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映画『ターミナル』解説&感想 軽いタッチのコメディ映画

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どうも、たきじです。

 

今回は、2004年公開のスティーヴン・スピルバーグ監督作品、映画『ターミナル』の解説&感想です。


母国でクーデターが発生し政府が消滅したことからパスポートが無効になってしまってアメリカに入国することができず、空港から出られなくなった男を描いたコメディ映画です。


パリのシャルル・ド・ゴール空港で18年暮らしたナーセリー氏がモデルであると言われています。

 

作品情報

タイトル:ターミナル

原題  :The Terminal

製作年 :2004年

製作国 :アメリカ

監督  :スティーヴン・スピルバーグ

出演  :トム・ハンクス

     キャサリン・ゼタ=ジョーンズ

     スタンリー・トゥッチ

上映時間:124分

 

解説&感想(ネタバレあり)

本作は、数々の大作映画を手がけてきたスティーヴン・スピルバーグ監督にしては随分とこじんまりした軽いタッチのコメディ映画。とは言え、作中の空港のターミナルは、実際の空港で撮影したわけではなく、格納庫の中にセットを丸ごと作ったというのだから、そのスケール感には驚かされます。見事に出来上がったセットの中を動き回るダイナミックな撮影も素晴らしいです。

 

ロマンスや感動の要素もある本作ですが、やはり本作の魅力は、空港から出られなくなるという特異なシチュエーションと、そこで繰り広げられるコメディでしょう。


ビクター(トム・ハンクス)が、ターミナルの中で暮らすようになり、英語を覚え、お金を稼ぐようになり、友達を作り、という過程には、ぐいぐい引き込まれます。

 

トム・ハンクスはシリアスな映画もうまいですが、もともとはコメディ系の俳優。やはり彼のコメディ演技は楽しくて好きです。


仕切りの付いた空港の椅子で横になるのに悪戦苦闘して椅子の間に挟まる様子!店舗の入口のガラスにぶつかってしまい、別の時にはぶつからないように手で確認する仕草!ちょっとした動作や仕草で笑いを取るのがうまいです。

 

空港でビクターを取り巻く仲間達も個性的。特に清掃員グプタ(クマール・パラーナ)。ビクターとアメリア(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)のディナーの席での曲芸には爆笑でした。


さて、本作は「待つ」をテーマとして、ビクターと周りの人々のドラマにうまく盛り込んでいるのもうまいですね。


空港を出てニューヨークへ足を踏み入れる日を待つビクター、相手が妻子ある身と分かっていながらも恋人からの連絡を待つアメリア、ドロレス(ゾーイ・サルダナ)へのプロポーズの答えを待つエンリケ(ディエゴ・ルナ)、そしてジャズミュージシャンからのサインを待ち続けて亡くなったビクターの父。


中でも、ビクターの父が待ち続けたサインが、本作の大きなキーとなっています。とは言え、ピーナッツ缶の秘密を終盤まで勿体ぶった割には、そこまでのエピソードでは無かったかなというのが正直なところでした。


クライマックスでは、友人達に仕事を失わせないために、父との約束を諦めて帰国しようとするビクター。それを知って自分を犠牲にしてビクターを助けるグプタ。ニューヨークに向かうビクターを見送る仲間達とターミナルで働く皆。ビクターにコートをかけて出口へと導く警備員。この畳み掛けには、ささやかな感動を覚えました("ヤギの薬"のエピソードと、その時の"手のコピー"も効いています)。


飛行機が旅行先の空港に着き、空港を出てその地に第一歩を踏み出すときの感動は多くの人が体験することだと思いますが、本作でビクターが雪の降るニューヨークに踏み出したときの感動は、それとは比べものにならないものでしょうね。空港のガラスに映るマンハッタンの摩天楼が印象的です。


冒頭述べたように、本作は軽いタッチのコメディ映画。そこまで深いドラマは描かれていませんね。本作のロマンス要素であるビクターとアメリアの関係にしても、2人が距離を縮め、やがて終わる様子はさらっとした描写で流れていく印象です。


ナポレオンにまつわるエピソードを引用した会話は素敵だし、キャサリン・ゼタ=ジョーンズはキャリア最高といっていいほど可愛く撮れているとは思いますが。


それよりもエンリケとドロレスのエピソードにひとこと言いたい!一度も直接会話せず、ドロレスに至っては相手のことを何も知らずに結婚するって、ファンタジーが過ぎる!


トレッキー(『スター・トレック』の熱狂的ファン)であるドロレスは、プロポーズの指輪を嵌めたのをエンリケに見せる時に中指と薬指の間を開いて見せます(🖖)。これは『スター・トレック』のバルカン人の挨拶"バルカン・サリュート"です。結局このネタやりたかっただけじゃないですか?


ちなみに、ドロレス役のゾーイ・サルダナは、本作から5年後にJ・J・エイブラムスによりリブートされた映画『スター・トレック』の新シリーズに主要キャストとして出演しています(バルカン人ではなく地球人役です)。

 

最後に

今回は映画『ターミナル』の解説&感想でした。

 

特異なシチュエーションの中で繰り広げられる笑い、そしてささやかな感動を与えてくれる良作でした。軽いタッチで見やすい作品なので、こういう映画こそ地上波で放送するのに適していると、個人的には思います。


そういえば、本作のエンドロールのスタッフとキャストの名前は、各人のサインで表記されていましたね。ビクターの父がジャズミュージシャンのサインを集めていたのにちなんだものですが、なかなか洒落た演出でした。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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