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映画『アポロ13』解説&感想 ドラマティックに描かれる"栄光ある失敗"

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どうも、たきじです。

 

今回は1995年公開のアメリカ映画『アポロ13』の解説&感想です。1970年に起こったアポロ13号の事故の実話を映画化した作品です。

 

 

作品情報

タイトル:アポロ13

原題  :Apollo 13

製作年 :1995年

製作国 :アメリカ

監督  :ロン・ハワード

出演  :トム・ハンクス

     ケヴィン・ベーコン

     ビル・パクストン

     ゲイリー・シニーズ

     エド・ハリス

     キャスリーン・クインラン

 上映時間:140分

 

あらすじ

アポロ11号のニール・アームストロングが降り立った月を複雑な想いで見上げていたジム・ラヴェル(トム・ハンクス)。彼と2人のクルーは、アポロ11号に遅れること9か月、月面着陸を目的として月へ向かいます。しかし、酸素タンクが損傷し酸素漏れが発生したことから、目的は無事に地球に帰ることに変わります。


本作は、そんな極限の状態で、地球に無事に帰還するために奮闘するラヴェルら宇宙飛行士達と、彼らを帰還させるために奮闘するNASAのスタッフ達、そして彼らの帰還を信じて待つ家族達を描きます。

 

解説&感想(ネタバレあり)

優れた構成

華のある宇宙飛行士に人々の目は行きがちですが、本作は現場で奮闘する飛行士3人のみならず、世間には名を知られていないNASAの裏方スタッフ達の活躍もしっかり描いているのが良いですね。私も理系の人間なので、こういうのは嬉しいところです。


一つの異常をきっかけとして、彼らは次々に問題に直面します。そしてその度に、工夫と忍耐でそれを乗り越えていく様に、ぐいぐい引き込まれ、感動させられます。


そうしたメインプロットに加え、地球でラヴェルの帰還を待つ家族の描写が適度に挿入されるのも良いです。


アポロ13号の故障を聞き、「ドアが壊れたの?」(過去にドアの故障による死亡事故があったという会話を受けて)と不安を口にする幼い息子。庭先に集まるマスコミを巡る会話で「文句があるなら主人が聞くわ。金曜には戻るから」と気丈に言い放つ妻。「たとえ洗濯機に乗って空を飛んでも、ジムは帰ってくるわ」と冷静に語る母。


ラヴェルの家族のこうした台詞の数々は、極めて映画的でフィクションぽくはありますが、とてもいい味付けになっています。


このように本作は、飛行士、NASAのスタッフ、ラヴェルの家族という三者それぞれのシーンをバランス良く配しており、その構成はなかなかに優れています。

 


ラヴェルの月への想い

また、映画が本格的に動き出す打ち上げシーンまでのストーリー運びにも無駄がありません。11号の月面着陸の夜、13号での月行き決定、クルーの交代劇までをテンポ良く描き、その中でラヴェルの月への想いをしっかり描いています。


これがしっかり描かれているからこそ、あれほど月面着陸に憧れたラヴェルがそれを断念し、ただただ無事に帰ることを目的として奮闘する姿の重みが増しています。


私がとりわけ好きなシーンは、アポロ11号が月に降り立ったラヴェルが、片目を閉じて月に親指をかざすシーン。月への想いが溢れたこのシーンは中盤への伏線にもなっています。月を周回して地球へと方向を変えたアポロ13号から、ラヴェルはこの時と同じように、片目を閉じて今度は地球に親指をかざすのです。


そして、冗談めかして「このまま月に降りて探査したいよ」と言うクルーに対して、ラヴェルは「それは本音か?僕は帰りたい」と言い切ります。冒頭のシーンでの月への想いと同様に、このシーンでは家族の待つ地球への想いが溢れています。


歴史映画とも言える本作ですが、このようなスマートな脚本によって、娯楽性と深みを兼ね備えたドラマティックな作品に仕上がっていると言えるのではないでしょうか。

 


当時の最先端の映像表現

宇宙の映画というと、1968年公開の『2001年宇宙の旅』の時代から、人々を驚かせるような映像表現が磨かれてきたわけですが、個人的には2013年公開の『ゼロ・グラビティ』で行くところまで行ったと思っています。


本作はその間の1995年公開。『ゼロ・グラビティ』ほどの素晴らしい映像表現はもちろん無いにせよ、打ち上げシーンや船内の無重力の表現は違和感がありません。時代時代の最先端の技術というのは、なかなか色褪せないものですね。


キャストの好演

本作は、1993年の『フィラデルフィア』、1994年の『フォレスト・ガンプ/一期一会』で2年連続でアカデミー主演男優賞を受賞したばかりのトム・ハンクスが主演し、ケヴィン・ベーコンゲイリー・シニーズビル・パクストンエド・ハリスと、渋い名バイプレイヤー達が脇を固めるという豪華キャスト。それぞれが"らしい演技"で魅せてくれます。

 

このような豪華キャストの中にあって、ラヴェルの妻マリリンを演じたキャスリーン・クインランはややネーム・バリューが劣りますね。それでもラヴェルの帰還を信じて気丈に待つマリリンを好演しており、存在感を十分に示していました。ちなみに彼女は、端役ではありますが、俳優時代のロン・ハワード監督と『アメリカン・グラフィティ』で共演しています。

 

最後に

今回は映画『アポロ13』の解説&感想でした。彼らは、考えようによってはトラブルが起きて何もせず帰ってきただけ。それでも、この出来事が"栄光ある失敗"と呼ばれ、人々が熱狂的に彼らを迎えた訳がよく分かる作品でした。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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