人生をもっと楽しく

人生を楽しむ多趣味サラリーマンが楽しいことを発信するブログ

映画『アイリッシュマン』解説&感想 豪華キャストで送るスコセッシ監督の大作

【スポンサーリンク】

どうも、たきじです。

 

今回は2019年公開のアメリカ映画『アイリッシュマン』の解説&感想です。ネットフリックス・オリジナル作品です。

 

 

作品情報

タイトル:アイリッシュマン

原題  :The Irishman

製作年 :2019年

製作国 :アメリカ

監督  :マーティン・スコセッシ

出演  :ロバート・デ・ニーロ
     アル・パチーノ
     ジョー・ペシ
     レイ・ロマーノ
     ボビー・カナヴェイル
     アンナ・パキン
     スティーヴン・グレアム
     ハーヴェイ・カイテル

 上映時間:210分

 

解説&感想(ネタバレあり)

本作は、マフィア社会で生きてきたフランク・シーランの伝記映画。物語にはあまり緩急がなく、淡々とエピソードが羅列されていく印象。娯楽的な演出はかなり抑制されていますし、ストーリー上のマイルストーンのようなものもないので、観ていてわくわくするような作品ではないですね。


おまけに3時間半という長尺。配信を前提としているからこその上映時間でしょうが、さすがに長い…。


マーティン・スコセッシ監督の映画はそういう作品が多く、そういうところが個人的にはあまり合わないところではあります。


それでも、退屈することはなく本作を観られるのは、演技力に定評のある豪華キャストのおかげでしょう。


まず注目は、フランク・シーランを演じたロバート・デ・ニーロとジミー・ホッファを演じたアル・パチーノの共演というところでしょう。長年に渡り映画界のトップ俳優として活躍してきたこの2人の共演は4度目ではありますが、本作は特別なところがあります。


最初の共演は1974年の『ゴッドファーザー PART II』。同作では、パチーノ演じるマイケル・コルレオーネの父ヴィトー・コルレオーネの若き日をデ・ニーロが演じました。2人は異なる時代の人物を演じたため、本当の意味での共演ではありませんでした。


2度目は1995年の『ヒート』。同作では2人が対面するシーンがあるものの、同時に2人の顔が映らないため、別撮りではないかと疑われるほどでした。


3度目は2008年の『ボーダー』。同作ではがっつりツーショットのシーンがあって、正真正銘の共演作ではありましたが、残念ながら、明らかな失敗作でした。


そして2019年の本作。スコセッシ監督による骨太な作品で、2人が魅力たっぷりな演技を見せ、共演する姿が見られるというのは、ファンにとってはやはり特別なところです。


デ・ニーロは、落ち着いた抑制的な演技で、フランクの中年期から老齢期までを演じています。このあたりの演じ分けは、デ・ニーロにはお手のものですね。


一方、パチーノはアグレッシブな演技でそれに対します。まあ、近年のパチーノのはこの手のキャラクター(演じ方)が多いような気もしますが。


また、忘れてはならないのがラッセル・バファリーノを演じたジョー・ペシでしょう。いつキレるか分からないような危なっかしい役柄のイメージが強いペシですが、本作では静かな怖さを感じさせるような演技で魅了してくれました。

 


また本作では、特殊メイクの代用として使われた視覚効果も特筆すべきものでした。映画公開当時、デ・ニーロ、ペシは76歳、パチーノは79歳。彼らは自身の実年齢よりかなり若い時代の役柄も演じていますが、そのためにCGによって顔を若返らせる視覚効果が施されています。


いったいどのシーンまでこの視覚効果が用いられているのか判別できないほどに違和感のない映像には驚かされます。特殊メイクの場合、若者が老人になるよりも、老人が若者になる方が難しいと思いますが、このCG技術によってそれも違和感なく可能になりました。映画として表現の幅を広げる画期的な技術だと思います。


さて、物語の中身にも少し触れておきましょう。本作は、組合やマフィアの抗争をフランクの視点で描いています。フランクが裏社会に足を踏み入れてから、老人となって施設で暮らすまでが描かれるわけですが、個人的に印象的だったのは、老人となってからの生活に結構時間を割いて描いていること。


妻に先立たれ、末娘のペギーからは絶縁され、孤独な老齢期を送るフランクの姿が描かれます。フランクは、死を迎える準備を進めつつ、神に懺悔し、祈る日々を過ごします。


考えてみれば、監督も主要キャストも70代後半という年齢(脚本のスティーヴン・ザイリアンも60代後半)。サラリーマンならとっくに引退して老後の生活を送っている年齢です。このような老齢期にもフォーカスして描くこともうなずけます。


まだ彼らの半分程度しか生きていない私も、本作を見ていて、死について考えさせられました。自分は一体、どこでどのように死を迎えるのだろうか?その時、妻はまだ生きているのか?子供との関係はどうだろうか?本作を見てそんなことに思いを巡らせることになるとは思ってもみませんでした。

 

最後に

今回は映画『アイリッシュマン』の解説&感想でした。スコセッシ監督作品らしい壮大なスケールのドラマ。娯楽性控えめで緩急のない語り口がハマらなかったものの、豪華キャストの演技とそれを助ける視覚効果には魅せられました。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

多趣味を活かしていろいろ発信しておりますので、興味のあるカテゴリーがございましたら他の記事ものぞいていただけると嬉しいです!

はてなブログの方は、読者登録もお願いします!

 

↓ 他の映画の解説&感想もぜひご覧ください!

 

----この映画が好きな人におすすめ----

↓ マーティン・スコセッシ監督のマフィア映画