どうも、たきじです。
今回は1994年公開のアメリカ映画『スピード』の解説&感想です。
作品情報
タイトル:スピード
原題 :Speed
製作年 :1994年
製作国 :アメリカ
監督 :ヤン・デ・ボン
出演 :キアヌ・リーブス
デニス・ホッパー
サンドラ・ブロック
ジョー・モートン
ジェフ・ダニエルズ
アラン・ラック
グレン・プラマー
リチャード・ラインバック
ベス・グラント
上映時間:115分
解説&感想(ネタバレあり)
シンプルなタイトルの妙
『スピード』——なんて潔いタイトルでしょう。「バスの時速が50マイル(約80km)を下回ると爆発する。観客の心を鷲掴みするこの設定だけでなく、作品全体のテンポや映像演出、テーマ曲、あるいは観客の感情の唸りに至るまでのスピード感までも象徴しているようで、なんとも絶妙です。
冒頭にも、そのスピード感はよく現れています。キャラクターの背景や人間関係を描写するような導入はなく、すぐに事件に突入します。パトカーが颯爽とジャンプして登場したかと思えば、中からキアヌ・リーブス演じるロサンゼルス市警の警官ジャックが登場。事件を通してジャックの勇敢さが描写されます。
そして、この冒頭の事件が終わると、ほんのわずかな繋ぎを挟んで、すぐに本題の事件へと雪崩れ込む構成。このテンポの良さが最高です。
スリルとユーモアの絶妙なバランス
爆弾が仕掛けられたバスに乗り込むジャック。彼の勇敢な行動は、映画を観る観客の視点では緊張感とヒロイズムに満ちていますが、バスの乗客からすると「バスに乗り遅れて必死に追いかける男」になっている構図が面白いです。前のシーンで、ヒロインのアニー(サンドラ・ブロック)がバスに乗り遅れて走るシーンが対になっていて、このスリリングなシーンに微妙な可笑しみが生まれています。
警官のジャックが乗り込んだことで、勘違いからバスの中では小競り合いが勃発。結果として銃が発砲され、運転手が負傷してしまう展開は絶妙です。代わりに運転を任されることになるのが、アニー。彼女はスピード違反してで免停中という設定が素晴らしい味付けです。
次から次に押し寄せる危機
本作は、速度だけに頼ることなく、舞台や状況の変化によって巧みに緊張の波を作っています。渋滞、障害物、道路の途切れ、ガソリン漏れと、次から次に危機が押し寄せるのです。
未開通で他の自動車のいない高速道路に入って一安心かと思ったら先の道路が途切れているとか、空港の滑走路に入ってもう安心と見せかけてガソリン漏れが発生するとか、一度安心させておいてすぐにピンチが訪れるという波の作り方が巧みです。
テンションMAXのクライマックス
ビデオ映像によって犯人を欺き、バスの乗客は解放。事件は終わったかに見えましたが、映画はここで終わりません。犯人との最後の対決は、舞台を地下鉄へと移して行われます。
地下鉄が暴走し、ブレーキも効かないという状況はありきたりといえばありきたりです。しかし、ここでむしろスピードを上げて、列車の脱線を図るという展開がたまりません。「それでこそ『スピード』だ!」とテンションMAXのクライマックスです。
90年代アクション大作の矜持
90年代はCG技術が飛躍的に進化していった時代。00年代に入ると、CG等の視覚効果による映像表現の比率がどんどん上がっていきます。実写スタントや爆破など、フィジカルな視覚効果が全盛であった最後の時代にあって、本作もその矜持を見せつけています。
まあ、バスの大ジャンプには苦笑いですし、旅客機を巻き込んだ大爆発は「犯人に金を払った方がだいぶ安上がりだったな」なんて皮肉を言いたくもなりますけど(笑)。それでもこの“過剰な派手さ”が90年代のアクション大作の楽しみどころなのです。
最後に
今回は映画『スピード』の解説&感想でした。観客を惹きつける設定と猛烈なテンポで駆け抜ける、まさにノンストップ・アクションの金字塔。キャラクターの掘り下げや現実味よりも、映画ならではの「勢い」や「興奮」に全振りしている潔さが、気持ち良い作品です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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