どうも、たきじです。
今回は1989年公開のアメリカ映画『オールウェイズ』の解説&感想です。スティーヴン・スピルバーグ監督作品です。
作品情報
タイトル:オールウェイズ
原題 :Always
製作年 :1989年
製作国 :アメリカ
監督 :スティーヴン・スピルバーグ
出演 :リチャード・ドレイファス
ホリー・ハンター
ジョン・グッドマン
ブラッド・ジョンソン
オードリー・ヘプバーン
上映時間:123分
解説&感想(ネタバレあり)
本作はスピルバーグ監督自身が大好きな映画『ジョーと呼ばれた男』(1943年)のリメイク作品。同作において、主人公のピートは第二次世界大戦期の空軍パイロットですが、本作では空中消火隊のパイロットに置き換えられています。
ピートは消化活動中に同僚のアルを助けますが、ピートの乗る飛行機は炎に包まれます。その事故で死亡したピートは、天使のハップと出会います。そして、ピートはハップから霊体として若いパイロットのテッドを導くように使命を与えられます。その使命を受け入れたピートでしたが、やがて死に別れた恋人のドリンダとテッドが恋に落ちることとなり戸惑います。
正直に言って、序盤は少々退屈。ドリンダがドレスに着替え、ピートと踊るシーンも、なんか"いいシーン風"ではありますが、まだ序盤なので2人に感情移入できていませんから、それほど感じ入ることもありません。ピートのような無鉄砲な男に、そもそも魅力を感じませんし。
ピートが死んで、映画がメインの物語に突入してからはそれなりに面白くなります。スピルバーグ監督が惚れ込んでリメイクするだけあって、プロットはよくできています。
死んでしまった男が、スピリチュアルな存在として現世の恋人を見守る物語というと、本作の翌年に公開された『ゴースト/ニューヨークの幻』が思い浮かびます。コテコテの娯楽作品に仕上げられた大ヒット作である『ゴースト』に比べると本作は地味な印象ではありますが、ドラマ性や深みという点では本作の方が上でしょう。
死に別れた恋人が新たな恋に落ちる様子を見なければならないのはつらいこと。しかもその相手が、ピートが(霊として)陰ながら育ててきたパイロットなわけですから、なお複雑です。しかしそれを乗り越え、ドリンダの人生を想って別れを告げるラストはなかなか素敵でした。
ピートの最後の台詞"That's my girl. And that's my boy."もいいですね。2人の幸せを願う気持ちと、2人を見守ってきた誇らしさのようなものが溢れる台詞だと思います。
『ゴースト』の場合は、男が完全に天に召されていく直前に「愛してる」なんて言い合うわけですよ。今後も女を呪縛し続ける言葉ですよね。これに比べると、本作は随分と大人の結末と言えるかもしれません。
まあ、私は、作品としては『ゴースト』の方が好きなんですけど(笑)。
さて、本作のホリー・ハンターは、美しさもさることながら、感情豊かにドリンダを演じていてとても素敵でした。1993年には『ピアノ・レッスン』でアカデミー主演女優賞に輝くなど、大成した女優さんではありますが、個人的にはもっともっと人気が出てもおかしくなかったと思うんですけどね。
一方で、主演のピート役のリチャード・ドレイファスは、70年代を中心になぜあんなに評価されたのか不思議です(失礼)。いや、悪い役者ではないんですけどね。そこまで魅力を感じないというか。
最後に、忘れてはならないのは、本作はオードリー・ヘプバーンの遺作ということでしょう。天使という役柄で、ワンポイントの出演(正確には2シーン)で、往年の大スターを起用するというのが、なかなか効果的に決まっていました。
最後に
今回は映画『オールウェイズ』の解説&感想でした。スピルバーグ監督らしい演出というのはあまり感じられず、物足りなくはあるものの、プロットはなかなか面白く、楽しめる作品ではありました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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