映画『Mr.インクレディブル』解説&感想 インクレディブルな出来の大傑作!

どうも、Takijiです。

 

今回は、『Mr.インクレディブル』の解説g感想です。個人的にはアニメ史上最高の映画と言ってもいいほどインクレディブルな出来だと思います。

 

作品情報

タイトル:Mr.インクレディブル

原題  :The Incredibles

製作年 :2004年

製作国 :アメリカ

監督  :ブラッド・バード

声の出演:クレイグ・T・ネルソン

     ホリー・ハンター

     ジェイソン・リー

     サラ・ヴォーウェル

     スペンサー・フォックス

     サミュエル・L・ジャクソン

上映時間:115分

 

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解説&感想(ネタバレあり)

ピクサーが描くヒーローアクション

本作より前のピクサー作品の主人公はおもちゃや動物でしたが、本作は初めて人間が主人公になっています。しかもそれがヒーロー映画。とは言っても、ピクサーの手にかかれば単純なヒーローものとは一線を画したものに仕上がります。

 

まず、ヒーローが法律で禁止されるというのが面白いです。Mr.インクレディブルは純粋な正義感から人助けをしているわけですが、自殺したかったのに邪魔されたとか、助けられた時に怪我をしたとか、訴えられてしまい、社会的にヒーロー不要論が盛り上がってしまった結果です。


こうした設定は、社会派のアメリカン・コミックの傑作『ウォッチメン』が元ネタでしょう。元ヒーロー達が失踪したり悪役に殺されたりしていることや、マントが引っかかるネタも『ウォッチメン』ですね。そうした描写をファミリー映画でやるところがすごいところですが、マントが引っかかるネタはしっかり笑いにしていますし、ラストでの伏線回収も心地良いです。


また、本作に登場するヒーロー達のスーパーパワー、すなわちMr.インクレディブルの怪力、妻・イラスティガールのゴム人間的な能力、娘・ヴァイオレットの透明化やバリアの能力、息子・ダッシュの超スピード能力、フロゾンの大気中の水分を氷にする能力などは、『X-メン』やら『ファンタスティック・フォー』なんかで見たことのあるものばかりです。


そうしたアメコミヒーローのパロディをふんだんに盛り込みつつ、緻密な脚本でオリジナリティあふれるストーリーを組み立てるのが、ピクサーの凄いところです。


映像表現の点でも文句なし。ピクサーがここまで本格的なアクションを描くのは初めてですが、これも見事に映像化しています。Mr.インクレディブルが大活躍するオープニング、中盤のロボットとの闘い、島のジャングルでの兵士達との闘い、そしてクライマックス、どれをとっても迫力のある映像で、手に汗握るアクションになっています。

 

抑圧と解放が生み出す爽快感

そうした本作のアクションが素晴らしいのは、映像表現が素晴らしいからというだけではありません。よく練られたストーリーがアクションをお膳立てしているのです。


オープニングではMr.インクレディブルが大活躍する様子が描かれます。逃げる武装犯、木に上った猫、強盗、飛び降り自殺者、爆弾男、列車と、次々にトラブルが発生しますが、それらを見事に解決するMr.インクレディブルのヒーロー像が、流れるようなテンポで描かれる痛快なオープニングです。


ところが一転、ヒーロー活動が法律で禁止されてから15年後のシーンからは、とにかく陰鬱な、ボブ(=Mr.インクレディブル)の空虚な日常が畳み掛けられます。

 

ボブの大きな体に対して、狭いオフィス、小さな車。スーパーパワーが使えないもどかしさ。スーパーパワーを見られてしまい引越しを繰り返す日々。一般人としての生活に順応している妻や子供達にも迷惑をかけ、家庭でも喧嘩が絶えません。


せめて保険会社での仕事を通じて人助けしようにも、上司は会社の利益第一で顧客の幸せなど二の次。強盗に襲われる人を見ても、「うちの保険に入っていないことを祈る」と言う始末。


元ヒーロー仲間のフロゾンと、警察無線を傍受して、覆面でこっそりと非合法な人助けをするのが唯一の楽しみ。部屋では、かつて着ていたヒーロースーツや、Mr.インクレディブルの活躍を讃える雑誌や新聞記事に囲まれ、過去の栄光に浸ります。


これら抑圧的なシーンの連続と、あまりに無駄のない描写には、本当に感心させられました。こうした苦しみがしっかりと描かれているからこそ、その後に抑圧から解放され、ヒーローとして存分に闘うシーンで大きな爽快感が得られます。


それはダッシュにも言えること。ダッシュは目にも止まらぬ速さで走れるスーパーパワーを持ちながら、それを使うことを禁じられています。この抑圧から解放され、島を全速力で駆け抜ける爽快感といったら!


彼らが解放される瞬間、それを見ている観客の我々も解放されるのです。ダッシュとヴァイオレットが子供2人だけで闘っているところに両親が合流し、みんなで連携して敵を倒すところなど、涙が出そうでしたよ。

 

家族の成長

物語を通して登場人物の成長を説得力を持って描くことが、良い脚本の条件の1つだと思います。そこが本作の素晴らしい点でもあります。


最初はうまくスーパーパワーのバリアを使いこなせなかったヴァイオレットは、クライマックスの闘いでは当たり前のようにバリアを使いこなします。これも、最初に失敗した時に責任を感じて謝る姿や、その後地道に訓練する姿を描いているからこそ感動できることです。


また、最初は透明化の能力に頼った引っ込み思案だった彼女ですが、今回の経験を通して自信を持ち、髪型を変えて垢抜けた雰囲気になります。これも精神的な変化を上手に表現しています。


最初はスーパーパワーを思いっきり使えないもどかしさから、いたずらをしてばかりだったダッシュもそうです。今回の経験を通して、いつ、どのようにスーパーパワーを使うべきかを学んだのでしょう。ラストの陸上大会で、わざと能力を抑えて2位になり、家族が大喜びするシーンは、笑ってしまうと同時に感動します。彼の精神的な成長を描いたシーンとして、あまりに見事です。


そして喧嘩ばかりだった夫婦は、最後には分かり合います。最後の闘いを前に、Mr.インクレディブルは家族に隠れているように指示しますが、この期に及んで一人で行こうとする彼を妻のイラスティガールは叱責します。Mr.インクレディブルが「家族を失いたくない。自分は強くないから」と言うのに対し、イラスティガールは、だからこそ力を合わせるのだと立ち上がります。


自分の弱さと向き合い、家族と力を合わせ、結束を固める。それが彼をさらに強くします。この流れがあるからこそ、ラストのアクションは興奮と感動が倍増しています。それぞれが自分の能力を活かし、お互いに助け合いながら戦う姿もいいんですよ!


そう、これは紛れもなく家族の映画です。原題の"The Incredibles"は日本語に訳すと『インクレディブル家』です。原題はテーマ通り、この一家がタイトルになっているのに対し、邦題はなぜ"Mr.インクレディブル"個人をタイトルにしてしまったのでしょう?


ちなみに続編は"Incredibles 2"ですが、邦題は『インクレディブル・ファミリー』ということで、この点が修正された形です。でも"Incredibles 3"ができたら、配給会社は悩むことになりそうですね。

 

最後に

今回は映画『Mr.インクレディブル』の解説&感想でした。ピクサー作品は『トイ・ストーリー』シリーズもそうですが、本当に良い脚本の映画が多いです。良い脚本と映像表現が揃ったアニメ映画がつまらないわけがないですね。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

 

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