どうも、たきじです。
今回は1997年公開のアメリカ映画『フェイス/オフ』の解説&感想です。
作品情報
タイトル:フェイス/オフ
原題 :Face/Off
製作年 :1997年
製作国 :アメリカ
監督 :ジョン・ウー
出演 :ニコラス・ケイジ
ジョン・トラヴォルタ
ジョアン・アレン
ジーナ・ガーション
アレッサンドロ・ニヴォラ
ニック・カサヴェテス
ドミニク・スウェイン
コルム・フィオール
上映時間:138分
解説&感想(ネタバレあり)
荒唐無稽だが惹かれる設定
FBI捜査官のショーン・アーチャー(ジョン・トラヴォルタ)がテロリストのキャスター・トロイ(ニコラス・ケイジ)と顔を入れ替えて、刑務所に潜入する——。ジョン・ウー監督の『フェイス/オフ』は、率直に言って荒唐無稽な物語です。顔も体型も似ていない2人の姿形がそっくり入れ替わるというのはツッコミを入れずにはいられません(笑)。近未来の物語なんかではなく現代劇ですからね。
とは言っても、私はこの荒唐無稽を否定してはいません。荒唐無稽で大袈裟。しかしそれを迷いなく本気でやりきる。そんな映画、90年代には多かったですよね。同じくニコラス・ケイジ主演の『コン・エアー』なんかもそうですが、"理屈より勢い"って感じのエンタメが花開いていた時代です。特にジョン・ウー監督の演出は、そんな時代に絶妙にマッチしていています。そんなノリを理解し、受け入れさえすれば、本作は抜群に楽しめること間違いなしの作品です。
ちなみに、タイトルの "Face Off"は「対決」「対峙」を表す慣用表現で、本作のショーンとキャスターの因縁を表すタイトルになっていますが、同時に「顔を剥ぎ取る」という直訳もかけたダブルミーニング。映画のテーマを象徴する非常に巧いタイトルです。
冒頭から色濃いジョン・ウー演出
映画は冒頭からいきなりギアを上げます。キャスターが空港の滑走路に姿を現すシーンのスローモーション、背中には二丁拳銃。アクションシーンに入ると、横っ飛びで二丁拳銃を乱射。もちろんスローモーション。冒頭からもうジョン・ウー節が満載です。
そして飛行機を相手にしたチェイス。多数の車両とヘリコプターを総動員し、銃撃戦を交えたド派手な攻防が繰り広げられます。かと思えば、今度は隠れながら敵を追う緊張感のある静かな攻防へ。そしてショーンとキャスターの一対一の対峙。まるでクライマックスを最初に持ってきたかのような、贅沢すぎるオープニングです。
ショーンをとことん追い込む巧みな脚本
アクションシーンで観客を熱くさせるためには、単にアクション自体が素晴らしいだけでなく、ストーリーを盛り上げ観客を映画に入り込ませることが必要不可欠です。その点、本作の脚本が巧みなのは、主人公ショーン・アーチャーをとことん追い込み、観客を否応なくショーンに感情移入させている点です。
そもそも目の前で幼い息子を失うだけでもあまりに悲痛なところ、捜査のためとは言え、その息子を殺した男の姿になるという苦痛は計り知れません。さらには、その事実を知る仲間は全員殺され、自分はキャスターとして一生刑務所から出られない状況に追い込まれます。その一方で、キャスターはショーンになり変わり妻や娘と暮らし、捜査の場では事件を解決してヒーローに。ここまで追い込まれれば、観客がショーンに感情移入しないはずがありません。
まあ、ショーンの奥さんに対しては「血液型を調べるまでもなく、ショーンが偽物だと気づけよ」と思ってしまいますけどね(笑)。そういうツッコミどころを言い出したらキリがないですけど。
中盤も見せ場が連続
こうしてストーリーが整えば、あとはひたすらジョン・ウー流のアクションの畳みかけです。
中盤では、刑務所からの脱獄とディートリヒの家での銃撃戦が見せ場。
銃撃戦の最中に子供がヘッドホンで聴いている「虹の彼方に」(Over the Rainbow)をBGMにするというのは、暴力と無垢さを交錯させた詩的な演出です。
そして何より目を引くのは、鏡を挟んだショーンとキャスターの対峙。それぞれが鏡に向けた銃口の先にいるのは鏡に映った自分。すなわち本来の宿敵の姿です。これがやりたくて本作撮ったのかと思うほどに、本作ならではの見事な構図です。
演出極まるクライマックス
迎える映画終盤、最終対決に向けてシチュエーションが整い、物語がクライマックスに向かっていく様子に胸が高鳴る中、ジョン・ウー演出が全開になります。
スローモーション、厳かなコーラス、葬式と祈りのクロスカッティング、そして、ジョン・ウー作品に欠かせない鳩もついに登場です。それにしても相変わらず鳩が多すぎです(笑)。鳩は単なる背景ではなく、バサバサという羽音もしっかり加えられて前面に出されています。
緊張感が高まる中、やがてショーンの妻を挟んで銃を向け合うショーンとキャスター。
そこへ次々に敵味方が加わり、複数の銃口が複雑に絡み合う、いわゆるメキシカン・スタンドオフの構図になります。
これもジョン・ウーお得意の演出。私はこの構図を見るとクエンティン・タランティーノ監督の『レザボア・ドッグス』を思い出すのですが、タランティーノはジョン・ウーの影響を受けていますから、同作のスタンドオフもジョン・ウーの様式美を意識してのものかもしれませんね。
そして最後を飾るのは、90年代のアクション映画らしい派手なモーターボート・チェイス。やたらといろんなところで爆発が起こります(笑)。スローモーションもあってスタントマン丸わかりなのはご愛嬌。むしろこんなすごいアクションを生身の人間がやっているという、VFX全盛の今では得難い味わいさえも感じてしまうのです。
最後に
今回は映画『フェイス/オフ』の解説&感想でした。荒唐無稽だが惹きつける設定と、華麗なガンアクション、そして爆発を伴うド派手なアクション。勢いと情熱で観客を魅了する、90年代らしい楽しいアクション映画でした。
個人的な満足度:8/10
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