映画『スパイダーマン:スパイダーバース』感想 新時代のストリート系スパイダーマン!

どうも、Takijiです。

 

公開中の映画『スパイダーマン:スパイダーバース』を見てきました!

2018年のアカデミー賞の長編アニメ映画賞を受賞した作品です。

 

 

作品情報

タイトル:スパイダーマン:スパイダーバース

原題  :Spider-Man: Into the Spider-Verse

製作年 :2018年

製作国 :アメリカ

監督  :ボブ・ペルシケッティ

     ピーター・ラムジー

     ロドニー・ロスマン

声の出演:シャメイク・ムーア

     ヘイリー・スタインフェルド

     リーヴ・シュレイバー

     マハーシャラ・アリ

     リリー・トムリン

     ジェイク・ジョンソン

     ニコラス・ケイジ

上映時間:117分

 

映画『スパイダーマン:スパイダーバース』感想(ネタバレあり)

異次元との交錯

スパイダーマンの主人公と言えばピーター・パーカーですが、本作は、ピーターと同様に突然変異のクモに噛まれて特殊能力を得た高校生マイルス・モラレスが主人公。悪役キングピンに殺害されたピーターの意思を継ぐため、戸惑いながらスパイダーマンとして訓練を始めるマイルスの前に、異次元から別のピーター・パーカーが飛ばされてきます。このピーターを初めとして、異次元から飛ばされてきた他の様々なスパイダーマンに力を借りながら、マイルスが危機に立ち向かっていくストーリーです。

 

もともと、スパイダーマンのマーベル・コミックはマルチバース(Multi + Universe:多元宇宙)の世界観で、シリーズによって設定の異なる様々な世界が存在します。実写映画でも、サム・ライミ監督の『スパイダーマン』シリーズ(2002~2007年)、マーク・ウェブ監督の『アメイジング・スパイダーマン』シリーズ(2012~2014)、そして“マーベル・シネマティック・ユニバース”としてアベンジャーズと同じ世界で現在進行しているシリーズと、3つの次元が存在しています。

 

本作は、そうした複数の次元が存在するスパイダーマンの世界をミックスさせるという斬新なストーリー設定。そこがまず面白くて、感心させられます。スパイダーバースというのは、そうしたマルチバースが交錯する、スパイダーマン世界(Spider + Universe)と解釈すればいいでしょうか。

 

高揚感のあるストーリーとアニメーション表現

本作は主人公マイルスが、突然手に入れた特殊能力に戸惑いながら、そして父との関係に悩みながら、自分の進むべき道を見つけていく成長物語でもあります。

 

自分の将来を勝手に決める堅物の警官の父と違い、友人のように接することのできるアウトローな叔父アーロンをマイルスは慕っています。そんなアーロンが、スパイダーマンである自分を殺そうとしている敵のプロウラーの正体だったという衝撃の展開。

 

やがてアーロンの死にも直面し、身近な大切な人を失う悲しみ、それを一人で抱え込まなくてはならない孤独感を味わいます。それらを分かち合える唯一の存在である他のスパイダーマン達にも支えられてやがてマイルスは自分の道を見つけます。

 

黒地に赤のスプレーを施したオリジナルのコスチュームに身を包み、敵と闘うスパイダーマン達を助けに向かうシーンの高揚感!ここは映画のハイライトの1つと言っていいでしょう。

 

また、叔父アーロンから女の子を口説くための技として教わる“肩ポン”は、序盤から中盤のエピソードの中で観客にしっかり印象付けた上で、ストーリーの山場で伏線回収するのが見事。ただし“肩ポン”という日本語訳は、マイルスやアーロンらストリート系の人達がまず使わなそうな表情なので違和感がありましたね(笑)

 

ラストでの父親との和解では、電話での会話で雪解けした後に、スパイダーマンとして現れて父親にハグし、ある種のユーモアとして“愛してるよ”と伝えるあたり、マイルスの思春期らしい照れが垣間見えて、なかなか良かったですね。

 

高揚感という点で言えば、アニメーション表現も特筆すべきもの。CGの表現による目まぐるしさや迫力のみならず、コミックを意識したギミック、異次元空間のアーティスティックな色使いなど、見ていて飽きないです。

 

もともとスパイダーマンの映画は、スイングに疾走感があって、映画山場では多分に高揚感がありますが、本作は上記のストーリーやアニメーション表現で、それが存分に引き出されていました。

 

スパイダーマンの“多様性”

昨今、“多様性”というのは社会の大きなトレンドの1つで、ハリウッドでも流行っていますね。2016年のアカデミー長編アニメ映画賞を受賞した『ズートピア』もそうでしたが、本作もそんなトレンドに乗って、うまく作ったなという印象です。

 

これまでのスパイダーマンが、白人のコミュニティを描いたコミックであり、映画であったのに対し、今回の主人公のマイルスはアフリカ系とラテン系のハーフです。

 

その他のスパイダーマン達もじつに多様。

 

初代のスパイダーマンは、ご存知、白人男性のピーター・パーカー。このピーターの次元では彼は中年で、妻のMJと離婚し堕落した生活を送っています。本作はこのピーターがマイルスへの指導や敵との闘いを通して再生していく物語でもあります。

 

スパイダー・グウェンは白人女性のグウェン・ステイシー。普段はピーター・パーカーの恋人として登場する彼女ですが、このグウェンの次元ではピーターではなく彼女がクモに噛まれて特殊能力を身に着けています。

 

スパイダーマン・ノワールはフィルム・ノワールから飛び出してきたハードボイルドな刑事ようなキャラクター。モノクロ世界から来た彼はルービックキューブに興味津々。

 

スパイダー・ハムはいわゆるカートゥーン・アニメから飛び出してきたようなブタのようなスパイダーマン。どことなく手塚治虫のキャラクターっぽいと感じるのはヒョウタンツギに似ているからかな?目の形とか、豚の鼻とかが似ているし、クモの巣模様とツギハギ模様がかぶるせいでしょう。

 

ペニー・パーカーは日系アメリカ人の女子高生。こちらは日本のアニメから飛び出してきたようなキャラクター。ロボットを操って闘います。スパイダー・ハムではなく、こちらがアニメ・漫画枠ですね。

 

このように、人種、性別、年齢、バックグラウンドの異なるキャラクターが協力して闘うという、多様性を肯定した映画は、今のハリウッドでよく受けます。LGBTのキャラクターがいないのが不思議なくらいですね。いや、スパイダー・ハムあたりが実はゲイかもしれません(笑)

 

最後に

スパイダーマンという人気コミックを題材に、今の時代にあった新生スパイダーマンとして見事に仕上がった作品でした!アカデミー長編アニメ映画賞も当然の結果と言えるでしょう。

 

本作公開直前、スパイダーマンを初めX-メンやアイアンマンなど、マーベルの様々なキャラクターを生み出したスタン・リー氏が亡くなられました(本作でもマイルスがスパイダーマンのスーツを買うシーンでカメオ出演されています)。改めて彼の偉大な功績に敬意を表したいです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!