どうも、たきじです。
今回は2006年公開のアメリカ映画『X-MEN: ファイナル ディシジョン』の解説&感想です。『X-MEN2』に続く、X-MENシリーズの第3作です。
↓ 前作の解説&感想はこちら
作品情報
タイトル:X-MEN: ファイナル ディシジョン
原題 :X-Men: The Last Stand
製作年 :2006年
製作国 :アメリカ
監督 :ブレット・ラトナー
出演 :ヒュー・ジャックマン
ハル・ベリー
イアン・マッケラン
ファムケ・ヤンセン
パトリック・スチュワート
アンナ・パキン
ケルシー・グラマー
ジェームズ・マースデン
レベッカ・ローミン
ショーン・アシュモア
アーロン・スタンフォード
エリオット・ペイジ
ダニエル・クドモア
ベン・フォスター
マイケル・マーフィー
ヴィニー・ジョーンズ
上映時間:105分
解説&感想(ネタバレあり)
ミュータントの能力を無効化させる"治療薬"(キュア)が開発され、それに反発する一部の過激なミュータントたちと人間との間で抗争が勃発するというのが本作のプロット。そこに、フェニックスとして暴走するジーン・グレイの物語を絡め、うまくストーリーがまとめられています。
本作は3部作の最終章ということで、最終回的な展開の連続。シリーズ通して敵ながら大活躍だったミスティークは能力を失ってしまいますし、ローグは自らその能力を捨て、プロフェッサーやサイクロップスは命を落とすなど、切ないシーンが続きます。サイクロップスなんて、結局シリーズ通して大した見せ場のないままでした。
ストーリー展開は前作ほどの高揚感はなく、一本調子な感じがありました。とは言え、やはりクライマックスにかけては見応え十分です。
やはり本作でもマグニートーの存在感が光っています。護送車を襲撃するシーンでもその能力を存分に発揮しますが、終盤ではなんとゴールデン・ゲート・ブリッジを動かすという驚愕の力を見せつけます。また、中盤では決起したミュータントたちの前で演説まで披露し、そのカリスマ性を発揮しています。
クライマックスでは多様なミュータントたちが各々の能力を駆使して戦い、本シリーズに共通する楽しいアクションを披露しています。壁をすり抜けるシャドウキャット(キティ)と壁を破壊して進むジャガーノートの対決、氷を操るアイスマン(ボビー)と炎を操るパイロの対決など、状況設定が面白くて観客を飽きさせません。
特筆すべきは、フェニックス(ジーン)とウルヴァリン(ローガン)の対峙。暴走して破壊の限りを尽くすフェニックスと、体を破壊されながらも再生しながら歩みを進めるウルヴァリン。最後のウルヴァリンの決断を含め、切なさが極まるシーンです。
このシーンのウルヴァリンの体の破壊と再生や、一瞬で体を破壊される人々の視覚効果は、公開当時結構印象的でした(今観ると『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の消滅のエフェクトと似てる)。本シリーズの視覚効果は、『ターミネーター2』、『マトリックス』、『ロード・オブ・ザ・リング』のように時代を作った新技術とまでは行かないものの、総じてレベルは高く、本シリーズを支えてきたと言えるでしょう。
一方で、キュアの開発の根源である少年がアクションに関わってこないのは惜しいところ。彼に近づくとミュータントの能力が消えるという設定をうまく組み入れると、さらに多彩なアクションが展開できたのではないかと思ってしまいます。
また、エンジェル(ウォーレン)がストーリー上でフィーチャーされている割には活躍が限定的なのも惜しいですね。確執があった父親のピンチを救うというシーンは見せ場ですが、そのワンポイントだけですからね。
エピローグもちょっと不満。キティとストームがジーンたちを墓前で弔い、ボビーはローグに触れられて、学園は再開して、マッコイが国連大使になってハッピーエンド。みたいなさらっとしたエピローグ。ただ"その後"を描くだけではなく、もうちょっと今回の一件を受けた総括的な内容が欲しいところです。
それに、前二作で描かれた「ウルヴァリンのアイデンティティの探求」といった要素も本作にはほとんどなく、エピローグでも触れられないので、完全に宙浮いたまま終わってしまいました。これも残念なところです。
一方のラストシーン。能力を失ってチェス盤の前に座るマグニートーが駒に手をかざすと、わずかに駒が揺れてエンドロールへと続きます。3部作の完結編に当たる本作ですが、余韻を残すこのラストシーンは好きです(プロフェッサーXの復活を示唆するポストクレジットシーンを含め)。当時劇場で鑑賞しましたが、劇場がざわついた記憶があります。
最後に
今回は映画『X-MEN: ファイナル ディシジョン』の解説&感想でした。3部作の最終章として、クライマックスの盛り上がりは十分に楽しめましたが、一部のキャラクターの扱いや、あっさりし過ぎのエピローグに、やや不満の残る作品でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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