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映画『レディ・プレイヤー1』解説&感想 ポップカルチャーネタが満載の超豪華なエンターテインメント

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どうも、たきじです。

 

今回は2018年公開のアメリカ映画『レディ・プレイヤー1』の解説&感想です。

 

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作品情報

タイトル:レディ・プレイヤー1

原題  :Ready Player One

製作年 :2018年

製作国 :アメリカ

監督  :スティーヴン・スピルバーグ

出演  :タイ・シェリダン
     オリヴィア・クック
     ベン・メンデルソーン
     リナ・ウェイス
     T・J・ミラー
     サイモン・ペッグ
     マーク・ライランス
     フィリップ・チャオ
     森崎ウィン
     ハナ・ジョン=カーメン
     ラルフ・アイネソン

上映時間:140分

 

解説&感想(ネタバレあり)

本作の舞台は2045年。VR端末を使って"オアシス"という仮想空間で人々が交流する近未来です。10年、20年前だとSF感満載の映画だったでしょうが、VR技術が進歩し、メタバースの概念も浸透してきた現在では、割と現実的な作品として受け入れられます。


近未来の物語なのに、オープニングでいきなり流れるのはヴァン・ヘイレンの「ジャンプ」。どういう選曲だよ、と違和感を覚えますが、作品の中でも80年代前後のポップカルチャーのネタが満載。


オアシスの開発者であるハリデーが80年代前後のポップカルチャーの中で育ったので、オアシス内にもそれが反映されているということですね。その影響か、パーシヴァル(タイ・シェリダン)やアルテミス(オリヴィア・クック)ら登場人物も随分とそうしたカルチャーに精通しています。


私はハリデーよりは10年程度後の世代ということになるでしょうが、それでも馴染み深いネタは多く、そうしたネタだけでも十分過ぎるくらいに本作を楽しく見ることができました。

 


パーシヴァルは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンに乗り、アルテミスは『AKIRA』のカネダ・バイクに乗っています。最初の試練のレースでは、『ジュラシック・パーク』のティラノサウルスや、『キング・コング』のコングが登場します。


また、エイチ(リナ・ウェイス)が終盤に使うアバターは『アイアン・ジャイアント』の巨人。日本ではそこまでメジャーではない作品ですが、あちらではもっとポピュラーなのでしょう。序盤の顔見せだけかと思っていたので、動き出した時には興奮しました。溶岩に沈む時の『ターミネーター2 』のパロディも最高でした。

 


何よりクライマックスでは、日本のポップカルチャーがフィーチャーされているのも興奮ポイントですね。メカゴジラの登場に加え、ゴジラのテーマ曲のモチーフが流れるのも痺れましたし、その後、最高の流れでガンダムが登場するのもたまりません。「俺はガンダムで行く」には拍手してしまいましたよ。


パーシヴァルがソレントにかます波動拳も決まっていましたね。『ストリートファイター』のキャラクターは、リュウとか春麗とか、劇中もチラチラ映っていました。


原作には、ウルトラマンや、東映版『スパイダーマン』に登場する巨大ロボのレオパルドンなんかも登場するとか。ウルトラマン見たかった!


それから忘れてはならないのが映画『シャイニング』ネタ。会話に出てくるだけかと思いきや、同作の舞台のホテルがそのまま登場するというまさかの流れ。同作を一度見たら忘れない、文字がタイプされた紙、双子の少女、血の洪水、壁の写真、裸の女、ドアを突き破る斧が立て続けに登場する展開は見事なものでした。

 


映像で表現されるものにとどまらず、会話の中にもネタは満載。『スーパーマン』のレックス・ルーサーの台詞、ニンテンドー64のゲーム『ゴールデンアイ』(映画『007/ゴールデンアイ』のゲーム)、ジョン・ヒューズの話題なんかもそうですが、映画ファンとしては『市民ケーン』の"バラのつぼみ"の引用に反応してしまいますね。


『市民ケーン』の冒頭、ケーンは"バラのつぼみ"という言葉を呟いて息を引き取ります。"バラのつぼみ"がケーンという人物を紐解く鍵であり、関係者への取材を通してその意味を探求する物語でした。本作でも、試練をクリアするための鍵となる人物を同作の"バラのつぼみ"になぞらえています。


ちなみに同作で登場する"バラのつぼみ"が描かれたアレは撮影のために複数作られ、残った1つが競売にかけられました。落札者は本作のスティーヴン・スピルバーグ監督(後に博物館に寄贈)。スピルバーグ監督にとって思い入れの深い作品であることが分かります。


ところで、本作には様々な他作品のキャラクターがクロスオーバーでゲスト出演していること考えると、著作権交渉は相当大変だったことが想像できます。著作権交渉する上で、名高いスピルバーグが監督するというのは、大きなポイントになったでしょう。本作は、内容的には新進気鋭の若手の監督が撮りそうな映画ですが、スピルバーグが監督を務めたのはそういった点でも良かったのかもしれませんね。

 

さて、本作に散りばめられたポップカルチャーネタのことばかり述べてきましたが、本作はストーリーもよくできています。


言ってしまえば、仮想空間内での宝探しの話ですが、そこに悪どい企業が参戦してきて主人公達と対立軸が生まれるというストーリーの構図は面白いです。そして何より、仮想空間内での出来事と現実世界での出来事がうまくリンクしながら繰り広げられる攻防が見事です。


同時進行している複数の次元の出来事がリンクしながらアクションが繰り広げられるというと、『マトリックス』やら『インセプション』やら、様々な先輩がいるわけで、本作(原作を含め)も当然それらを礎として製作されたものでしょう。そうした作品である程度見慣れていてもこんなに面白いのだからすごいものです。もしこの手の映画の1発目でこのクオリティだったら、歴史に残る映画になったでしょうね。


終盤の怒涛の展開も見事でした。現実世界に戻ったかのようにソレントを欺くというひねりの効いた展開から、パーシヴァルがオアシスのユーザー達に語りかけることで皆が終結するという熱い展開へ。アルテミスの活躍によるシールド解除、ガンダムの活躍を含む大規模アクション、上述の波動拳、そしてエクストラライフのコインによるパーシヴァルの復活など、熱い展開が畳みかけられます。


ハリデーが用意した3つ目の試練は『アドベンチャー』というゲーム。世界で初めてイースターエッグ(隠し要素)を取り入れたゲームだそうですが、私は全く存じ上げませんでした。普通にクリアするのではなく、イースターエッグである作者の名前を表示させるプレイが試練をクリアする条件。ハリデーの試練自体がイースターエッグを探す試練であることに掛かっていると同時に、クリエイターに対する敬意が感じられて、実にうまいですね。

 

最後に

今回は映画『レディ・プレイヤー1』の解説&感想でした。様々な作品のキャラクターがクロスオーバーでゲスト出演するなど、ポップカルチャーネタが満載なことに加え、ストーリーも秀逸で、豪華なエンターテインメント映画に仕上がっています。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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