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映画『ボーン・アルティメイタム』解説&感想 シリーズの魅力際立つ最高傑作

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どうも、たきじです。

 

今回は2007年公開のアメリカ映画『ボーン・アルティメイタム』の解説&感想です。『ボーン・アイデンティティー』、『ボーン・スプレマシー』に続く、ボーンシリーズの第3作です。

 

↓ 過去作はこちら

 

 

作品情報

タイトル:ボーン・アルティメイタム

原題  :The Bourne Ultimatum

製作年 :2007年

製作国 :アメリカ

監督  :ポール・グリーングラス

出演  :マット・デイモン
     ジュリア・スタイルズ
     ジョアン・アレン
     デヴィッド・ストラザーン
     スコット・グレン
     アルバート・フィニー
     パディ・コンシダイン
上映時間:115分

 

解説&感想(ネタバレあり)

"さらにさらに"凄みを増したアクション

ボーン・アイデンティティー』から本作に至るシリーズ3作は、作品を重ねるほどに完成度が増しているように思います。


前作から監督がポール・グリーングラスに変わり、アクションの凄みがさらに増した印象でしたが、本作はさらにその上を行きます。


特筆すべきはモロッコのタンジールのシークエンスでしょう。タンジールの特徴的な街並みをたっぷり使ったチェイスには興奮させられます。殺し屋から逃げるニッキー、警察から逃げながら殺し屋を追うボーン。この緊迫感も素晴らしいです。


そして何より印象的だったのは、ボーンと殺し屋の格闘シーン。1対1のシンプルな肉弾戦で、ここまで興奮したのは初めてじゃないかと思うほどでした。様々な角度からの撮影と、素早いカッティングが為せる業でしょう。


また、クライマックスのカーチェイスは、前作のモスクワでのカーチェイスに勝るとも劣りません。本作ではニューヨークの市街を舞台にド派手なカーチェイスを見せており、ボーンが真実に対峙するラストに向けて物語をぐっと盛り上げています。

 

シリーズで群を抜く魅力

本シリーズの大きな魅力の一つが、ボーンがその鋭い判断力と腕っぷしの強さを活かしてCIAを出し抜く面白さ。この点でも本作はシリーズで群を抜いています。


序盤のロンドンのシークエンスなんて、凄すぎて笑ってしまいましたよ。CIAによる通信傍受をかわし、記者にリアルタイムで指示し、誘導するその鮮やかさ。漂う緊張感とテンポの良さ、撮影と編集、音楽が噛み合い、素晴らしいシークエンスになっています。


クライマックスにつながるニューヨークのシークエンスも然り。このシークエンスで、物語が前作のラストシーンとつながります。と言っても、前作のラストは映画の余韻を残すためのワンシーンとして描かれたようなシーンでした。あのシーンがまさか、こんなに緊張感のある状況だったとは。前作製作時から考えられていたのか、後付けで考えたのか知りませんが、この構成は見事でした。


前作のラストでランディは、ボーンへの感謝や謝罪の意味を込めて、ボーンの本名と併せてボーンの誕生日を教えたかに見えました。が、実は盗聴されているのを想定した上で研究所の住所をボーンに伝えていたわけです。この機転はボーン顔負けですね。


ボーンはボーンで、同じく盗聴は承知の上で、ランディに会おうと伝えます。ボーンを確保するため、CIAの面々は総出でランディを尾行します。彼らを率いるヴォーゼンにかかってくるボーンからの電話。今オフィスにいると嘘をつくヴォーゼンに対し、ボーンは告げます。「オフィスにいるなら向き合ってるはずだ」。ボーンはCIAを見事に誘導してランディを尾行させ、空っぽになったオフィスで資料を手に入れます。


このシーンは本シリーズの醍醐味ともいえる痛快さですね。実際には、自分の居場所をバラすようなことは言わない方がいいでしょうし、CIAが間抜けすぎにも見えますが、現実性よりも映画的演出を優先したのが見事にハマった良い例です。

 

物語の結末

ボーンシリーズは本作の後にも、ジェイソン・ボーンが登場しないスピンオフ的な『ボーン・レガシー』(2012年)、再びボーンを主人公に据えた『ジェイソン・ボーン』(2016年)と、続編が作られています。が、ボーンが失った記憶を辿る物語としては本作で一旦の結末を迎えます。


本作でボーンは、自分がいかにしてデビッド・ウェッブから殺人兵器ジェイソン・ボーンになったか、その記憶を取り戻します。そして、その過去を理解した上で、デビッド・ウェッブに戻るのです。


そして、追いかけてきた殺し屋がボーンに銃口を向けます。ボーンは前のシーンで殺し屋を追い詰めながらとどめを刺しませんでした。殺し屋はなぜ自分を生かしたかとボーンに問います。対してボーンは「君はなぜ俺を殺す?」と問います。「自分を見ろ。人間と言えるか?」と。


殺し屋が問いに答えることも引き金を引くこともできぬうち、ヴォーゼンが現れてボーンを撃ちます。ボーンはそれと同時に、ビルのはるか下の川に飛び込みます。


殺人兵器であった自分。そうなってしまった経緯の記憶を取り戻した上で、元の自分に戻る——。本作は、ボーンが自分と向き合いながら、そうしてアイデンティティを取り戻す物語。上記のような問答の末に、殺し屋がボーンを撃つことができないという展開は、普通の映画でやられると興醒めですが、このようなテーマを持った本作だからこそ活きるものです。


高所から川に落ちたボーン。意識を失って海上を漂っていた第1作のオープニングと同様に、ボーンは微動だにせず水中を漂います。ラストシーンでは、このシーンの間に、後日ニッキーがテレビのニュースを見るシーンがクロスカッティングで挿入されます。


ニュースでは、ヴォーゼンら、ボーンを生み出した「ブラックブライアー作戦」の責任者達が逮捕されたことを報じられます。そしてそれに続き、ボーンの遺体が見つかっていないことが報じられます。


このニュースに、ニッキーはボーンの生存を確信しニヤリ。恒例の「エクストリーム・ウェイズ」のイントロが流れ出す。そして、ボーンが水中を漂うシーンに戻り、ボーンが泳ぎ出す——。最高に痺れるラストシーンでした。

 

最後に

今回は映画『ボーン・アルティメイタム』の解説&感想でした。アクションを始めとしたシリーズの魅力それぞれが際立ち、シリーズの最高傑作と言える作品に仕上がっています。『ボーン・アイデンティティー』から本作に至る三部作は、自信を持っておすすめできるので、未見の人は是非とも見ていただきたいところです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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