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映画『ウエスト・サイド・ストーリー』感想 良くも悪くも旧作と変わらぬ魅力

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どうも、たきじです。

 

今回は2021年公開のアメリカ映画『ウエスト・サイド・ストーリー』の感想です。1957年上演のミュージカル『ウエスト・サイド物語』の2度目の映画化です。

 

 

作品情報

タイトル:ウエスト・サイド・ストーリー

原題  :West Side Story

製作年 :2021年

製作国 :アメリカ

監督  :スティーヴン・スピルバーグ

出演  :アンセル・エルゴート
     レイチェル・ゼグラー
     アリアナ・デボーズ
     デヴィッド・アルヴァレス
     マイク・ファイスト
     ジョシュ・アンドレス
     コリー・ストール
     リタ・モレノ
     ブライアン・ダーシー・ジェームズ

上映時間:156分

 

感想(ネタバレあり)

本作の原作は1957年にブロードウェイで初演が行われた『ウエスト・サイド物語』。1961年にロバート・ワイズの製作・監督(ジェローム・ロビンズと共同)で映画化された同名映画は、アカデミー賞で作品賞を含む11部門受賞するなど、映画史に残る名作となっています。そして、同作から60年を経てリメイクされたのが本作ということになります。


私はもともと名作のリメイクには否定的でした。名作のネームバリューがあるから、話題にはなりやすいでしょう。しかし、せっかく素晴らしい旧作(オリジナル版)があるのに、それをわざわざ作り直す必然性が感じられず、金儲けのために旧作を汚す行為に思えたからです。


しかし、映画が娯楽として確立してから100年。近年は面白い映画の作り方が論理的に確立された印象があります。また、撮影や編集の技術は時代を経て進化しますし、映像表現のトレンドも移り変わります。そういう意味で、過去の名作を現代にアップデートする価値はあると考えるようになりました。本作のように前作から半世紀以上も経っていればなおさらです。

 


本作は旧作に対して特別目立った魅力があるわけではありませんが、旧作の魅力そのままに、うまく現代にアップデートされた作品になっているという印象です。


私はこのミュージカルの魅力は歌よりもダンスにあると思っています。集団で見せるダンスの迫力と美しさには見入ってしまいます。ダンスシーンの撮影や編集は旧作からアップデートされ、より臨場感をもって楽しむことができました。「マンボ」とか「アメリカ」とか、大好きです。


旧作でもそうでしたが、主役のトニーやマリアよりも、ダンスの見せ場の多いベルナルドやアニータが輝いています。旧作ではベルナルド役のジョージ・チャキリスとアニータ役のリタ・モレノ、本作ではアニータ役のアリアナ・デボーズがオスカーを受賞していることもそれを表していますね。


さて、上で「このミュージカルの魅力は歌よりもダンス」と書きましたが、そんな中で、本作の代表曲である「トゥナイト」は最強のミュージカルナンバーになっています。特に、ジェッツ、シャークス、アニータ、トニー、マリアのアンサンブルで歌われる「トゥナイト・クインテット」は旧作のものを何度も何度も聞いたくらい好きなナンバー。愛と憎しみを交錯させた五重唱は鳥肌ものです。


さて、本作のストーリーはシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を下敷きにしていますが、その翻案という意味ではなかなかうまくできています。


『ロミオとジュリエット』における世代を越えた2つの旧家の対立を、本作ではポーランド系とプエルトリコ系という人種の異なる2つの不良少年グループの対立に置き換え、うまく現代(と言っても既に前世紀ですが)の物語に翻案しています。また、最後の悲劇に繋がるトニーとマリアの行き違いも、うまくこのストーリーに乗せる形で翻案されていて、この点は感心しましたね(旧作を観た時に)。

 


まあ、ストーリーの細かいところまで真剣に考えると気になるところは多いですよ。ただ私は、基本的にミュージカル作品というものは歌やダンスを楽しむものであって、ストーリーを真剣に考えてはいけないものだと思っています。


なので、トニーとマリアが出会って速攻で恋に落ちてキスすることも難なく受け入れます(笑)。友人の死に直面し、うっかり人を殺してしまった直後にトニーがマリアとベッドインすることもです(たぶんそういう時は人肌恋しくなるんでしょう。知らんけど)。映画のラスト時点で、トニーとマリアは出会って1日しか経っていないことも、悲劇性が弱まってしまうので考えてはダメです(笑)。


さて、最後に触れておきたいのは原作におけるドクの役回りであるバレンティーナを演じたリタ・モレノ。リタ・モレノは上述の通り、旧作でアニータを演じてオスカーを受賞した女優。本作公開の翌日に90歳になるという年齢で、まだまだ精力的に活動されていることに驚くばかりです(彼女は本作の制作総指揮も務めています)。


ちなみに彼女は、エミー賞、グラミー賞、オスカー(アカデミー賞)、トニー賞をすべて受賞しています(それぞれの頭文字を取ってEGOTと呼ばれる)。2023年時点で19人しか達成していない偉業です。

 

最後に

今回は映画『ウエスト・サイド・ストーリー』の感想でした。旧作に対して特別目立った魅力があるわけではありませんが、旧作の魅力そのままに、うまく現代にアップデートされた作品です。リメイク作品として大成功とは言えないまでも、現代の人々にこの名作ミュージカルを知ってもらうという点においては成功と言えるのではないでしょうか。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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