どうも、Takijiです。
3月21日、メジャーリーグ、シアトル・マリナーズのイチロー選手が引退を発表しました。
イチロー選手は私が子供の頃から野球界のスーパースターで、私が見てきた野球界には常にイチロー選手がいました。NPBで9年、MLBで19年という長い年月、野球界を盛り上げてくれたイチロー選手には感謝しかないです。
3月21日の試合で、彼が途中交代でグランドを去り、チームメイト達に迎えられる様子を見て、思わず涙がこぼれました。試合後に行われた引退会見を見て、感じたことを書きたいと思います。
イチロー選手の引退会見に思うこと
イチロー選手のストイックさ
“他人より頑張ったということはとても言えないですけど、自分なりに頑張ってきたとははっきりと言える ”
“たぶん明日もトレーニングをしていますよ。それは変わらないでしょうね。僕はじっとしていられないから。動き回っているでしょうね” (これからの膨大な時間をどう使うかという質問に対して)
“僕、我慢できない人なんですよ。楽なこと、楽なことを重ねているという感じなんですよね”(「一番我慢したものは」の質問に対して)
イチロー選手がストイックにトレーニングを続け、日々入念に準備をしてきたからこそ、怪我もほとんどなく、ここまで野球を続けてこられたことをみんな知っています。それでも他人より頑張ったとは言えないと言い切り、やりたいことを我慢せずにやっているだけと言えるのが、本当にかっこいいです。
イチロー選手が語るからこそ刺さるメッセージ
“自分が熱中できるもの、夢中になれるものを見つければそれに向かってエネルギーを注げるので、そういうものを早く見つけてほしいと思います”(子供たちへのメッセージ)
“遠回りをすることでしか本当の自分に出会えないというか、そんな気がしているので”
“できると思うから挑戦するのではなくて、やりたいと思えば挑戦すればいい。その時にどんな結果が出ようとも後悔はないと思うんですよね”
“つらいこと、しんどいことから逃げたいというのは当然のことなんですけど、でもエネルギーのある元気のある時にそれに立ち向かっていく。そのことはすごく人として重要なことではないかと感じています”
やりたいことに挑戦すること、しんどいときに立ち向かうこと、遠回りでも、間違ったことかもしれなくても地道に進むこと。よく言われそうな言葉ですが、それを実行して成し遂げたイチロー選手が言うからこそ突き刺さる言葉です。時々、読み返したい言葉ですね。
変わったこと、変わらなかったこと
“ある時までは自分のためにプレーすることがチームのためになるし、見てくれる人も喜んでくれるかなと思っていたんですけど、(中略)人に喜んでもらえることが一番の喜びに変わってきた”
“現在はそれはまったくないです。今日の段階でまったくないです”(前のマリナーズ時代に感じていたという孤独を、ずっと感じながらプレーしたのかという質問に対して)
イチロー選手が前のマリナーズ時代に、一部チームメイトから疎まれていたことがあったようです。チームが低迷する中で、ただ一人安定した成績を残し、毎年のようにオールスターに選出されるイチロー選手に対する妬みもあったのでしょう。
彼が感じていた孤独はそういう状況による部分も少なからずあったと推測します。そういう状況からか、彼が通算安打数などの節目の記録を達成した時も、球場の電光掲示板に記録を表示しないでほしいと申し出たこともあったと聞きます。
その頃とは違い、息子くらいの世代の選手達に慕われ、イチロー選手が数々の記録を塗り替えるたびに自分のことのように喜んでくれる彼らとともにプレーするうち、少しずつイチロー選手自身も変わっていったのではないでしょうか。
彼が様々な記録を塗り替えた時によく言っていた「特別な瞬間というのは、自分の記録が作るものでなく、周りのみんなが作ってくれるもの」という言葉が思い出されます。
“野球のことを愛したことだと思います。これは変わることはなかったですね”(「イチロー選手が貫いたものとは」の質問に対して)
“純粋に楽しいということではないんですよね。やっぱり、誰かの思いを背負うというのは、それなりに重いことなので”
MLB通算3000本安打を放った際の会見で、「プロとしては子供の時のようにというのは無理だが、もう少し感情を出していければ」という趣旨のコメントがありました。その時にも感じましたが、野球への愛を貫きながらも、大変なものを背負って野球をしてきたイチロー選手には感服するばかりです。
ファンへの想い
“死んでもいいという気持ちはこういうことなんだろうなと。死なないですけど。そういう表現をする時ってこういう時なのかなと思います。”(ファンが自分のために球場に残ってくれたことに対して)
本当にいい言葉ですね。遅くまで球場でイチロー選手の登場を待ったファンの大歓声はイチロー選手が残したものの大きさです。
家族の支え
“僕はゆっくりする気はないけど、妻にはゆっくりしてほしいと思います”
イチロー選手を支え続けた弓子夫人にもお疲れさまでしたと言いたいですね。ホームゲームの日にはいつも夫人の握ったおにぎりを持って行って食べていたという話がありました。2800個くらいに終わってしまったようで、イチロー選手が3000本安打の大偉業を達成したように、おにぎりの数も3000個まで握らせてあげたかったというエピソードも、いい話です(泣)
“毎日フラフラなんですけど、懸命に生きているんですよね。その姿を見ていたら、それは俺がんばらなきゃなと”(18歳になる愛犬・一弓について)
一弓って、もう3代目くらいなんだと勝手に思っていたのが申し訳ないです。彼もまたイチロー選手を支えていたのですね(泣)
イチロー選手のいない野球界の未来
“(野球は)頭使わないとできない競技なんですよ、本来は。でもそうじゃなくなってきているというのがどうも気持ち悪くて。(中略)日本の野球は頭を使う面白い野球であってほしいなと思います”
最近のメジャーリーグの野球は、とにかくデータが重視されます。スイングスピードや打球の初速など、あらゆるデータがとられ、それで選手の価値が評価されます。イチロー選手のような技術と頭を駆使した“面白い野球”が失われることに、やきもきする部分があったようです。
データが野球を面白くする部分は確かにあると思いますが、データで測れない魅力を持った選手が埋もれてしまうのであれば、それは悲しいことですね。
“世界一の選手にならなきゃいけないですよ”(エンゼルスの大谷選手について)
28年ぶりに訪れる“イチロー選手がいない野球界”。イチロー選手はいなくなりますが、彼に憧れて野球をしてきた世代がこれからの野球界を作ります。大谷選手をはじめとして、イチロー選手の影響を多大に受けた選手達の活躍に期待です!
最後に
重ね重ね、このスーパースターと同じ時代を生きられたことを幸運に思います!
イチロー選手、お疲れ様でした!
本当にありがとうございました!