映画『ダークナイト ライジング』解説&感想 傑作トリロジーの最終章!

どうも、Takijiです。

 

今回は映画『ダークナイト ライジング』の感想です。クリストファー・ノーラン監督によるバットマン三部作(ダークナイト ・トリロジー)の最終章です。

 

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作品情報

タイトル:ダークナイト ライジング

原題  :The Dark Knight Rises

製作年 :2012年

製作国 :アメリカ

監督  :クリストファー・ノーラン

出演  :クリスチャン・ベール

     マイケル・ケイン

     ゲイリー・オールドマン

     アン・ハサウェイ

     トム・ハーディ

     マリオン・コティヤール

     ジョセフ・ゴードン=レヴィット

     モーガン・フリーマン

     マシュー・モディーン

上映時間:165分

 

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解説&感想(ネタバレあり)

悲愴感漂う最終章

本作は、前二作にあった様々な要素を含みながらも、前二作には無かった悲愴感が漂う作品となっています。


今回の敵は、第一作の悪役だったラーズ・アル・グールの遺志を継ぐベイン(トム・ハーディ)。ゴッサムを外部から孤立させ、ゴッサム市警の大多数を地下に閉じ込め、刑務所の囚人を解放し、金持ちや権力者に対する市民の蜂起をけしかけます。こうしてゴッサムの秩序を破壊した上で、中性子爆弾によってゴッサムを破滅させようとします。その周到な計画や、一般の市民をけしかけて秩序を破壊する様は、前作のジョーカーを思い起こさせます。


一方、前作のラストでデントの罪を被ったバットマン=ブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)は、世間の敵となり、身体も過去の闘いで満身創痍。あれから8年が経過し、バットマンも事実上の引退状態で、大富豪ブルース・ウェインとしても表舞台に姿を現さなくなっています。


ブルースはベインの策略によって破産。バットマンとして復帰するも、知性だけでなく強靭な肉体も持つベインに叩きのめされ、世界の果ての穴蔵の牢獄"奈落"に囚われてしまいます。さらには、ウェイン産業の秘密の倉庫にあるバットマンの兵器もすべてベインに奪われてしまいます。


このように、ゴッサムに危機が訪れる中、前二作ではとても頼もしいヒーローだったバットマンもすべてを失ってしまうという絶望的な状況で、これまでにはない悲愴感が漂います。


クライマックスに濃縮された興奮

このような危機的な状況が続くが故に、それを脱していく過程には興奮させられます。ブルースが牢獄から抜け出し、ゴッサムに帰還してからのクライマックスには興奮が濃縮されています。


橋塔にバットシグナルの形の炎が燃え上がり、ゴッサムにバットマンの帰還が示されます。職務を放棄し家族と家に閉じこもっていた市警副本部長(マシュー・モディーン)も再び立ち上がり、市警を率いてベインの一味と闘います。ジム・ゴードン市警本部長(ゲイリー・オールドマン)達は中性子爆弾を起爆させないために、起爆の電波を妨害する装置を爆弾に取り付けようと奮闘します。若く熱意あふれる警官のジョン・ブレイク(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は子供達を市外に避難させようと奮闘します。爆発の時間が迫る中、これらをクロスカッティングで緊張感たっぷりに描写しています。


ラーズ・アル・グールの子として"奈落"で生まれ、子供の頃に"奈落"から抜け出したのがベインと思われていましたが、それはベインではなく、味方だと思っていたミランダ(マリオン・コティヤール)だったという意外な展開も驚きました(原作に詳しい人ならベインがラーズの子ではないことは知っていたのでしょうが)。しかし、黒幕がミランダだったことで、ベインというキャラクターの魅力は半減してしまいます。もともと、前作のジョーカーに比べてビジュアル的にも面白味がないキャラクターでしたが、これで余計にしょぼくなってしまった印象です。演じたトム・ハーディは、作品ごとに印象の違う役柄を卒なく演じる、いい役者だと思いますが。


さて、バットマンはベインとの闘いに勝利しますが、味方だと思っていたミランダに脇腹を刺されてしまいます。ここで現れるのがキャットウーマン(アン・ハサウェイ)。ゴッサムから出る道を開通させたら逃げると言っていた彼女がパットポッドで颯爽と現れてバットマンのピンチを救います。バットマンと共闘し、爆弾を乗せたトラックで逃げるミランダを追いかけるチェイスシーンも迫力満点です。悪役のベインが魅力に欠ける一方、こちらのキャットウーマンは圧倒的魅力を放っています。


そして最後はやはりバットマンが魅せます。爆発の時間が迫った爆弾を、飛行艇"バット"に乗せて海に運びます。去り際に、ゴードンから「市民は自分達を救ったヒーローの正体を知るべきでは?」と問われたバットマンは答えます。


「ヒーローはどこにでもいる。少年の肩にコートをかけ、世界の終わりではないと励ますような男だ」


これはもちろんゴードンのこと。両親を殺されて呆然とする幼いブルースを励ましたのが若き日のゴードンでした(『バットマン ビギンズ』)。これでゴードンはブルース・ウェインがバットマンであることを知ります。名乗るのではなく、2人にしか分からない表現で遠回しに伝える格好良さよ!『バットマン ビギンズ』の感想でも触れましたが、レイチェルに名前を問われた時の答え方もこういう形でしたね。


思えば、映画におけるクリストファー・ノーラン監督の語り口も似たところがあります。説明的な台詞やシーンを設けてわざとらしく説明するのではなく、ストーリーが展開していくに連れて詳細を明らかにしていく語り口は、とても格好良いです。


余韻を残すエピローグ

爆弾とともに散ったかに見えたバットマンでしたが、エピローグでは"バット"の自動操縦機能がブルースによって修正されたことが明らかになり、バットマンが生きている可能性が示唆されます。そして、アルフレッド(マイケル・ケイン)がかつて語ったことが現実となります(フィレンツェのカフェでブルースを見かけるが互いに声もかけない。でも、その姿を見ればブルースが幸せだと分かる)。お互いに目を合わせてうなずくだけというのがいいです。最初見た時は、「いいシーンだけどこんな偶然あるか?」と思いましたが、遺品から消えていたネックレス(キャットウーマンが映画冒頭で盗んだやつ)に発信機が付いているからアルフレッドにはブルースの居場所が分かったのですね。そのためにネックレスだけ遺品から抜いて持っていったと思うと、なんとも粋な計らいです。


一方、これと同時に描かれる、ブレイクのその後を描いたシーンでは、彼の本名がロビンということが明らかになります。ロビンと言えば、バットマンの相棒で、前シリーズでは『バットマン フォーエヴァー』からクリス・オドネルが演じたキャラクターです。やがてブレイクはバットマンの洞窟に辿り着きます。バットマンがブレイクに「一人で闘うならマスクを着けろ」と言っていることも踏まえると、バットマンの相棒という形ではないにせよ、彼がバットマンの後継者になることの示唆でしょう。


このエピローグでは、登場人物それぞれのその後をカットバックで切り替えながら見せていきます。次のカットの音声を、カットが切り替わる前に聞かせる"Jカット"と呼ばれる編集技法を用いて、テンポよくシームレスにカットをつないでいます。背景に流れるハンス・ジマーの音楽がまた良く、見るものをワクワクさせつつ、映画は終わっても彼らの物語はこれからも続いていくのだという余韻を残してくれます。

 

最後に

今回は映画『ダークナイト ライジング』の解説&感想でした。前作が凄すぎた分、前作に比べるとどうしても見劣りするものの、そこはクリストファー・ノーラン監督。素晴らしい作品に仕上がっていると思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

 

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