どうも、たきじです。
2022年6月11日公開の映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』を観てきました!ドラゴンボールの映画としては『ドラゴンボール超 ブロリー』以来、4年ぶりの新作となります。
客層はやはりドラゴンボール世代ど真ん中の30代くらいの男性が多かったですが、子供連れも結構いましたね。女性は少なかったです。
本作は、ドラゴンボールの主人公である孫悟空ではなく、ピッコロと孫悟飯を主軸としたストーリーになっています。
作品情報
タイトル:ドラゴンボール超 スーパーヒーロー
公開日 :2022年6月11日
製作国 :日本
監督 :児玉徹郎
声の出演:野沢雅子
久川綾
古川登志夫
堀川りょう
草尾毅
田中真弓
皆口裕子
入野自由
神谷浩史
宮野真守
ボルケーノ太田
竹内良太
上映時間:99分
新キャラクターの名前について
ドラゴンボールのキャラクター名は、何かをもじって付けられるのが定石です。
レッドリボン軍のキャラクターの場合は色にちなんで付けられます。マゼンタ、カーマインも色の名称そのままです。それぞれが着ているスーツの色が自身の名前になっています。いずれも赤系の色ですね。
レッド総帥の孫であるマゼンタが赤系なのは分かりますが、側近のカーマインは赤系ではない別の色でも良かった気がしますけどね。マゼンタはプリンタのインクの色でお馴染みの色料の三原色の一つですから、同じ三原色の一つであるシアンとかでも良かったんじゃないかな?(残り一つの三原色であるイエローは原作のイエロー大佐で使用済み)
Dr. ヘドはDr. ゲロの孫ですから、嘔吐物に由来します。Dr. ゲロの名前の由来は、原作時点でははっきりしていませんでしたが、息子がゲボで孫がヘドという後付けによって、嘔吐物由来で確定してしまいましたね。
ガンマ1号&2号は何でしょうね。ガンマというとギリシャ文字でアルファ、ベータに続く3番目の文字ですから、Dr. ゲロから数えて3代目のDr. ヘドによる人造人間だからかもしれませんね。
感想(ネタバレあり)
ややぎこちない脚本
正直なところ本作の前半のストーリー運びはぎこちない印象を受けました。色々とキャラクター紹介が必要なのは分かりますが、冗長になってしまっていますね。主要キャラクターが登場しないまま、マゼンタ、カーマイン、Dr. ヘドだけのシークエンスとして描くには話が長すぎです。
ようやく半年後のシーンに飛んで、ピッコロ達が登場するのはいいものの、今度はビルスの元で修行する悟空やベジータ達を描くシークエンスが長々と続きます。
ドラゴンボールの主人公である悟空を描きたい気持ちは分かるのですが、本作のストーリーに全く乗らない彼らをここまで尺を使って描く必要がありますか?クライマックスでピッコロや悟飯達の闘いに加勢するなら分かるんです。あるいは、ベジータが悟った、無駄のない動き(だったかな?)の重要性に、悟飯が気付いて覚醒するとかね。そういうメインストーリーとのつながりがないのなら、こんなに長々と一続きに描いてはダメですよ。
悟空の闘いを見せたいなら、オープニングバトルとして見せる方法もあったんじゃないかな。007シリーズに代表されるように、映画冒頭でいきなりアクションシーンで始めるパターンです。映画の最初と最後で悟空達を描くという形ですね。
まあ、それは素人のつまらない提案に過ぎませんが、少なくともここでブロリーを登場させる必要はないんじゃないですか。しかも、ビルスがチライを気に入るとか無駄な設定も加えてしまいましたね…
個人的に1番のツッコミどころだったのは、レッドリボン軍によるパンの誘拐をピッコロが率先して行うことですね。ガンマ1号&2号の実力が分かっているのに、悟飯の潜在能力を引き出すことに執着してパンを危険に晒すなんて、非道でしょう(笑)
原作のセルゲームで悟飯を覚醒させるために悟空が悟飯を追い込むのを見て、悟空を一喝したのは他ならぬあなたでしょうよ、ピッコロさん(笑)
CGによるバトルシーンの表現
前作『ブロリー 』はレトロな作画が印象的でしたが、本作は一転、CGによる表現になっていますね。前作のバトルシーンは素晴らしい出来でしたが、本作もまた違った表現で迫力のバトルシーンを描いていました。
個人的には、悟飯とガンマ1号の、雨の中での闘いが気に入りました。これはCGならではの表現ですね。
映画において、雨の中で闘うというと、どうしても黒澤明の『七人の侍』の模倣と見られるのが常。『七人の侍』を意識したストーリー展開の、ピクサー映画『バグズ・ライフ』でも、闘いのシーンでは雨を降らせていました。
本作では、どちらかと言えば雨は表現上の味付けに過ぎず、『七人の侍』ほど、雨を闘いの演出として生かしきれていない感はありますが、悟飯が覚醒することで雲が吹き飛び、空が晴れるという演出は大好きです。
