映画『アベンジャーズ／エイジ・オブ・ウルトロン』解説＆感想　不満も多いが十分楽しめる作品

出演　　：ロバート・ダウニー・Jr
　　　　　クリス・ヘムズワース
　　　　　マーク・ラファロ
　　　　　クリス・エヴァンス
　　　　　スカーレット・ヨハンソン
　　　　　ジェレミー・レナー
　　　　　ドン・チードル
　　　　　アーロン・テイラー＝ジョンソン
　　　　　エリザベス・オルセン
　　　　　ポール・ベタニー
　　　　　コビー・スマルダーズ
　　　　　アンソニー・マッキー
　　　　　ヘイリー・アトウェル
　　　　　イドリス・エルバ
　　　　　リンダ・カーデリーニ
　　　　　ステラン・スカルスガルド
　　　　　キム・スヒョン
　　　　　トーマス・クレッチマン
　　　　　アンディ・サーキス
　　　　　ジェームズ・スペイダー
　　　　　サミュエル・L・ジャクソン

上映時間：141分

解説＆感想（ネタバレあり）

本作は、人工知能ウルトロンが自我を持ち、人類の根絶を目指すという展開が中心となりますが、このプロット自体は、SF映画では使い古されたテーマです。そのため、どうしても少し陳腐に感じてしまい、物語に入り込みづらいところがあります。

それに本作、いろいろ詰め込み過ぎて処理しきれていない感もありますね。全体的に物語がやや散漫に感じられました。例えば、ワンダによってアベンジャーズのメンバーが幻を見せられ、トラウマを掘り起こされるという展開。この展開は、キャラクターの内面に触れる良い機会にも見えますが、その後は特に深掘りされることはなく中途半端な印象を受けます。それに関連して、ソーが洞察の泉に訪れるという展開も、あまりに慌ただしくて消化不良の感があります。

そして、今回かなり時間を割いて描かれるのが、バナーとナターシャの関係。これに限っては、処理しきれていないとは言いませんが、個人的に乗らないというか、そういうのは求めていないというか…。

と、まあいろいろと不満も感じながら観ていましたが、なんだかんだアクションシーンは楽しいですし、クライマックスは盛り上げてくれることは確信していましたから、退屈することなく観ていました。

その期待通り、クライマックスは楽しめました。ただ、こちらも不満がなかったかと言えば嘘になります。アベンジャーズのメンバーそれぞれの持ち味を活かして戦う様子は前作同様に楽しいですが、演出面では前作を上回るような新鮮さや驚きは少なく、ややマンネリ感も否めません。数秒間のスローモーションでメンバーそれぞれの活躍映すカットも、そんなに映えないというか、あまりかっこよく決まっていない印象です。

それに、前作以上にキャラクターが多いので、各シーンで順番に彼らの活躍を描いていくと、登場するインターバルが長くなり過ぎるキャラクターが出てきてしまいます。「そう言えばあいつは今どこで何してんだっけ？」という状況が何度か起こってしまいました。

さて、本作では、『キャプテン・アメリカ／ウィンター・ソルジャー』のポストクレジットシーンで登場したワンダ／スカーレット・ウィッチとピエトロ／クイックシルバーが本格的に登場します。当初はアベンジャーズと敵対しつつも、後に共に戦う役柄で、それぞれ魅力的に描かれています。

ワンダは念動力で戦う姿がビジュアル的に非常に映えます。やたらと胸元が主張する衣装もセクシーですね（笑）。

ウルトロンとの戦いで一度は心が折れたワンダですが、彼女を励ますホークアイの台詞は印象に残ります。

Doesn't matter what you did, or what you were.

君がやったことも、君が何者かも関係ない。

If you go out there, you fight, and you fight to kill.

外に出たら、戦うんだ。倒すために戦うんだ。

Stay in here, you're good, I'll send your brother to come find you.

ここに残るなら安全だ。兄貴を迎えに来させてやる。

But if you step out that door, you are an Avenger.

だが一歩外に出たら、君はアベンジャーズだ。

この台詞があるからこそ、後にワンダが再び戦いに参加するシーンが一層盛り上がるんですよね。

ワンダを演じるのはエリザベス・オルセン。私の世代だとドラマ『フルハウス』でミシェルを演じたオルセン姉妹のさらに下の妹と言われるとしっくり来ます。顔も似てますね。姉妹の方は今やすっかりファッションの世界の人間ですね。

クイックシルバーは本作の前年公開の『X-MEN: フューチャー&パスト』（本作とは関係ない）にも登場し、脇役ながら強烈な印象を残しましたが、本作でもいいですね。超高速で移動するというのが非常に映えます。本作で死んでしまうのが惜しいところです。

超高速で動くクイックシルバーの視点で、周りがゆっくり動くように表現する演出がとても面白いので、この演出をもっと見たかったところですが、これはX-MENの方でたっぷりやっていたから避けたのかもしれません。

演じるのはアーロン・テイラー＝ジョンソン。2010年公開の映画『キック・アス』ではスーパーヒーローに憧れるオタクを演じた彼が、本作で正真正銘のヒーローになっています。

最後に

今回は映画『アベンジャーズ／エイジ・オブ・ウルトロン』の解説＆感想でした。前作と比べるとやや不満が残る部分も多いですが、十分に楽しめる作品でした。余談ですが、MCU作品にしては珍しくエンドロール後のポストクレジットシーンが無いのはちょっと寂しかったです（サノスが登場するミッドクレジットシーンはありましたが）。

最後までお読みいただき、ありがとうございました！！

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