どうも、たきじです。
今回は2012年公開のアメリカ映画『アルゴ』の解説&感想です。アカデミー賞では7部門でノミネートされ、作品賞、脚色賞、編集賞を受賞しています。
作品情報
タイトル:アルゴ
原題 :ARGO
製作年 :2012年
製作国 :アメリカ
監督 :ベン・アフレック
出演 :ベン・アフレック
ブライアン・クランストン
アラン・アーキン
ジョン・グッドマン
テイト・ドノヴァン
クレア・デュヴァル
クリストファー・デナム
上映時間:120分
解説&感想(ネタバレあり)
1979年、イラン革命により失脚したパーレビ国王は、アメリカに亡命。アメリカがパーレビを受け入れたことに対し、イランではアメリカ大使館を取り囲む抗議デモが発生。暴徒化した民衆は大使館を占拠し、52人の大使館員らを人質にして、アメリカにパーレビの引き渡しを要求します。
この時、密かに大使館を脱出した6人の大使館員は、カナダ大使の私邸で匿われます。これを受け、CIAのメンデス(ベン・アフレック)は、6人の救出作戦を立てます。それは、6人は映画製作者で、『アルゴ』という架空のSF映画のロケハンのために訪れたカナダ人であると偽装してイランを出国させるというというものでした。
本作はそんなストーリー。前代未聞の救出作戦を成功させたメンデスの奮闘をスリリングに描いた、実話に基づくサスペンス映画です。
前半は、作戦の準備が描かれます。リアリティを出すために、実際に製作会社を立ち上げ、脚本や絵コンテを用意し、宣伝まで行うなど、リアリティを出すための偽装が面白いです。
作戦のために架空の映画製作に協力するプロデューサーのシーゲルや、メイクアップ・アーティストのジョン・チェンバース(『猿の惑星』のメイクアップで知られる)がそれぞれいいキャラで、スリリングな物語の中でいくらかのユーモアを提供してくれます。それぞれアラン・アーキンとジョン・グッドマンという巧い役者が演じているのも奏功しています。
この前半においても、カナダ大使私邸の家政婦が6人が外出しないことを怪しむシーンだったり、大使館の人質が処刑されそうなシーンだったり、シュレッダーで裁断された大使館員の写真を子供達が繋ぎ合わせるシーンだったりが挿入されることで、スリルが絶えません。掴まれば公開処刑されるということが示唆されていることで、なおさらスリルが高められています。
後半になると、スリルはさらに極まります。実話なので作戦が成功することは分かっているのに、凄まじい緊張感です。特に出国当日は、ピンチの畳み掛けを効果的な編集でテンポ良く演出し、終始緊張しっぱなしです。
いったん作戦が中止され、航空券がキャンセルされていたり、入国審査の時の白い用紙が無かったり、別室に連れていかれたり——。証明書、絵コンテ、雑誌の記事、製作会社と、事前の準備が功を奏してピンチを切り抜けるのが痛快です。まあ、ぎりぎりセーフが続きすぎるのが、「映画」を意識させてしまう面はあるのですけど。それでも、実話を元に映画としていい塩梅で脚色されているとは思いますけどね。
無事にイランを出国したメンデスと6人。飛行機の離陸の瞬間に歓喜するのではなく、その後の「ただいまイランの領空を出ましたのでアルコールを提供できます」というアナウンスで歓喜するのがいいですね。カタルシスがたまりません。メンデスがイランに入国する際に、イラン領空に入ったタイミングでアルコールを下げられるシーンが、さりげなく伏線として効いています。
本作で製作、監督、主演を務めたのはベン・アフレック。1997年公開の『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』で、盟友のマット・デイモンと共に20代でアカデミー脚本賞を受賞した後、多くの大作映画に出演するものの、彼自身はあまり評価されない時代が続いていた印象です(順調にキャリアを重ねるマット・デイモンとは対照的)。そんな彼が本作で再びアカデミー賞受賞(作品賞)ですから、分からないものですね。
最後に
今回は映画『アルゴ』の解説&感想でした。実話を元に映画としてうまく脚色され、とにかくスリリングな一作。何となくしか理解していなかったアメリカとイランの関係、長年の確執を理解する助けにもなる作品でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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