映画『ニュー・シネマ・パラダイス』解説&感想 映画ファンの心をつかんで離さない名作

どうも、Takijiです。

 

今回は映画『ニュー・シネマ・パラダイス』の解説&感想です。映画ファンの心をつかんで離さない名作映画です。

 

作品情報

タイトル:ニュー・シネマ・パラダイス

原題  :Nuovo Cinema Paradiso

製作年 :1988年

製作国 :イタリア、フランス

監督  :ジュゼッペ・トルナトーレ

出演  :フィリップ・ノワレ

     ジャック・ペラン

     サルヴァトーレ・カシオ

     マルコ・レオナルディ

     アニェーゼ・ナーノ

 上映時間:155分

     124分(国際版)

     170分(ディレクターズカット版)

 

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解説&感想(ネタバレあり)

駆け足な印象の国際版

本作は編集の違いで3つのバージョンがあります。本国で公開された155分のオリジナル版、海外向けに再編集した124分の国際版、そして170分のディレクターズカット版です。20年近く前にディレクターズカット版を見て以来、久々の鑑賞で、今回は国際版を鑑賞しました。


前に見たディレクターズカット版の記憶もかなり薄れているので、こちらとの違いについての詳細は他にお譲りすることにします。個人的な印象としては、ディレクターズカット版はトト(サルヴァトーレ・カシオ→マルコ・レオナルディ→ジャック・ペラン)の人生物語という部分がもっと色濃く出ていたような気がしますが、国際版は46分も短いこともあって、映画館の思い出やアルフレード(フィリップ・ノワレ)との友情が物語の中心になっている印象です。


ディレクターズカット版がどうだっかはいったん切り離して、国際版の正直な感想を述べますが、トトの人生物語として見ると、やや描写が薄っぺらく見えました。青年期のトトのエレナ(アニェーゼ・ナーノ)との初恋物語は、まるでダイジェストのようで、フラれた、思いが通じた、付き合った、遠距離になって寂しい、戻ってきた、入隊した、音信不通と、駆け足でざっと過ぎ去っていきました。


アルフレードが映画の名台詞を引用してトトを導く言葉は心に残りますが、それを聞いたトトがどう感じ、何を思って村を出たのかが、今ひとつつかみきれませんでした。


こうしたところがもっと丁寧に描かれていれば、あの素晴らしく美しいラストシーンの見え方も変わってきそうですが、これを求めるならやはりディレクターズカット版を見直すべきなのでしょう。

 

他に類を見ない郷愁的作品

一方で、映画館の思い出を郷愁的に描いた作品として見れば、本作ほど素晴らしい作品は他にないでしょう。惜しくも7月に他界したマエストロ、エンニオ・モリコーネの美しい旋律も相まって、映画ファンの心を揺さぶります。


スクリーンを見つめて喜怒哀楽する人々、眠る人、欲情する人、見つめ合う2人…。映像が縦にズレたり、ボケたり、シーンが途切れたり、フィルムが燃えたり…。映画館に客が殺到し、入り切れない客のために、屋外の壁に映像を投影したり…。そんな人間模様や、現代の映画館ではまず見られないエピソードの数々が郷愁を誘います。


また、上でも触れましたが、反則技とも言える美しいラストシーンは、これまでにYouTubeで何十回も見てます(笑)。映画史上最も美しい3分間と言っても過言ではないでしょう。ちなみにここでも流れる愛のテーマは、エンニオ・モリコーネの息子のアンドレア・モリコーネの作曲です。

 

"映画館愛"

本作はしばしば"映画愛溢れる作品"などと形容されますが、厳密には"映画愛"というより"映画館愛"でしょう。上述のような郷愁を誘うシーンは、映画そのものではなく映画館にまつわるものです。


作中で、村唯一の娯楽だった映画はやがてテレビに取って代わられ、映画館は閉館してしまいます。同じことはこの村に限らず世界中で起こったことだと思います。


現代に目を移すとどうでしょう。娯楽の多様化によって、今度は娯楽としてのテレビの地位も危うくなっています。その直接の競合であるのが動画配信であり、その人気コンテンツの一つが映画であることを考えると、これはテレビに対する映画の逆襲と見ることもできます。


しかし、映画館にとっては、これも喜ばしいことではありません。動画配信は映画館にとっても競合になりますし、新作映画でさえ映画館ではなく動画配信で公開される作品も増えています。一般家庭のテレビもどんどん大型化するなど、映画館の逆風は増えるばかりです。


近年、多くのミニシアターが姿を消し、シネコンへの集約が進んでいます。こうした流れはやや寂しくもありますが、快適性や利便性を高め、映画館という文化を存続させるためには必要な流れと言えるでしょう。

 

本作を語る上で、郷愁、ノスタルジーと言ったワードは欠かせませんが、シネコン世代あるいは動画配信世代からすると、"郷愁を誘う映画"というよりも、"歴史を描いた映画"に変わりつつあるのかもしれません。

 

動画配信では、周りを気にせずに、好きなタイミングで観られて、観終わった後に「あのシーンってどうだっけ?」と見返すことができるなど、映画館にはない魅力が多いです。一方の映画館では、大画面で映画に入り込む没入感、そして何より、周りの人と同じスクリーンを見つめて、気持ちを共有できるところが魅力でしょう。

 

こうした魅力がある限り、映画館という文化は存続すると信じています。本作で、目を輝かせてスクリーンを見つめ、共に笑い、共に泣く人々を見て、そんなことを思いました。

 

最後に

今回は映画『ニュー・シネマ・パラダイス』の解説&感想でした。エンニオ・モリコーネの美しい旋律に乗せて、映画や映画館への愛情をたっぷり描いた、郷愁的な作品でした。この作品を撮った時のジュゼッペ・トルナトーレ監督は30そこそこというのが未だに信じられません。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

 

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