どうも、たきじです。
今回は、2001年公開のピクサーのアニメ映画『モンスターズ・インク』の解説&感想です。
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作品情報
タイトル:モンスターズ・インク
原題 :Monsters, Inc.
製作年 :2001年
製作国 :アメリカ
監督 :ピート・ドクター
声の出演:ジョン・グッドマン
ビリー・クリスタル
メアリー・ギブス
スティーヴ・ブシェミ
ジェームズ・コバーン
ジェニファー・ティリー
ボブ・ピーターソン
ジョン・ラッツェンバーガー
上映時間:94分
解説&感想(ネタバレあり)
本作の舞台はモンスターたちが暮らす世界。この世界では、人間の子供たちの悲鳴がエネルギー源となっており、そのエネルギーを収集する大企業「モンスターズ・インク」が物語の中心となります。モンスターたちは、子供部屋に通じる特別なドアを使って人間の世界に行き、悲鳴を集めます。なんとも独創的で興味深い設定が魅力的です。
人間ではなくモンスターが主人公となると、そのキャラクターデザインが物語を支える大きな要素となってきます。人間のキャラクターに比べてモンスターのデザインは、クリエイティブな自由度が極めて高いですからね。
目、鼻、口、手、脚といった体のパーツは、数も形も大きさも、基本的に何でもあり。体の色も何でもあり。質感だって、ヌメヌメなのか、ツルツルなのか、毛むくじゃらなのか、何でもありです。
本作の主人公はサリーとマイク。
サリーは、モンスターズ・インクでナンバーワンの怖がらせ屋でありながら、実際は非常に温かく優しい心を持ったキャラクター。大柄で屈強な体型、されど温かみのある毛むくじゃらな体。サリーの相棒のマイクは、陽気でコミカルで、とてもエネルギッシュなキャラクター。丸っこい体と細い手足、大きな目。
いずれもキャラクターを見事に表現したデザインです。そして何より親しみのある愛くるしさも兼ね備えています。こうしたキャラクターデザインが作品の色を決めてしまいますから、もしかしたら、ストーリーより重要かもしれません。その点、本作は十分に成功していると言えるのではないでしょうか。
それを表現したCGも素晴らしいんですよね。現在の最新のCGに比べると古さは否めないものの、当時のCG技術としては最先端。特にサリーの毛は、一本一本が細かく描かれ、風に揺れる様子や光の反射などがリアルに表現されていました。公開当時、製作者の自信が伝わってくるようでしたよ。
一方、人間の顔の表現はまだまだでしたね。最近の3DCGアニメは、人間のキャラクターを適度にデフォルメしたデザインで、表情も極めて自然ですが、この頃はまだ中途半端に人間的。いわゆる"不気味の谷"に落ちかけているような感じでした。
さて、本作の1番の見どころはやはりクライマックスですね。人間の世界のヒマラヤに追放されてしまったサリーとマイクが、子供部屋のドアを通じてモンスターズ・インクに戻るシーンから一気にストーリーが盛り上がります。
そして、ランドールとの対決。大量に流れるドアにぶらさがりながらのチェイスはスリル満点。時にドアの先の人間の世界を行き来しながら繰り広げられるアクションは見事なもの。最後に黒幕の社長をうまく嵌めるのも痛快です。
ラストは感動的です。一度はバラバラに壊されたブーの部屋に通じるドア。マイクはサリーのためにこの破片を繋ぎ合わせてドアを直します。サリーがブーとの思い出として大切に持っていたドアの最後のピースをはめて、ドアがブーの部屋に繋がります。ブーの顔は映さず、サリーを呼ぶブーの声とサリーの笑顔で締めるのもいいですね。しんみりといい結末でした。
今回、日本語吹替版で鑑賞しましたが、なかなか完成度の高い吹替でした。サリー役がホンジャマカの石塚英彦さん、マイク役が爆笑問題の田中裕二さんという、芸人のキャスティング。特にマイクを陽気でコミカルに演じた田中さんの演技は素晴らしいですね。どういう経緯で田中さんに目をつけたの分かりませんが、このキャスティングは見事でした。本職の声優ではない彼らの演技がここまでハマるとは驚きでしたが、これは非声優のキャスティングが成功した好例と言えるでしょう。
最後に
今回は、映画『モンスターズ・インク』の解説&感想でした。傑作とまでは行かないものの、魅力的なキャラクターデザインやクライマックスのアクション、感動的なラストシーンなど、全体として十分に満足できる作品でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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