映画『リメンバー・ミー』感想 素晴らしい歌とストーリーの相乗効果!

どうも、Takijiです。

 

今回は、『リメンバー・ミー』の感想です。素晴らしい歌とストーリーが、相乗効果でお互いを高め合う、素敵な映画でした。

 

作品情報

タイトル:リメンバー・ミー

原題  :Coco

製作年 :2017年

製作国 :アメリカ

監督  :リー・アンクリッチ

声の出演:アンソニー・ゴンサレス

     ガエル・ガルシア・ベルナル

     ベンジャミン・ブラット

     アラナ・ユーバック

     レニー・ヴィクター

上映時間:105分

 

映画『リメンバー・ミー』感想(ネタバレあり)

死者の国に行ってしまった少年のお話

メキシコのサンタ・セシリア。リヴェラ家の男が音楽家としての大成を夢見て、妻子を置いて旅に出ます。それから、彼が家族のもとに戻ることはありませんでした。残された妻イメルダ(アラナ・ユーバック)は音楽を敵視するようになり、家庭での音楽を禁止します。そして靴職人として生計を立て、娘のココを育てます。それからリヴェラ家は音楽の禁止と靴職人稼業を代々受け継ぎます。


時は流れ、ココは100歳近いお婆さん。頭も衰え、亡き父のことをつぶやくばかり。ココのひ孫で12歳のミゲル(アンソニー・ゴンザレス)は音楽が大好き。伝説的ミュージシャン、エルネスト・デラクルス(ベンジャミン・ブラット)に憧れ、家族に隠れて自作のギターを弾いています。そして、顔の部分が破られた先祖(ココの父)の写真が手に持つギターから、自分はデラクルスの子孫だと気付き喜びます。


ミゲルは"死者の日"の音楽コンテストの出場しようとしていましたが、家族にばれ、ギターを壊されてしまいます。そこでミゲルは、エルネスト・デラクルスの霊廟に忍び込み、供えられた彼のギターを手にします。しかし、死者の日に死者の物を盗んだことで呪われてしまい、死者の世界に入ってしまいます。彼は死者の国で出会った骸骨のヘクター(ガエル・ガルシア・ベルナル)の力を借りながら、元の世界に戻るために奮闘します。


作り込まれた世界観

本作の魅力は、まず第一に、作り込まれた世界観の面白さでしょう。"死者の日"は年に一度、亡くなった先祖が家族に会いに来る日ということで実際にあるものですが、生者の国で祭壇に写真が飾られていないと死者の国を出られないというのが面白いです。死者の国の出口が、さながら空港の出入国審査のようになっているのはピクサーらしいユーモアです。


死者の日に死者の物を盗むと呪われて、死者の世界に入ってしまうことや、死者の国で日の出を迎えると二度と生者の国には戻れなくなることも、宗教的な観点で考えても納得のいく設定です。


何より感心したのは、「生者の誰からも忘れられた存在となってしまうと、死者の国からも消滅してしまう」という設定。この設定も妙に納得のいく設定であると同時に、ストーリーの肝になっています。


ストーリー展開の素晴らしさ

本作の第二の魅力は、ストーリー展開の素晴らしさでしょう。本作は、序盤では、ミゲルが音楽をやるのを認めない家族(死者の国のイメルダを含め)が悪役のポジションにいます。そして、ミゲルが憧れ、先祖であると信じ、ミゲルを温かく迎え入れるデラクレス(死者の国でも大スター)が味方のポジションです。


私はここで、家族が悪役ということに大きな違和感を覚えました。彼らは音楽を敵視してはいますが、悪い人間ではなく、ミゲルにとって愛すべき存在であることは変わりないはずだからです。


その違和感は映画中盤でさらに強まります。デラクルスはヘクターの曲を盗んでいたことが明らかになるからです。味方だと思っていたデラクルスもどうも善人ではなさそうだという展開です。


そして終盤、すべてがひっくり返ります。ミゲルの先祖はデラクルスではなくヘクターで、ヘクターはデラクルスに殺されたために、妻のイメルダと娘のココのもとに帰れなかったのです。誤解が解けて家族は味方となり、ヘクターのすべてを盗んだデラクルスが悪役であることが明確になります。


ここですべてが腑に落ちました。なぜタイトル(原題『Coco』)が、ミゲルのひいおばあさんの名前なのかそしてデラクルスがヘクターから盗んだ曲『リメンバー・ミー』の意味が。


ココはヘクターが死してなお会いたいと願い続けた存在、生者で唯一ヘクターのことを知る存在、"家族を捨てた"とされたヘクターと現在のリヴェラ家を繋ぐ存在であるわけで、紛れもなくこの物語のキーとなる人物というわけです。


ヘクターが旅立つ時に幼いココに贈った『リメンバー・ミー』は、「離れても僕を忘れないで」という気持ちを綴った曲ですが、年老いたココがヘクターを忘れることで、彼が死者の国からも消滅してしまいそうな状況の中で、「僕を忘れないで」と再び語りかける曲にもなるわけです。


ヘクターに変わってココに『リメンバー・ミー』を歌えるのはミゲルしかいません。私は、ヘクターがミゲルの先祖だと分かったシーンで、ミゲルがココにこの曲を歌うラストを先走って想像し、泣きそうになってしまいましたよ(笑)

 

音楽の力

そして迎えたクライマックス。期待通り、ミゲルがココに歌います。ミゲルの優しい歌声、歌を聞くココの表情、ココが大切に保管していたヘクターの破られた顔写真。私が先走って想像した以上に素晴らしいシーンでした。

 

このシーンに代表されるように、物語を通して、音楽の素晴らしさを丁寧に描いていることが、本作の第三の魅力でしょう。冒頭のミゲルのモノローグの時点で、最終的に音楽の素晴らしさを描く映画なのは容易に想像できましたが、その見せ方のうまさは想像以上でした。


記憶障害があっても音楽は覚えていると言いますし、誰しも音楽に昔の記憶を呼び起こされることは経験しているのではないでしょうか。本作はそれをクライマックスでうまく用いていますし、上述のように『リメンバー・ミー』の歌詞に2つの意味か込められているのも見事なものです。

 

最後に

今回は映画『リメンバー・ミー』の感想でした。素晴らしい歌とストーリーが合わさった本作。歌がストーリーを盛り上げ、ストーリーが歌をより一層響かせる、そんな印象の映画でした。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

 

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