どうも、たきじです。
今回は映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の感想です。スター・ウォーズ・シリーズとしては、1977〜83年に公開されたエピソード4〜6の三部作、1999〜2005年に公開されたエピソード1〜3の三部作に続く、第3の三部作の第一作で、エピソード7に当たります。
作品情報
タイトル:スター・ウォーズ/フォースの覚醒
原題 :Star Wars: The Force Awakens
製作年 :2015年
製作国 :アメリカ
監督 : J・J・エイブラムス
出演 :ハリソン・フォード
マーク・ハミル
キャリー・フィッシャー
アダム・ドライバー
デイジー・リドリー
ジョン・ボイエガ
オスカー・アイザック
上映時間:136分
感想(ネタバレあり)
新しい物語の始まり
本作で描かれるのは、エピソード6でルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)、レイア・オーガナ(キャリー・フィッシャー)、ハン・ソロ(ハリソン・フォード)達の活躍によって帝国が滅んでから約30年後の世界。帝国の残党が組織した"ファースト・オーダー"が台頭しており、レイアはファースト・オーダーと戦う"レジスタンス"を率いる将軍となっています。
本作で物語の中心となるのは、惑星ジャクーで廃品を売って生計を立てるレイ(デイジー・リドリー)。彼女はやがてレジスタンスの闘いに巻き込まれていきます。そして彼女と共に戦うのが、ファースト・オーダーの脱走兵でレジスタンスに加わるフィン(ジョン・ボイエガ)、レジスタンスのパイロットであるポー・ダメロン(オスカー・アイザック)。一方、敵のファースト・オーダーで中心となるのは、カイロ・レン(アダム・ドライバー)。彼はハン・ソロとレイアの子でありながら、ダークサイドに落ちてファースト・オーダーの幹部となっています。
主役級のレイが女性であったり、フィンが黒人であったりするのは、近年流行りの"多様性"を意識してのことでしょうか。ファースト・オーダーの幹部の1人であるキャプテン・ファズマも女性です(撮影開始が差し迫った段階で女性に変更されたのだとか)。
シリーズの中に定着している過去作のキャラクター達に比べると、どうしても新キャラの魅力は低めに感じてしまいます。ダース・ベイダーのようなマスクを被ったカイロ・レンはビジュアル的な面白みはあるものの、キャラクター自体にベイダーのような魅力は感じられません。ヒステリックにライトセイバーを振り回して物に当たる様子や、ベイダーに憧れて、さしたる理由もなくマスクを被っている(ベイダーのそれは生命維持装置だが)あたり、青臭さが強いです。続編で、光と闇の間で揺れる悩める男としての魅力が出ていればいいのですが…
個人的には、ポーの相棒のドロイドのBB-8(過去作のR2-D2の役回り)が、新キャラとしては一番魅力を感じました(笑)。本体部がボールのように転がって移動するこのキャラクターは、映像表現の自由度が技術的に高まった現代ならではのキャラクターで面白いです。
懐かしいキャラクター達
新キャラクターが多数登場する一方で、過去作のキャラクター達も多数登場します。
ミレニアム・ファルコンに始まり、ハン・ソロ、チューバッカ、レイア、C-3POとお馴染みのキャラクターが次々に登場するのはうれしい限り。R2-D2はルークが失踪して以来スリープ状態でしたが、映画の最後には復活してルークの居場所を示します。そしてラストシーンでは、満を持してルーク・スカイウォーカーも登場します。
こうした過去作のキャラクターのその後が見られるのはそれだけで楽しいですが、彼らも相変わらずメインストーリーの中で活躍します。過去作に馴染みのある者としては、これはうれしいことですが、一方で、上にも触れたように新キャラクターの魅力はかすんでしまいます。
そういう意味では、ハン・ソロのショッキングな死は、少しずつ過去作の色を薄めていこうという製作陣の意識の表れでしょうか。過去作のキャラクターの魅力で観客を惹きつけつつ、三部作通して徐々に新キャラクターの比重を増やしていく作戦かな?
ここまで過去作のキャラクターが出てくるのなら、シリーズの顔の1人であるヨーダの姿も拝みたかったですね。まあ、ヨーダはもう死んでますけど、ジェダイって死んでからも霊体みたいな感じで出てきますよね?設定をよく理解していないのですが、出てこれる条件が何かあるのかな?なんなら、アナキン(ダース・ベイダー)が霊体で出てきて、カイロ・レンに説教でもすれはいいのに、なんて思っちゃいました(笑)
良くも悪くもスター・ウォーズ
本作のストーリーや演出は過去作をかなり意識したものになっています。"新しいスター・ウォーズというよりは、これまでのスターウォーズらしさ満載で、過去作のファンを喜ばせようという姿勢が見て取れます。
カイロ・レンが師匠であるルークと袂を分かちダークサイドに落ちるのは、エピソード1〜3のアナキンとオビ=ワンを思わせますし、スターキラー基地の造形やその破壊はエピソード4のデス・スターを思わせます。ハン・ソロとカイロ・レンの親子が対峙する場所は、エピソード5でベイダーとルークの親子が対峙する場所(かの有名な"I am your father."の場所)によく似ています。
こうした既視感のあるストーリーや演出は、悪く言うと過去作の焼き直しとも言えます。新世代のキャラクターを多数出しつつも、カイロ・レンを新たな軸とした"スカイウォーカーの血筋"の物語が相変わらず続いているということです。"新しいスター・ウォーズ"を見たかった人には不満が出そうなものですが、本作は概ね好評のようですね。
私はと言えば、SWシリーズに特別な思い入れはないので、素直な気持ちでこのエンターテイメントを楽しませていただきました。
ハン・ソロがライトセイバーに貫かれた時には、レイ達と共に"NOOOO!"ってなりましたし、カイロ・レンとレイの闘いで、レンがフォースで引き寄せようとしたライトセイバーがレンを素通りしてレイの手に収まるシーンでは、「うぉぉぉ!」ってなりましたよ(笑)
前者のシーンでは、チューバッカの悲痛な叫びが印象的です。彼はすぐさまレンを撃ちますが、レンはハン・ソロの息子な訳ですから、チューバッカにとってもかつては成長を見守ってきた息子のような存在だったんじゃないかと想像して、より複雑な気持ちになりました。
後者のシーンの後には、レンとの闘いに勝利したレイを、ミレニアム・ファルコンで迎えに来るチューバッカ。ほんとできる奴なんですよ彼は!この闘いでレイがレンに勝利できたのもチューバッカがレンに傷を負わせていたおかげですからね。
最後に
今回は映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の感想でした。私は特別SWファンではないので、本作の公開を待ち望んでいたわけではないですが、それでも一映画ファンとして、公開当時は前のめりで見てしまいました。新しいシリーズの幕開けの作品としての十分に面白い作品でしたし、語るべきことをしっかり語りつつもすっきりとしたストーリーにまとまっていたと思います。
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