があります。さらには、現代のテクノロジーで戦場を駆ける野原一家の様子は、『戦国自衛隊』的な楽しさと、ほどよいコミカルさが良いです。


逃げようとする高虎を、しんのすけが静止し、みさえがしんのすけを守り、ひろしが高虎を倒す。このシーンは見事ですね。感動、笑い、興奮が凝縮されたようなシーンです。


戦に勝利し、大団円かと思われたところで又兵衛が銃弾に倒れるという展開は黒澤明監督の『』を思わせる不条理ですね。『クレヨンしんちゃん』でこれをやってしまうなんて、原恵一監督は本当に肝が据わっています。


又兵衛の死を受けたしんのすけの涙。そしてエピローグでのしんのすけの「金打」(きんちょう)、廉姫の「おい、青空侍」がまた泣かせます。ちょっとした伏線回収でもある各シーンですが、本作を観た人の記憶に強く残るシーンになっています。

 


そんなふうに、大人向けと言っていいほどの戦国ドラマを描いた本作ですが、もちろん子供に向けたギャグシーンも忘れてはいません。


風間くん、マサオくん、ネネちゃん、ボーちゃんの4人にそっくりな子供達(彼らの先祖と思われる)の登場は、タイムスリップものにありがちですが、この扱いは見事でしたね。ボーちゃんを除いて、現代とは真逆の性格に見えた彼らですが、野武士に襲われた結果、現代と同じ性格が露呈します。


ネネちゃんが凶暴な性格に変貌し、マサオくんが「いつものネネちゃんじゃなーい!」というお約束。これに対する、しんのすけの「いつものみんなだ」という台詞が見事に決まって、思わず笑ってしまいました。


さて、本作公開から気がつけば20年以上が経過したわけですが、少し時代の変化を感じたシーンがあります。それは、しんのすけが又兵衛の独身をイジるシーン。しんのすけが、もしかして男が好きなのかと問い、又兵衛が怒るというやりとりは、多様性を尊重する現代ではまず描かれないものでしょうね。


私はこういうのに特別敏感な方ではありませんが、それでも違和感を覚えたことに、時代の変化を感じました。

 

最後に

今回は、映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』の解説&感想でした。『クレヨンしんちゃん』のフォーマットを借りつつ、大人も満足の戦国ドラマに仕上がった名作です。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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