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映画『ブレードランナー』解説&感想 独自の雰囲気を持ったSFノワール

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どうも、たきじです。

 

今回は1982年公開のアメリカ映画『ブレードランナー』の解説&感想です。

 

 

作品情報

タイトル:ブレードランナー

原題  :Blade Runner

製作年 :1982年

製作国 :アメリカ、香港

監督  :リドリー・スコット

出演  :ハリソン・フォード
     ルトガー・ハウアー
     ショーン・ヤング
     エドワード・ジェームズ・オルモス
     M・エメット・ウォルシュ
     ダリル・ハンナ
     ウィリアム・サンダーソン

上映時間:117分

 

解説&感想(ネタバレあり)

SFのフィルム・ノワール

映画ファンには『トータル・リコール』や『マイノリティ・リポート』の原作者として馴染み深いSF作家フィリップ・K・ディック。本作はディックが1968年に発表したSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』を脚色したSF映画です。


SF映画と言っても、同時代に公開されていてハリソン・フォードも出演していた『スター・ウォーズ』シリーズのようなアドベンチャー大作ではありません。『スター・ウォーズ』が陽なら、本作は陰。終始映像は暗く、街には雨が降り、地面は濡れています。


物語は全体的に低いトーンで描かれ、主人公のデッカード(ハリソン・フォード)は一匹狼でハードボイルドなキャラクター。本作はSFのフィルム・ノワールと言える作品となっています。


善悪が極めて曖昧であるというのもフィルム・ノワール的ですね。デッカードはレプリカントと呼ばれるアンドロイドを抹殺する任務を負ったブレードランナー。対するレプリカントにとっては、寿命がわずか4年しかない中で生き残るための自衛の戦いとも言えるわけですから。


レプリカントというだけで抹殺されるレプリカント。その存在は専用の装置をセットして質問を繰り返すという複雑な検査しないと人間と区別できないほど。何が人間と違うというのか。本作はそんな倫理的・哲学的な要素も含んでいます。


レプリカントは架空の記憶を移植されていることから、自分がレプリカントであるという認識さえ持たない場合もあります。レプリカントのアイデンティティにまで踏み込むことで、そうした要素がより深まっています。


自分がレプリカントと知り困惑するレイチェル(ショーン・ヤング)。そんな彼女に惹かれていくデッカード。レイチェルもまた抹殺の対象になることで、デッカードの立場が複雑さを帯びていきます。


取り締まる側の立場の主人公が、取り締まられる側の女性に惹かれ、複雑な立場に置かれるというのは映画『華氏451』と共通しますね。同作も倫理的・哲学的な要素を含んでいました。


さて、そうした複雑な立場に置かれたデッカードでしたが、本作では彼の内面が特別踏み込んで描かれてはいませんでしたね。終盤はレイチェルの登場シーンも少ないですし。


どちらかと言えば、敵のレプリカントのロイ(ルトガー・ハウアー)との対決が、アクションのみならずドラマ的にもクライマックスになっていました。急にハトが出てきたのは、ジョン・ウーの映画かと錯覚してしまいましたが(笑)。


レプリカントの悲哀が溢れたロイの最後の独白は素敵でした。引用しておきます。

 

I’ve seen things you people wouldn’t believe.

俺はお前ら人間には信じられないようなものを見てきた。


Attack ships on fire off the shoulder of Orion.

オリオン座の近くで炎に包まれた戦艦。


I watched C-beams glitter in the dark near the Tannhäuser Gate.

タンホイザー・ゲートの近くで闇に輝くCビーム。


All those moments will be lost in time, like tears in rain.

そんな瞬間も時が来ればすべて失われる。雨の中の涙のように。


Time to die.

死ぬ時が来た。

 

サイバーパンクの代名詞

さて、ここまでフィルム・ノワール的な要素を多分に含んだ本作の物語について書き連ねておいて言うのもなんですが、個人的には本作の物語をさほど面白いとは思いません(笑)。本作の魅力は"物語"ではなく"雰囲気"にあると思っています。


撮影、美術、メイクアップ、衣装、そしてヴァンゲリスによる音楽。それらによって作られる本作の雰囲気は、当時の他の映画にはないものでしょう。


高層ビルがびっしりと立ち並ぶ都市の情景。中でもマヤのピラミッドのようなタイレル社の造形は異様な雰囲気を放ちます。


繁華街には日本食の屋台やら芸者の広告、日本語の看板など、やけに日本要素が目立ち、無国籍なロサンゼルスを形作っています。街の輝きは雨で濡れた地面に反射します。そして、夜の街はもちろん、昼間でも、あるいは室内ですらも、薄暗い空間。リドリー・スコット監督の十八番とも言える逆光やスモークを生かした演出もこの空間によく映えます。


こうして形作られた本作独自の雰囲気は、後の様々な作品に影響を与え、本作はサイバーパンクと呼ばれるジャンルの代名詞とも言える作品になっています。

 

最後に

今回は映画『ブレードランナー』の解説&感想でした。SF映画としては地味で、個人的には物語として面白いとは思えませんが、当時の他の映画にはない独自の雰囲気が魅力の作品でした。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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