ガンマ1号&2号とセルマックス
ガンマ1号と2号のデザインは個人的に嫌いじゃないです。シンプルでありながら鳥山明らしいカッコいいデザインだと思います。敵キャラとして登場するものの、スーパーヒーローとして作られたらしく、ヒーロー然としているのがいいですね。
最初のピッコロvsガンマ2号の闘いでは、ガンマ2号の攻撃のたびにアメコミ風の文字が出るのが面白いです。ピッコロの「なぜ文字が出るんだ?」という台詞にも笑ってしまいました。
ピッコロや悟飯との誤解が解けて共闘する展開はなかなかに胸熱です。セルマックスに対し、身を挺して敵を倒そうとするガンマ2号の奮闘にも涙です。まあ、もっとピッコロや悟飯達とのコンビネーションが見たかったところではありますが。
一方のセルマックスはどうでしょうね。映画公開まで伏せられていたサプライズの一つですが、そこまでの魅力は感じられませんでした。
それはやはり台詞もなくひたすら暴走するという役回りのせいでしょうね。キャラ付けが全くされないのでつまらないのです。映画『ドラゴンボールZ 超戦士撃破!!勝つのはオレだ』に登場したバイオブロリーと同じです。台詞がなく叫ぶだけなら、若本規夫さんの無駄遣いですよ。
セルの第二形態ベースだから、ガンマ1号&2号とか18号を吸収するのかと思いましたが、そうではありませんでした。尻尾の先は吸収のための針みたいのじゃなくて鉄球みたいになってましたね(笑)
第二形態ベースなのは、単に脳が完全体に至ってない状態で復活させられてしまったからということでしょう。
オレンジピッコロ…
本作のもう一つのサプライズが、ピッコロの覚醒です。オレンジピッコロなんて名付けられていますが、このビジュアルもネーミングも、どうなんでしょう…。あまりカッコよくない…。
いかにも悪そうな顔なんですよね。しかもその覚醒の理由が"神龍のおまけ"というのがね…。どうせなら「神龍によって潜在能力を引き出されたことで、内に秘めていた魔族の力が湧き上がった」とか、そんな設定の方が良かったかも。暴走する魔族の力と、暴走するセルマックスの闘いです。暴走同士で収拾がつかないか(笑)
でも、そんな設定の方が、「ヒーローがヴィラン?ヴィランがヒーロー?」的な本作の要素にもハマる気がしました。
クライマックスの闘い
総力戦となるラストバトルはやはり力が入りました。上述のように、ガンマ1号&2号の奮闘は見所です。率先してセルマックスに挑んでいきますからね。ここで、悟飯が仙豆を落とすくだりは、この流れをぶつ切りにしてしまうので不要でしょう。
一方で、悟天とトランクスがフュージョンに失敗するくだりは、シリアスなバトルの中でのほどよいコメディリリーフとしてうまく作用していました。失敗したままでずっと闘うというのは新しいですね。
クリリンも、気円斬や太陽拳で応酬する見せ場が与えられていました。
やはり闘いの中心となるのはピッコロと悟飯。原作では一度しか出番のなかったピッコロの巨大化を出したのは面白いところ。急にウルトラマンのような特撮映画の構図になりました(笑)
ピッコロが腕を失うのもお約束。再生できる分、腕が脆い説ありますね(笑)。そう言えば、セルマックスはガンマ2号の攻撃によって片腕を失いましたが、セルマックスもピッコロ大魔王の遺伝子を持っているので再生できるはずですね。まあ、セルの第1形態がそうであったように、自分で気付いていないのでしょうね。
ピッコロがセルマックスにやられて白目剥いているのを見て悟飯は覚醒したわけですが、すぐにピッコロは腕を伸ばして悟飯の闘いをフォローしていました。もしかして白目剥いていたのも悟飯を覚醒させるための芝居なんじゃ…(冗談です)
最後に悟飯が魔貫光殺砲を使うのは熱いところです。こっそり練習していたというのもいいじゃないですか。ラディッツ戦の如く、ピッコロごと貫くんじゃないかとヒヤヒヤしましたけど(笑)。まあそうなってもドラゴンボールで生き返れますが。
最後に
今回は映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』の感想でした。
ドラゴンボールファンとして、ツッコミどころも含めて楽しく見ることが出来ましたが、いろいろと惜しいところが多い作品でした。一本の映画作品としては、ぎこちないところが多かったです。
そう言えば本作、主題歌がなかったですね。前作の三浦大知の『Blizzard』がすごくよかったので、本作も主題歌が欲しかったなぁ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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