どうも、たきじです。
今回は1984年の映画『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』の解説&感想です。インディ・ジョーンズ・シリーズの第2作で、シリーズとしては異色のダークな作品です。
↓ 前作の解説&感想はこちら
作品情報
タイトル:インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説
原題 :Indiana Jones and the Temple of Doom
製作年 :1984年
製作国 :アメリカ
監督 :スティーヴン・スピルバーグ
出演 :ハリソン・フォード
ケイト・キャプショー
キー・ホイ・クァン
アムリッシュ・プリ
上映時間:118分
解説&感想(ネタバレあり)
ダークな作風を中和するコミカルなパート
邪教集団を敵に据え、グロテスクな描写も多い本作は、シリーズの中でも異色の作品。邪教集団の儀式の様子なんか、子供の時に見たらトラウマになりそうな内容です。
本作では、そんなダークな作風を中和するかのように、ヒロインのウィリー(ケイト・キャプショー)を中心としたコミカルなパートも多分に盛り込まれていますね。ただ、ウィリーがゾウや野生動物に悪戦苦闘してドタバタするシークエンスにしても、インディ(ハリソン・フォード)とウィリーのラブコメ的なシークエンスにしても、個人的にはあまり楽しめず、中弛みに感じられます。
トンデモなゲテモノ料理のシークエンスも、笑いよりも嫌悪感の方が大きかったかな。また、いくら邪教集団という設定があるにしても、このあたりの描写はインド人に対して少し差別的にも感じます。そんなに目くじら立てるつもりはないんですけどね。現代なら間違いなく炎上するだろうなと思いましたが、調べてみると当時もしっかり物議を醸していたみたいですね。
魅せるオープニング
前作は連続活劇を現代に甦らせるというコンセプトで、派手なアクションを始めとした手に汗握るシーンを絶え間なく見せてくれました。一方の本作は、オープニングとクライマックスのアクションの間にあるのは、寝室での小さなアクションと、釣り天井のくだりくらいで、その点は物足りません。
ただ、そのオープニングとクライマックスはスピルバーグ演出が冴え渡った素晴らしい出来なので、映画通しての満足度は高いです。
まず、オープニング。
上海のキャバレーを舞台に、インディとギャングとの間の緊張感のある取引シーンで始まります。円卓のターンテーブルで、金貨やダイヤ、ヌルハチの骨壷がインディとギャングの間を行ったり来たり。
やがてシャンパンのボトルが開く音に紛れて放たれる銃弾。ウェイターに変装したインディの助手の持つグラスが割れているのに気づいた瞬間、彼の胸から血が滲み出します。
冒頭から目を引く演出が続きますが、極めつきは、その後に続くアクションでしょう。逃げ惑う客たちによって右へ左へと蹴り飛ばされるダイヤと解毒剤を探しながら、混乱の中で繰り広げられる格闘と銃撃。何も知らずに現れるダンサー達、ダイヤを覆い隠すように床に散らばるロックアイス、天井から舞い落ちる大量の風船。混乱に拍車をかけるように畳み掛ける演出が楽しいです。
転がるドラの後ろで銃弾から逃れて走りながら窓を破り、カーチェイスに移行するところで興奮も最高潮。そして飛行機に乗り込んだところで満を持して流れるテーマ曲。こんなに魅せるオープニングありますか?
クライマックスの絶え間ないアクション
そして、生贄にされようとしているウィリーを助けるところからのクライマックス。
松明に炙られてあっさり正気に戻るインディにはやや拍子抜けしつつも、その後の絶え間ないアクションにはすっかり魅せられます。
邪教集団の男達と戦うインディと溶岩に落とされそうなウィリー。その後は、大柄な敵と戦うインディとマハラジャと戦うショート(キー・ホイ・クァン)。2箇所での攻防を並行して描く緊張感。そして本作の一番の見せ場と言ってもいい、手に汗握るトロッコアクション。さらには吊り橋での最後の攻防まで、アクションに次ぐアクションが興奮を絶やしません。
まあ吊り橋での攻防はやや間延びしている感がありますし、わざわざ川にワニを忍ばせるのはちょっと過剰な感じもしましたが…
それから忘れてはならないのが、前作を意識したユーモア溢れる1シーン。前作では、刀を振り回して仰々しく登場した刺客に対し、インディが銃によって一撃で倒すというギャグシーンがありました。本作で、そのシーンと同様にインディは銃に手を伸ばしますが、腰に銃がない(オープニングで落としたため)、というシーンがありました。これには思わず吹き出してしまいましたね。こういうユーモア大好きです。
最後に
今回は映画『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』の解説&感想でした。シリーズでも異色のダークな第2作。中盤のコミカルなパートで中弛みがありつつも、スピルバーグ演出が冴え渡ったオープニングとクライマックスで十分に楽しませてくれる作品でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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