どうも、たきじです。
今回は映画『トゥルーマン・ショー』の解説&感想です。
ジム・キャリー主演で送る感動のコメディ映画。ゴールデングローブ賞ではジム・キャリーが主演男優賞、エド・ハリスが助演男優賞を受賞しています。
作品情報
タイトル:トゥルーマン・ショー
原題 :The Truman Show
製作年 :1998年
製作国 :アメリカ
監督 :ピーター・ウィアー
出演 :ジム・キャリー
ローラ・リニー
ノア・エメリッヒ
ナターシャ・マケルホーン
ホランド・テイラー
エド・ハリス
上映時間:103分
解説&感想(ネタバレあり)
本作の1番の魅力は、秀逸な脚本にあります。
トゥルーマン(ジム・キャリー)という1人の男の生活を、"トゥルーマン・ショー"というテレビ番組として24時間生中継し続ける。巨大なドームの中に世界を創り、トゥルーマン以外の人間はすべて俳優が演じている。トゥルーマンは少しずつ世界の"異常"に気付いていき、自分の人生を求めていく。
まずこのプロットが面白いですが、本作の脚本はそれに留まらず、しっかりと肉付けされています。
例えば設定の作り込み。"トゥルーマン・ショー"はCMのない24時間放送ですから、スポンサーの商品はトゥルーマンやその周りの人間が生活の中で愛用することで宣伝されます。トゥルーマンの奥さん(ローラ・リニー)が急にわざとらしく商品を褒める様子には笑ってしまいます。
また、例えばトゥルーマンが"異常"に気付いていく過程。空から照明が降ってきたり、死んだはずの父親らしき人物に遭遇したり、エレベーターの奥にある"舞台裏"を目撃したり。その度に、番組制作者側が、うまく誤魔化すための嘘のニュースを流すなどしてリカバーするのが面白いです。
そして、作品をドラマチックにしているのは、彼が想いを寄せるローレン(ナターシャ・マケルホーン)の存在でしょう。トゥルーマンが学生時代に出会い、別の女性と結婚してもなお忘れられずにいる女性です。
雑誌の切り抜きをコラージュして彼女への想いを馳せ、彼女がいる(と思っている)フィジーを目指すトゥルーマンと、外の世界からテレビ画面を通して彼を見守るローレン。そこが描かれているからこそ、終盤の"脱出劇"の感動が増しているのは間違いないでしょう。
本作は、映画が終盤に差し掛かるところで、ようやくプロデューサーのクリストフ(エド・ハリス)を始めとするスタッフ側の視点を見せます。ここで、ネタバラシ的にトゥルーマンの世界の仕組みを明らかにし、クライマックスへとストーリーが大きく動き出す構成になっています。
偽物の人生から脱出しようともがくトゥルーマンを、多数の視聴者が見守ります。トゥルーマンが脱出するということは、番組の終了を意味しますが、それにもかかわらず彼らがトゥルーマンを応援する姿は感動的です。
最後には、外の世界に出ようとするトゥルーマンに対し、クリストフがマイクで声をかけ、彼を説得しようとします。それに対するトゥルーマンの台詞、
「会えない時のために…、こんにちは、こんばんは、お休み。」
作中で繰り返し使われたこの台詞は、トゥルーマンの陽気な性格を表すものでしたが、今なお彼を番組に縛り付けようとするクリストフへのアンサーとして、ここぞというタイミングで使われます。
そして、この台詞と共にトゥルーマンが見せる表情。喜劇俳優ジム・キャリーが魅せる含みのある笑顔に痺れます。
さて、この"トゥルーマン・ショー"というリアリティ番組は、1人の人間の人権を完全に侵害しています。他者のプライバシーに踏み込み視聴者の関心を集めようとするマスコミの風刺が込められていますが、この番組を取り仕切るクリストフが"マスコミ嫌い"であるというのも皮肉が効いています。
また、マスコミのそうした行動を呼んでいるのは、本作の中にも描かれるように、他ならぬ"視聴者"です。彼らは、トゥルーマンの"脱出劇"に歓喜しつつも、放送が打ち切られて画面が砂嵐になった途端に次の番組を探し始めます。低俗な"ショー"を消費していく視聴者を風刺した、少しドキッとするラストでした。
最後に
今回は映画『トゥルーマン・ショー』の解説&感想でした。
素晴らしい脚本とジム・キャリーの熱演が光る名作ですね。ジム・キャリーはアカデミー賞の前哨戦とも言われるゴールデングローブ賞の主演男優賞を受賞したにも関わらず、アカデミー賞ではノミネートすらされず。喜劇俳優やアイドル系の俳優に冷ややかだったアカデミー賞なのでした…
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