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映画『フェイブルマンズ』解説&感想 スピルバーグの葛藤と覚悟が垣間見える自伝的作品

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どうも、たきじです。

 

今回は2022年公開のアメリカ映画『フェイブルマンズ』の解説&感想です。

 

 

作品情報

タイトル:フェイブルマンズ

原題  :The Fabelmans

製作年 :2022年

製作国 :アメリカ

監督  :スティーヴン・スピルバーグ

出演  :ミシェル・ウィリアムズ
     ポール・ダノ
     セス・ローゲン
     ガブリエル・ラベル
     ジャド・ハーシュ
     デヴィッド・リンチ

上映時間:151分

 

解説&感想(ネタバレあり)

本作はスティーヴン・スピルバーグ監督の自伝的内容の作品。私はそれくらいのことしか知らずに本作を鑑賞しました。


私はスピルバーグが最も好きな映画監督というわけではなありませんが、史上最も偉大な映画監督であると思っています。それ故に、スピルバーグの自伝的内容だと聞くと、どうしても"映画作り"の部分にフォーカスした物語を期待してしまいます。彼がいかにして映画に興味を持ち、映画監督になり、監督としての腕を磨き、認められていったか、そんな物語です。


しかし、本作はそういう作品ではありません。本作は、主人公のサミー・フェイブルマン(ガブリエル・ラベル)と家族(特に両親)の関係を主軸にし、サミーが映画とどう向き合ってきたかを描いたドラマです。原題は『The Fabelmans』。"The 〜s"という表現は"〜家"を意味しますから、"フェイブルマン家"という意味ですね。このタイトルからも、本作が家族の物語であることが分かります。


ただ、やはり個人的には"映画作り"にフォーカスした自伝的作品が見たかったですね。サミーが映画に興味を持つきっかけとなる初めての映画鑑賞とか、おもちゃの列車の衝突シーンを撮影するエピソードとか、映画序盤のその手の描写が良かっただけになおさらです。

 


もちろん、作品の出来自体は全然悪いものではないです。特に、現実と理想(あるいは合理と非合理)のような対立軸で作品をまとめているのはうまいですね。


サミーの作品を認めつつも、映画を「たかが趣味」であると捉えている父バート(ポール・ダノ)は"現実"を生きています。架空の物語ではなく、実際に役立って人々が使えるものを作るよう、サミーを諭します。


一方、サミーと同様に芸術家(ピアニスト)である母ミッツィ(ミシェル・ウィリアムズ)は"現実"よりも"理想"。ミッツィはバートのことを「あまりにもいい人」と理解しつつ、友人のベニーと友人以上の関係になります。


サミーが撮影した家族のキャンプのフィルムに映し出されたのは見たくもない現実。サミーの映画作品は創られた理想。高校の「おサボり日」の記録映画もクラスメイトのローガンを美化した理想(虚構)。ローガンは現実とのギャップに戸惑い、怒ります。


こうした対立軸が象徴するのは、サミーが直面している家族(現実)芸術(理想)の板挟みです。サミーの大伯父ボリス(ジャド・ハーシュ)は言います。「芸術は輝く栄冠をもたらす。だが一方で胸を裂き孤独をもたらす。」


こうした描写の数々に、スピルバーグが経験した葛藤と、それを乗り越えた上での覚悟のようなものを垣間見たような気がしました。

 

サミーがジョン・フォード監督と出会い、映画監督への道を踏み出すラストシーンは印象的。デヴィッド・リンチ監督がフォードを演じているというのも目を引きますが、何よりその強烈なキャラクターよ。キスマークをつけてランチから帰ってくる登場シーンは吹き出してしまいました(笑)。


サミーに対してぶっきらぼうに画面構図について指南するフォード。わずかな会話の後、スタジオを出たサミーの充実した表情と軽やかな足取り。そして、フォードの教えに従い、慌ててティルトアップするカメラ。なんとも茶目っ気のあるラストシーンでした。

 

最後に

今回は映画『フェイブルマンズ』の解説&感想でした。期待した内容とは違ったものの、若きスピルバーグが経験した葛藤と、それを乗り越えた上での覚悟のようなものが垣間見える作品でした。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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