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映画『スポットライト 世紀のスクープ』解説&感想 ドキュメンタリー的な面白さ

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どうも、たきじです。

 

今回は映画『スポットライト 世紀のスクープ』の解説&感想です。カトリックの聖職者による児童への性的虐待事件の真相を追うジャーナリスト達を描いた作品です。

 

 

作品情報

タイトル:スポットライト 世紀のスクープ

原題  :Spotlight

製作年 :2015年

製作国 :アメリカ

監督  :トム・マッカーシー

出演  :マーク・ラファロ

     マイケル・キートン

     レイチェル・マクアダムス

     リーヴ・シュレイバー

     ジョン・スラッテリー

     スタンリー・トゥッチ

上映時間:129分

 

解説&感想(ネタバレあり)

冒頭述べた通り、本作は、カトリックの聖職者による児童への性的虐待事件の真相を追うジャーナリスト達を描いています。映画的な演出は抑制されている印象。この手の映画だと、例えば、主人公の家の窓ガラスに石が投げ込まれるとか(もっと過激な場合、銃撃されるとか)反社会的な手段で取材を妨害されたり、彼ら私生活でのドラマを通じて人物を掘り下げたりすることで、映画的な味付けをしそうなもの。しかし、本作はそうではなく、淡々と、事実に基づく取材の様子を描いていきます。


それなのに、こんなに面白い。ドキュメンタリー的な面白さを、非ドキュメンタリー映画としてうまく消化しています。


被害者の証言から感じられる彼らの抱える傷み。命を絶った者も少なくなく、"生存者"であることは幸運だという言葉にコトの深刻さを知ります。


1人の聖職者が起こした事件を追ううち、やがてそれが13人、90人、最後には249人と、同様の事件を起こしたと思われる聖職者の数が膨れ上がっていきます。徐々に真相が明らかになっていく様子にはゾクゾクさせられ、気がつけば見入っていました。


そしてそれだけ酷い事件が、これだけ膨大な数行われてきたにも関わらず、それが隠蔽されてきたという事実。これは確かに"世紀のスクープ"と言えますね(邦題にこの副題が必要だったかは置いておいて)。カトリックの信者からしたらなおさらでしょう。

 


さて、映画的な演出が抑えられた一方で、映画終盤では、極めて映画的で印象に残る台詞があります。性的虐待を行った神父の情報を入手していたにも関わらず過去に何もしなかったというロビー(マイケル・キートン)の告白に対するバロン局長(リーヴ・シュレイバー)の台詞です。

 

Sometimes it's easy to forget that we spend most of our time stumbling around the dark.
私達は毎日、闇の中を手探りで歩いている。

Suddenly, a light gets turned on and there's a fair share of blame to go around.
そこに光が射して初めて間違った道だと分かる。

I can't speak to what happened before I arrived, but all of you have done some very good reporting here.
以前何があったかは知らないが、君達全員、本当によくやってくれた。

Reporting that I believe is going to have an immediate and considerable impact on our readers.
この記事は間違いなく多くの読者に大きな衝撃を与えるだろう。

For me, this kind of story is why we do this.
私達の仕事はこんな記事を書くことだ。


派手な演出を抑え、淡々と描いてきたからこそ、ここへ来てカッコいい台詞がズバッと決まっています。

 


本作のタイトルである"スポットライト"は、ボストン・グローブ紙の特集記事欄の名称ですが、"綿密な取材によってテーマについて掘り下げ、スポットライトを当てる"みたいなニュアンスでつけられた名称と推測されます。本作でも、闇に葬られた事件にスポットライトを当てたわけです。


加えて言えば、上記のバロン局長の台詞にあった"闇に射し込む光"もまたスポットライトとして理解できます。すなわち、手探りながら何かをやり遂げた時にスポットライトを浴びて初めて周りの闇(間違った道)に気付かされるということですね。


上で述べたように、本作は取材の様子を淡々と描いており、人物をドラマによって掘り下げることはしていません。それ故に、各人物のキャラクターは、台詞回しや仕草などによって、主に俳優陣の演技によって形作られています。抑制的でリアルな演技が求められる本作において、アンサンブルとしての俳優陣の演技はそれに応える素晴らしいものでした。


その点で言えば、個人的にはバロン局長を演じたリーヴ・シュレイバーの役作りは素晴らしいと思いますね。ちょっと風変わりなところもありつつ、極めて優秀な人物という雰囲気が、見事に醸し出されていました。

 

最後に

今回は映画『スポットライト 世紀のスクープ』の解説&感想でした。今回本作を観て、ウォーターゲート事件の取材を描いた『大統領の陰謀』を思い出しました。本作に通じるものがありますよね。10代の頃に見た当時は、内容にあまりついていけなかったのですが、改めて見直してみたいなと、思わされました。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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