どうも、たきじです。
今回は、2016年公開のアニメ映画『ズートピア』の解説&感想です。
作品情報
タイトル:ズートピア
原題 :Zootopia
製作年 :2016年
製作国 :アメリカ
監督 :リッチ・ムーア
バイロン・ハワード
ジャレド・ブッシュ
声の出演:ジニファー・グッドウィン
ジェイソン・ベイトマン
イドリス・エルバ
ジェニー・スレイト
ネイト・トレンス
J. K. シモンズ
上映時間:108分
解説&感想(ネタバレあり)
動物達が人間のように暮らす世界。大都市ズートピアで初のウサギの警察官であるジュディは、キツネの詐欺師ニックと仲を深めながら、協力して連続行方不明事件を追います。
本作の最大の特徴は、私達の世界における性別や人種への差別や偏見を、うまく動物達の物語に置き換えて描いている点でしょう。
ジュディに対する「ウサギは警察に向かない」、「野菜を作ってればいい」というような扱いとか、努力して警察官になっても駐車違反の取り締まりばかりやらされることなどは、女性に対するバイアスを連想させます。
また、ニックがキツネというだけで信用されず、詐欺師になってしまったとか、肉食動物に対する草食動物の潜在的な恐れなどは、黒人に対する差別や偏見を連想させます。
こうした現実社会における差別や偏見のメタファーをメインストーリーの主軸に据えてまとめ上げた脚本はお見事。こうしたコンセプトの作品としては、完璧に近いレベルのストーリーではないでしょうか。
公開当時は、この素晴らしい脚本に感心する一方で、ポリティカル・コレクトネス的な方向に一気に傾倒していくハリウッドの潮流に辟易する気持ちもいくらかありました。今改めて純粋な気持ちで本作を観れば、より一層この脚本に感動しましたよ。
メッセージ性うんぬんを抜きにしてもとても面白いですしね。とにかくテンポがいいので飽きずに観られます。テンポが落ちるのはナマケモノのシーンくらいでは?(笑)
黒幕の市長をうまくはめるクライマックスもいいですね。ブルーベリーとボイスレコーダーの伏線も効いています。特に、ボイスレコーダーの伏線は丁寧に張られていました。映画序盤でニックの"自供"を録音するシーンでは、しっかりストーリー上で意味のある使い方をされていますし、ジュディとニックが和解するシーンでニックがやり返すことで、伏線回収が一旦成立していますからね。伏線というのを意識させない、"いい伏線"です。
一方、ブルーベリーはややわざとらしかったかな(笑)。
最後に
今回は、映画『ズートピア』の解説&感想でした。私達の世界における差別や偏見を、うまく動物達の物語に置き換え、完璧に近いレベルのストーリーを構築した脚本が光る作品でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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